
メダカが一斉に死んでしまうメダカの大量死。
その理由は様々ですが、夏場に起きやすいメダカの大量死の原因と水温の関係についてご紹介致します。
睡蓮鉢などでの屋外飼育と水槽やプラケースなどの室内飼育、それぞれの注意点についても一緒にご紹介致します。
メダカの大量死はなぜ起きるのか?
メダカが1匹や2匹死んでしまうような時は、そのメダカ自体の寿命や病気などが原因となることが多いものです。
しかし、今まで元気に泳いでいたメダカ達が一斉に死んでしまうような大量死が起きた時は致命的な環境変化が起きたと考えるべきです。
致命的な環境の変化とは急激な水温の変化、水質の悪化、酸欠などが考えられます。
それぞれの問題について一つずつ考えてみましょう。
まず、急激な水温の変化とは短時間での水温上昇や水温降下です。
水量の少ない小さな容器などでメダカを飼育していると日中の直射日光により想像以上に水温は上昇してしまうものです。
また、室内飼育では直射日光は当たりにくいですが、水槽に設置してある蛍光灯が水温の上昇に拍車をかける要因にもなります。
誰もいない真夏の室内、こもった空気が徐々に室温の上昇を招き、さらに蛍光灯の熱により水温が35℃を超えることもあります。
このような時に水温を下げるために沢山の水換えをしてしまうと急激な水温降下を起こし、これもまたメダカにとってかなりのストレスとなってしまいます。
高水温時の大量の水換えは場合によってはメダカの大量死を招くことさえありますので要注意です。
次に水質の悪化ですが、気温や水温の上がる時期はメダカの活性も高まります。
そのため、餌も沢山食べ、糞も沢山します。
さらにメダカ以外の生き物も同じように活性が上がるため春先とは比べものにならないくらい水は汚れやすいものです。
その状態に気がつかずに放置していると水質の悪化によるメダカの全滅を招くこともあります。
ただメダカの大量死が起こるほどの水質の悪化となれば、見た目や臭いなどでわかるものですので、日々の観察を怠らなければそれほど心配する要因ではありません。
水質の悪化以上に気がつきにくく、急に起こる問題が酸欠です。
春や秋には何も問題なく飼育できていた環境でさえ真夏には酸欠を起こすこともあるのです。
真夏に起こりやすい酸欠のメカニズムについても触れておきましょう。
夏に起こりやすい水中の酸素欠乏
酸欠とは水中の酸素が欠乏することで、水量の少ない容器に多くのメダカや金魚を入れた時に起きやすいとされています。
そのことは多くの人が知っていることですが、実は過剰な飼育数でなくても酸欠を起こすことがあるのです。
水温が上がるとその値に比例して水中の酸素量が低下します。
メダカをグリーンウォーターで飼育している場合などは特に注意が必要です。
グリーンウォーターは植物プランクトンが豊富にいる状態であり、日中は光合成により酸素を放出しますが、日が沈むと光合成は止まるため酸素の消費だけが起こります。
濃度の高いグリーンウォーターはそれだけ酸素の消費が多いため酸欠を起こすこともあります。
水面を覆い尽くす浮き草や水中に密生する水草も同じように日中は光合成を行い、夜間は酸素の消費だけを行うことを覚えておきましょう。
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夏場の酸欠を防ぐにはメダカの数だけではなく、そこにいれてある全ての生体(植物も含む)の数を抑えることが大切です。
水中の酸素濃度の低下の要因の一つが高水温によって起こるため、やはり夏場の水温対策は重要な管理項目となります。
そのため屋外飼育、室内飼育それぞれの水温対策についても知識をつけておきましょう。
屋外飼育での水温対策と酸欠対策
メダカの屋外飼育では室内飼育以上に様々な飼育方法が選択できます。
小さなプラケースからメダカ鉢、睡蓮鉢、トロ舟、さらには池など。
どの方法でも飼育は可能ですが、水量が少ないほど水温管理は難しいことは覚えておきましょう。
もし、プラケースなど小さな容器で飼育をしているのであれば、夏本番を迎える前に大きな容器への変更をお勧めします。
さらに屋外飼育では容器の置き場も注意が必要です。
水生植物や微生物、さらにはメダカの成長においても太陽の光は必要不可欠ですので、一日中日の当たらない日陰での飼育はあまりお勧めできません。
しかし、直射日光が照りつける場所では水温の上昇が懸念されるため悩みどころです。
そのような時には遮光ネットやよしずを利用し、光量を抑えたり、半日だけ日が当たるようにする、日陰と日向の場所を作るなどの対策を施すと良いでしょう。
さらに晴天が続くと植物プランクトンが活発になり、グリーンウォーターの濃度が高まり過ぎてしまうこともありますので、定期的な水換えでグリーンウォーターの濃度を薄く保つようにします。
夜間の酸素濃度低下を防ぐ目的としてエアーポンプなどを設置しておくのも良い方法です。
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屋外では直射日光さえ当たらなければ風通しが良いので空気が循環し熱気がこもることは少ないはずです。
しかし、室内では空気の循環が無く、熱気がこもりやすいものです。
特に誰もいない室内などではエアコンも作動していないことが多いため、気がつくととんでもない室温になっていることさえあります。
そのような環境に水槽を置いてあったら、いくら水槽周辺設備そのものが熱を発しなくても水温が上がってしまうことは容易に考えられることです。
よって室内でのメダカ飼育では室温をどれだけ低く保てるかが重要なのです。
窓を開けて風通しを良くする、扇風機などで風の流れを作るなど。
さらにはシェードやよしずをうまく利用して窓からの熱の吸収を抑える方法などもあります。
屋外飼育、屋内飼育共に共通して言えることはできる限り水量を確保し、水温の上昇と酸素濃度の低下を抑えることがコツとなります。
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