
メダカを庭などの屋外で飼育したい。
メダカの屋外ビオトープってどんなもの?
メダカを屋外で飼うための容器や準備するものは?
メダカの屋外飼育は夏や冬でもできる?始めるのに最適なシーズンは?
めだかを外で飼うと猫やカエルなどの天敵が心配。大丈夫?
メダカの屋外飼育の雨対策は必要?寿命に影響する?
こんなメダカの屋外飼育に対する疑問についてお答えします。
目次
メダカの屋外ビオトープとは
自宅の庭やベランダなどにメダカ飼育用の容器が置けるスペースがあるのでしたら、是非メダカの屋外飼育にチャレンジして頂きたいものです。
メダカは自然の川や水田に棲息している淡水魚なので東北以南の地域でしたら問題無く屋外飼育が可能です。
室内飼育では水槽を利用したメダカ飼育が一般的ですが、屋外飼育でしたら室内では育成が難しい水生植物なども色々とレイアウトに取り入れることが出来るため多彩なレイアウトを楽しむことが出来ます。
まさに「メダカの屋外飼育=メダカビオトープ」と言った考え方も出来ます。
勿論、屋外のメダカ飼育でも土や植物を入れないで飼育する事も可能ですが、何も入れていない飼育方法と土や植物(水草)が入っている飼育方法では環境はかなり違うものです。
容器に何も入れていない環境でも屋外では太陽光の影響で容器の内側には藻が生えて多くの微生物が発生しますので、それなりに水質は安定していきますし、メダカの餌も確保出来るようになっていきます。
ただし、そのような環境ではメダカの隠れ家になるものが無い為、メダカは安心して暮らす事が出来ません。
またメスが産卵しても卵がすぐに他のメダカに見つかってしまう為、自然繁殖は難しいかもしれません。
容器の中に土や水生植物を入れてあげる事により、そのような問題も解決しやすくなります。
土や水生植物が入れられている環境は微生物も増えやすくなりますし、植物の持つ水質浄化能力のおかげで何も入れていない環境よりも遥かに水質は安定し易くなります。
比較的大きなスイレン鉢などでメダカを飼い、その中に土が入っているポットに植えられた水生植物を入れてあげても同じような効果は期待できます。
メダカの飼育容器内に何らかの方法で土が入れられてさらにそこに水生植物が育っている環境は水だけしか入っていない飼育環境に比べると遥かに自然の池などに近い環境を作り上げられるのです。
勿論、自然の池や川とはその水量や取り巻く環境に圧倒的な差があるのですが、水の中の環境が年月の経過と共にやがて調和が取れた状態に近づいていく仕組みは自然の池や川と変わりありません。
水質が安定してくるとメダカは自然に繁殖をはじめますが、土や水生植物を入れてある環境では産み落とされたメダカの卵は隠れやすくなりますので他のメダカに見つかって食べられてしまう可能性も確実に低くなります。
全ての受精卵が孵化できるわけでは無く、見つかって食べられてしまうものもあるでしょうが、生き残った卵が孵化し、稚魚が親魚と一緒に泳いでいる姿をいつの日か見られる時が来るかもしれません。
このように屋外飼育のメリットを最大限に活かせるような飼育方法をとることが屋外飼育のコツとなります。
メダカの屋外飼育では室内の水槽飼育とは違った注意点や育成のコツがあります。
また屋外でメダカを育てるのに最適な容器や水換えなどについても一緒にご紹介致します。
メダカを屋外で飼うための容器や準備するもの
屋外でメダカを飼う為の容器は水が貯められる容器であれば何でも流用できますが、水を貯めた際にメダカに悪影響を与えるような物質が溶け出さないものを選んでください。
価格や機能性を重視するのであれば発泡スチロールやバケツなどでもメダカの屋外飼育は可能です。
発泡スチロールを使用する場合には薄すぎないものを使う。
経年劣化したら割れる前に交換するなどの対応が必要となってきます。
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たくさんの種類のメダカを飼育する人などは機能性を重視してコンテナボックスやプラ舟を使用します。
コンテナボックスやプラ舟は大きさの選択肢が幅広く、さまざまな場所に合わせて並べることができます。
メダカの屋外飼育でラックや棚を使用してメダカの容器をたくさん並べるなどの飼育方法によく用いられる容器です。
プランターを使用する際には底の穴に栓をすることで水が貯められるものを選ぶようにしましょう。
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おしゃれな感じでメダカの屋外飼育を楽しみたい人にはメダカ鉢や睡蓮鉢などがおすすめです。
他の容器に比べて陶器のずっしりした雰囲気はやはり高級感を演出してくれます。
メダカ鉢の中でも価格を重視して陶器ではなく、プラスチック製のものもありますのでおしゃれ感と価格の双方のメリットを取り入れたい方にはおすすめです。

水槽を屋外に置いて飼育する方法もありますが、ガラスの性質上、外気の影響を受けやすく水温の変化が激しいことや太陽光の差し込みによりコケが生えやすいことなどから屋外飼育ではあまりお勧めできません。
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メダカの室内飼育では水槽や水槽台、照明、エアーポンプ、濾過フィルターなど飼育を始めるにあたって準備するものが色々ありますが、メダカの屋外飼育では基本的に容器さえ準備できればメダカの飼育を始めることができます。
これもメダカの屋外飼育の魅力の一つと言えるでしょう。
その後、飼育スタイルや環境にあわせてすだれなどの必要なものを揃えていくとよいでしょう。
もちろんメダカの餌や水換え用の道具などは屋外飼育・室内飼育を問わず必要となってきます。
メダカの屋外飼育を始めるのに最適なシーズン
メダカを屋外で飼うことは春夏秋冬問わず問題ありません。
もともとメダカは日本に生息している淡水魚ですので日本の四季に順応することができます。
しかし季節やメダカの種類によって注意点があります。
メダカの屋外飼育では一度環境に慣れてしまえば問題ありませんが、真夏の暑い日(水温が高い時)に屋外飼育を始めたり、冬の寒い時期(水温が低い時)に屋外飼育をはじめるのはあまりおすすめできません。
まずはメダカが環境の変化に順応しやすいようにメダカにとって最適な時期にはじめるようにしましょう。
メダカにとって最適な時期とは水温が20℃〜28℃くらいの季節です。
よって春から夏にかけてがメダカの屋外飼育をはじめるのに最適なシーズンとなります。
秋もメダカにとって最適な水温になる時がありますが、その後急激に水温がさがると冬の低水温にメダカが耐えられないことがあります。
夏の時期にしっかり栄養を取っていれば問題はありませんが、少々痩せ気味のメダカなどは秋からの屋外飼育は避けた方が良いかもしれません。
またメダカの種類によっては屋外飼育に不向きなメダカもいます。
黒メダカや楊貴妃メダカ、みゆきメダカなど通常体型のメダカであれば品種を問わず屋外飼育は可能です。
しかしダルマメダカなどのように体型がふっくらしたメダカは冬の低水温に弱く転覆病などを起こしやすくなります。
どうしてもダルマメダカなどを屋外で飼育したい場合には簡易温室やビニールハウス内での飼育をおすすめします。

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メダカの外飼いの天敵は?猫やカエルは大丈夫か
メダカの外飼いで心配になることは天敵に襲われないかでしょう。
確かにメダカの屋外飼育では天敵に注意しなければなりません。
ただ、猫や犬などはメダカを襲って食べるようなことはありませんので心配ありません。
アマガエルなども稀にビオトープに遊びにくることがありますが、メダカを襲うことはありません。
メダカの本当の天敵はヤゴなどの水性生物です。
また近年では屋外で飼育していたメダカを盗まれたなんてこともあります。
悲しい話ですが、メダカの屋外飼育の天敵は心なき人であるとも言えるかもしれません。
メダカ愛好家の中には防犯カメラの設置や照明の設置をしている人も多くなっています。
大切なメダカを守るためにも防犯設備は必要不可欠な時代なのかもしれません。

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屋外のメダカ飼育で雨対策はどうすればいいのか?
実は屋外のメダカ飼育ではそれほど雨を心配する必要はありません。
メダカの容器を雨の当たる場所に置いてあげると水面を叩きつける雨の影響で水中に酸素が行き渡るうえに新鮮な水が取り入れられるので効果的です。
よく雨の入る場所に置くと増水してメダカが流されてしまうのではといった不安を抱く方がいますが、基本的にメダカは強い雨の日には雨の影響を受ける水面直下にはおらず、水深の深い場所でじっとしていますので心配はありません。
また、弱い雨ならば逆にメダカの活性が高まって水面で餌を探していることさえあります。
よって多少の雨なら気にかけることはありません。
ただ、非常に強い雨や長時間降り続く雨には雨対策をした方が良いでしょう。
近年の雨水は酸性雨の影響が強くなっています。
グリーンウォーターは植物プランクトンの光合成活動によりpHが弱アルカリ性に傾いていますので大量の雨が入ると水質が大きく変化してしまいます。
また、せっかく繁殖した植物プランクトンや動物プランクトンが流されてしまいグリーンウォーターが薄くなってしまうこともあります。
弱い雨なら気にすることはないですが、短時間に大量の雨水が入るような時には波板などで蓋をする方法がよく使われています。
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メダカの屋外飼育で水換えは必要?
メダカの屋外飼育では先にも述べましたように自然の力で水質が安定し易いものです。
よって毎日何かしらの世話をしなくてはならないものではありませんが、それでも定期的に観察して水質が悪化しているようなら水換えも必要となります。
屋外のスイレン鉢などでメダカを飼育していると池などと同じような感覚になり、水換えの必要性を忘れがちですが、特に飼育初期の水質が安定していない時期には水が汚れ出したら水換えをしてあげましょう。
ある程度自然のサイクルが確立してくると水換えの手間も必然的に減ってきますので安心してください。
バクテリアの繁殖が活発になり、植物の成長も確認できるようになってくると水質が安定してきます。
それまでは餌の量を控えたり、メダカの数を控えめにしておくことで水換えの回数を減らすことが出来ます。
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メダカの屋外飼育 庭でのメダカの飼い方まとめ
- メダカの屋外飼育ではメダカビオトープがおすすめ
- おしゃれな容器を選ぶか機能性と価格重視の容器を選ぶか自由度がある
- ガラス水槽は屋外飼育ではお勧めできない
- メダカの屋外飼育を始めるのに最適なシーズンは春〜夏
- 少しの雨なら酸素供給などメリットがある
- 大量の雨水はグリーンウォーターを薄くしてしまう
- 強い雨の時は波板などで蓋をすると良い
- 屋外での水換えは植物の成長やバクテリアの繁殖度合いにより減らすことが出来る
今回はメダカの屋外飼育についてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。