
小瓶などのボトリウム(ボトルアクアリウム)でのメダカ飼育は初心者でも「簡単に始めやすい」、しかし世話を怠ると「簡単に終わりやすい」それもまたボトリウム(ボトルアクアリウム)の実情です。
「簡単に終わる」とは皆さんのご想像通りの結末であり、そんな事態は絶対に避けたいものですので、ボトリウムを長期維持する為の日常管理についてもしっかりと知識をつけておきましょう。
メダカは丈夫な生き物だけれど
メダカは一般的に丈夫で飼育しやすい魚と言われています。
確かに野生のメダカは日本の小川や田んぼに泳いでいる魚ですから、季節による水温の変化には海外の熱帯魚などと比べても耐性がありますし、水質の変化にもある程度は耐えられます。
とはいえ、あくまでもメダカは小さな魚ですので急激な水温や水質の変化は極力避けてあげる必要があります。
また、自然界ではほぼありえないほどの高水温や水質の悪化も招かないような管理が必要となってきます。
飼育環境にもよりますが、室内での飼育の場合などでは飼育水は定期的に交換してあげる必要があります。
見た目には綺麗な水であってもメダカを飼育しているとメダカの排泄物や餌の食べ残しなどから有害な有機物が蓄積していきますので、定期的な水換えが必要となってきます。
ただこの時に気をつけたいのが一度に沢山の水を換えてしまうと急激な水質の変化によるメダカのストレスとなってしまうことです。
ボトリウムの水換え

それではボトリウムではどのような水換え方法が適正なのか、ボトリウムの水換え方法をご紹介いたします。
まずはボトリウムに使用している容器、もしくはその容器と同じ水量の容器を用意し、水を汲み置きしておきます。
この時、蓋付きのものは蓋をしないで置いておきましょう。
そのままボトリウムの横に置き1日以上放置します。
この作業は時間がかかり、手間な作業に感じる方もいるかもしれませんが、メダカにストレスを与えないための大事な作業なのです。
水換えによるメダカのストレスの原因は水温の変化と水道水のカルキですが、水を汲み置きしてボトリウムの横に置いておくことで必然的にボトリウムと汲み置きの水の水温は一緒になりますし、カルキは汲み置きをしておくことで抜けていきます。
このような状態になった水を水換えに使うことでメダカのストレスはかなり緩和されます。
次に水換えの方法ですが、水が溢れないくらいの受け皿や洗面器などの中央にボトリウムを置き、その上から水換え用の水をそそぎます。
そうすることでボトリウム内に水流ができ、古い水と一緒にメダカの糞や餌の食べ残しが流れ出します。
メダカは基本的には水流に逆らって泳ぐ性質がありますので容器から溢れ出すことは少ないですが、もし容器から流れ出てしまったら小さな網やレンゲなどを利用して救い出してあげましょう。
これで水換えは完了です。いかがですか?水換えの準備に少々時間を要しますが、水換え自体は非常に簡単なものではないでしょうか。
水換えが終わったら次の水換えの為に水を汲み置きしておけば作業は完了です。
ボトリウムの餌やり
水換えは汚れた水を新しいものに変える作業ですが、水質維持の観点から考えると汚さない飼育もまた水質維持の一つです。
そして水を汚す原因の多くは過剰な餌やりなどで起こりうる餌の食べ残しなのです。
メダカが健康的に成長でき、且つ食べ残さない餌の量を把握することがボトリウムでは特に大切な管理項目となります。
メダカが喜んで餌を食べる姿はメダカ飼育の醍醐味でもあり、つい食べる姿を眺めてたくてたくさん与えがちですが、食べきれず残った餌は水中で腐敗し、水質悪化の原因となります。
できるだけ食べきる量を与えるようにし、残った餌は網などで掬い取るようにしましょう。
メダカの餌の量はそのメダカの顔の大きさより若干少なめ程度が程よい量と言われています。
実際に与えてみると物足りなく感じるかもしれませんが、メダカを長生きさせる為のコツの一つと捉え、適量を守るようにしましょう。
夏場の水温管理
気温が上がる夏場はアクアリウムにとって非常に厄介な時期とされています。特に水量の少ないボトリウムでは水温の上昇は顕著に現れますので室温の管理や日光の差し込みなどには注意しましょう。
水量の少ないボトリウムは一見管理が難しそうに思われがちですが、大切なポイントをしっかり押さえ、日々の世話を怠らなけば決して難しいものではありません。