ビオトープ、聞いたことはあるけれどビオトープってなに?と聞かれたら答えに迷う方も多いのではないでしょうか。
何となくは知っているけど・・・。
そんなビオトープについてまずは考えてみましょう。
ビオトープについて簡単にわかりやすく説明すると
ビオトープ(biotop)とはもとはギリシャ語のbio=生物とtop=住む場所から作られたドイツの造語で語源からもわかるように広い意味でとれば森林や河川なども全てビオトープとなります。
本来のビオトープとは
ビオトープの本来の意味合いはある地域の中で形成される生態系の事を指しますが、日本では人工的な池や川を作り水生植物を植えて自然環境を再現したものをいつからかビオトープと呼ぶようになりました。
具体的には池を作り、その周辺に水生植物を植えたり、水面に浮草を浮かばせたりしてその池にメダカなどを泳がせます。
メダカなどは土中から発生してくる微生物などを食べその糞を肥料として植物は育ちます。
このような仕組みを大規模に行うことで水辺にはやがてカエルや昆虫、鳥などがやって来て水中だけではなく陸上も含めた生態系が出来上がっていきます。
このような自然の生態系を家庭のスイレン鉢などでコンパクトに再現したものもいつからかビオトープやミニビオトープと呼ぶようになりました。
ビオトープの魅力
都市開発が進み多くの自然が失われていった今日、私たちはビオトープと言う庭先の小さな自然の生態系に心の安らぎを求めているのかもしれません。
他にもビオトープの隠れた魅力の一つに維持費の安さが挙げられます。
屋内飼育の水槽では濾過フィルターや蛍光灯を設置することにより電気代がかかってきます。
とはいえ家計を圧迫するような金額の電気代がかかるわけではありませんがやはり自然の力を利用したビオトープの方が経済的と言えるでしょう。
ビオトープは一度セットして水質が安定してしまえばメダカに与える餌代と植物の追肥の為に必要となる油かす程度で済んでしまいます。
そんなビオトープを作り上げ、維持していく上でどのような条件が必要となってくるのでしょう。
ビオトープに必要な条件
ビオトープはメダカと水生植物がともに元気に成長する事で生態系を維持していくものですのでビオトープにはメダカを育てる以外にも水生植物が元気に生長する為の条件が必要となってきます。
植物には光、水、土(肥料)、二酸化炭素が不可欠でどれか一つ欠けただけでも生長する事ができません。
ビオトープと光の関係
ビオトープがどのようなものかわかったところでビオトープと光の関係について触れていきましょう。
メダカ飼育といった観点からビオトープをはじめるとメダカが元気に泳ぐ環境に意識が向いてしまい、水中の酸素は足りているだろうか?
メダカの餌は足りているだろうか?
このような点に意識が向きがちですが、メダカが元気に育つ環境=ビオトープ内の植物が元気に育つ環境であることをしっかり意識して植物が育つ環境にも目を向けていきましょう。
植物が元気に育つために必要な光。屋外でビオトープを行うのであれば太陽の光がこの役割を果たすはずです。
ただ太陽の光には植物にとって有効な光合成をおこなうための要素に加えて水温を左右する熱も持ち合わせていることを忘れてはいけません。
植物の光合成を活発に行うために日当たりのいい場所に睡蓮鉢などを置くことはいいのですが、真夏などの気温の高い時期には睡蓮鉢内の水温も上昇してしまうものです。
多少の水温上昇でしたらメダカは耐えることができますが、水温の上昇により水中の溶存酸素量が低下して酸欠などにならないように注意しましょう。
大きなスイレン鉢や水生植物を多めに入れてあるビオトープでしたら水生植物による光合成によって酸素は補われるうえに水量もある程度確保できているのでそのような問題は起こりにくいですが、小さめの容器や水生植物が少なく、メダカが多めに入れてあるビオトープなどは酸欠になる可能性があります。
もしメダカが水面近くでパクパクしていたり、泳ぎに元気がない時などはエアーポンプなどを利用して水中の酸素を確保してあげましょう。
ビオトープでは水生植物が元気に育つことで光合成が活発になり、環境を作り上げていくものです。
一度環境が安定してしまうと水槽飼育よりも管理は容易になりメダカを元気に長生きさせることもできるようになります。
ビオトープとはまとめ
- 日本では人工的に池や川を作り水生植物を植えて自然の環境を作り上げたものをビオトープと呼ぶようになった。
- ビオトープを維持するためには植物が育つ環境が必要。
- 太陽の光はビオトープには必要不可欠だが、水温の上昇には気を付ける。
- ビオトープは水生植物が元気に市立つことで環境を作り上げていく。
- ビオトープの環境が整うと水槽飼育より日々の管理は容易になる。
今回はビオトープについてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。