
机上の小さな小瓶などで飼育を楽しむことができるのもメダカ飼育の大きな魅力の一つと言えます。
「ボトリウム」そんな言葉がいつしか当たり前のように使われるようになったのもちょっとしたスペースでアクアリウムを楽しみたい、自然の水景に癒されたい、そんな現代人の想いにメダカが答えてきた結果かもしれません。
ボトリウムで飼えるメダカ
熱帯魚には種類の豊富さから面白い姿のものや煌びやかな種のものなどが沢山おり非常に魅力的ですが、メダカのように小さな小瓶で飼育できるものはほとんどいなく、あえて言えば小型のカラシンかベタくらいでしょう。
しかし、種類によってはメダカほど丈夫ではない為に適応できる水温の範囲が狭かったり、水質の悪化に敏感だったりと飼育管理がメダカ以上にシビアになってきます。
そのような観点から見てもボトリウムでのメダカ飼育は初心者の方にも手軽に始めやすいアクアリウムと言えるのではないでしょうか。
ただ、いくら初心者の方にも始めやすいと言ってもメダカは生き物ですので、メダカが生活しやすい環境づくりと毎日の世話はしっかりおこなってあげなければなりません。
また、水槽などと違い小さな小瓶のボトリウムだからこそ注意しなければいけない点も幾つかありますのでそんなボトリウムの管理方法も一緒に見ていきましょう。
ボトリウムでメダカ飼育をはじめる

ボトリウムを始めるにあたってまずは飼育用の容器を準備します。
容器は安定性の良いものであれば何でも良いのですが、セッティングや毎日の世話を考えると口の広い容器を選ぶ方がいいでしょう。
容器は蓋付きのものでも、蓋なしのものでもどちらでも大丈夫で、密閉性の高い容器であっても過剰な数のメダカを入れない限り、酸欠になるようなことはありません。
逆に蓋なしのグラスのような容器で飼育する場合には水の蒸発が蓋付きのものより早いですので、こまめな足し水等で対応しましょう。
また、メダカの飛び出し防止のためにネット状のものを上に載せたり、浮き草を水面に浮かべるなどして対策をしておくと安心でしょう。
小瓶が用意できたら底床を敷きます。底床とは容器の底に敷く、土や石の事で見た目の自然観作る効果と水草などを固定する役目をするものです。

水槽の底床にはソイルや大磯砂などを使用しますが、ボトリウムではビー玉やカラーサンドなどを敷いても問題ありません。
ただ水質に影響を与えてしまうような素材のものは避けるようにしましょう。
次に水を張りますが、底床の種類によっては水の勢いで舞い上がってしまうものもありますので、あて木や発泡スチロールなどを敷いて水の勢いを弱めながら水を注ぐといいでしょう。
その後、水草を水深に合わせた長さにカットしてピンセットなどを使い植えていきます。
浮き草などをアレンジすることで見た目のアクセントにもなるのでオススメです。
水草の種類はカモンバやアナカリス、マツモなど丈夫で水質浄化能力の高い水草がオススメです。
ここまで完成したらすぐにメダカを入れたいところですが、ここはグッと我慢をし、1日そのままの状態で放置します。
1日放置することで水道水がメダカを飼育する環境と同じ水温に落ち着くのと、水道水に含まれるカルキが飛んでメダカのストレスを避けることが出来ます。
ボトリウムで飼えるメダカの適正数

準備が終わったらメダカの投入になりますが、ここで必ず出てくる疑問が「この容器には何匹のメダカを入れられるのだろう。」こんな疑問ではないでしょうか。
ボトリウムでのメダカの適性数は容器の大きさによって多少の違いはありますが、基本的には一匹での飼育、もしくはペアでの飼育に留めておきましょう。
メダカの数を増やせば見栄えはしますがその分、水質は悪化しやすく、リスクが高まることは間違いありません。
もし、たくさんのメダカを飼育したいのであれば飼育スタイルを見直し、水槽や睡蓮鉢などでの飼育を検討しましょう。
メダカボトリウムの置き場所

ボトリウムを長期的に良好な状態で維持していく上で大切な要素の一つがボトリウムの置き場所です。
水量の少ないボトリウムだからこそ、置かれた環境によってその中の環境も大きく影響を受けます。
直射日光の当たるような場所であれば、冬場は程よく暖かく快適かもしれませんが、夏場などは一気に水温が上昇して酸欠状態を招くこともあります。
逆に全く光が当たらない室内などでは中の水草が光合成を行えないために枯れてしまうでしょう。
このようなことを踏まえて置き場所を考えるとカーテン越しの窓辺や明るい室内など水草が適度に光合成を行えて水温の変化が少ない場所が最適な環境と言えます。
もし、室内で管理していて照度の不足を感じるのであればアクアリウム用の照明や植物育成用のLED照明なども豊富に販売されていますのでそれらの照明をうまく取り入れることで管理は容易になります。
ボトリウムでメダカを飼うためのコツまとめ
- ボトリウムでのメダカ飼育は少ない数に抑える。
- ボトリウムの長期維持では置き場所が大事。
- 直射日光が当たる場所はコケや高水温に見舞われやすいので注意。
- ボトリウムで水草を育てるためには照明の設置が必須。