
メダカビオトープの濾過は必要?
ビオトープのろ過装置でソーラー式のものはある?
ビオトープのろ過装置は自作できる?
こんなメダカビオトープのろ過に関する疑問についてご紹介いたします。
メダカビオトープの濾過は必要?
メダカのビオトープを作るときに濾過装置は必要なのでしょうか?
結論から言うとビオトープをより安定して管理したいならば濾過装置をつけた方が良いでしょう。
メダカのビオトープは濾過装置無しで管理するのが一般的ですが、これは濾過バクテリアによる生物濾過と水生植物の2つによって水が浄化されるからです。
しかし、自然の水質浄化作用にはもう一つあります。
それは物理濾過です。
自然界に降った雨は地面に染み込み、さまざまな種類の地層によって濾過され、物理的なゴミが取り除かれた状態となって湧き出てきます。
これが自然界における物理濾過です。
また、地面に染み込み湧き出すまでの間に濾過バクテリアによる生物濾過も行われています。
つまり、湧水などがとても澄んでいるのは、物理濾過と生物濾過の2つの力で水が浄化されているからです。
一方の人工的なビオトープはというと、多くの場合濾過装置を付けていないので、物理濾過は無く濾過バクテリアの生物濾過だけという事になります。
確かに濾過バクテリアだけでもビオトープの水質を維持することは可能です。
しかし、生体の数が増えすぎたり、水生植物が枯れてしまったりなど、生物濾過の循環のバランスが崩れてしまうと一気に環境が悪化してしまう危険性があります。
また、濾過装置が無いビオトープの場合、水流が無いために溜池状態となります。
流れが無い人工的な溜池を見ると分かりますが、多くの場合ドブ池のようになっており、悪臭がします。
同じ事が濾過装置無しのビオトープに起きる可能性があります。
濾過装置が無くても適度に水換えをしてあげれば水の循環が生まれるので水が腐ってしまう事は無いですが、より自然な形で自動で水を循環させるなら、濾過装置を取り付けた方が手間が少なくて済みます。
このように、より自然に近いビオトープを作りたいならば、生物濾過だけでなく物理濾過も必要です。
人の手で水換えすることも物理濾過になりますが、より自然に自動的に水を循環させるなら濾過装置を取り付けることをおすすめします。
また水の流れは水質を安定させるために非常に重要な要素でもあります。
そんな水の流れを作るためにも濾過装置は非常にメリットのあるものと言えます。
しかし、いざビオトープに濾過装置を設置しようと思っても電源がない。そんなことも少なくありません。
そのような時にはどうしたら良いのか?
ビオトープのろ過装置でソーラー式のものはある?
ビオトープは基本的に屋外で管理します。
そのため、濾過装置を取り付ける際に問題になるのが「電源の確保」です。
ちょうどよく外壁に防水コンセントがあれば良いですが、ベランダでのビオトープの場合コンセントが無いことも少なくありません。
電源が確保できない場合どうすれば良いのでしょうか?
そのような時はソーラーパネル付きのソーラーポンプ(噴水)を使うと電源の心配が無く便利です。
厳密に言うとソーラーポンプは濾過装置ではありません。水を吸い込み吐き出すだけなので水の循環装置です。
そのため物理濾過は期待できませんが、水の流れを作り出すことは可能です。
水の流れができれば溶存酸素量がより増えますし、ビオトープ内の水が満遍なく循環するので、隅々まで酸素が行き渡りやすくなり水の汚れを抑える事ができます。
以上のように、残念ながら市販の濾過装置にソーラー式の物はありませんが、ソーラーポンプを使って水を循環させることは可能です。
また、ソーラーポンプを使えばソーラー式の濾過装置を自作することもできます。
ビオトープのろ過装置は自作できる?
屋外に電源を確保できない場合、ソーラーパネルがついたソーラーポンプを使って濾過装置を自作する方法があります。
作り方はとても簡単です。
用意する物は次の通り。
- ソーラーポンプ
- プラスチック容器
- ろ材(ウールマットやリングろ材など)
まずはソーラーポンプを用意します。
Biling ソーラーポンプなどが販売されていますので、ビオトープのサイズに合わせて選んでみてください。
次にタッパーなどのプラスチック容器を加工します。
水や汚れが通りやすいように、側面や底面に直径3~5mm程度の大きさの穴を開けていきます。
ソーラーポンプの電源ケーブルは容器上部からそのまま出すか、容器側面に大きめの穴を開けてそこから出すようにしてください。
容器の加工が済んだらポンプ部分を入れ、その周りにろ材を敷き詰めます。
ポンプの周りには目の細かいウールマットを敷き詰めると良いでしょう。
砂などがポンプ内に入り込むことを防ぐことができ、目詰まり防止になります。
また、活性炭やリングろ材などを組み合わせて使うのも良いですね。
後は容器の上部分に蓋をして完成です。
タッパーであれば付属の蓋にパイプの吐き出し口が出るように穴を開ければ良いですし、蓋が付いていない容器の場合は底鉢ネットなどのメッシュ状のものを加工して蓋にすると良いでしょう。
完成したらビオトープ内に沈めてソーラーパネルと繋げれば設置完了です。
以上は一例で、自作方法は様々です。
ポンプの吐き出し口にホースを繋げて滝のように加工するなど、工夫次第で色々できるので、作りたいビオトープの水景に合わせて加工してみて下さい。
注意点としてソーラー式のものは少しでも曇ると途端に流量が低下してしまいます。
その点をご理解のうえ、購入及び自作することをおすすめします。
国内メーカーではソーラー式のものにそれほど力を入れていない現状がありますので、それだけソーラー式の使い勝手や需要が良くないことが伺えるのも事実です。
屋外ビオトープなどで電源を使用する方法には防雨コンセントボックスや防雨電源ケーブルを使用するやり方もあります。
そのような方法を取り入れることで使用できる設備の幅も格段に広がります。
メダカビオトープの濾過まとめ
- 自然界の濾過は生物濾過と物理濾過の2つある
- 人口のビオトープも濾過装置の物理濾過を付けた方が管理が楽になる
- ソーラー式のポンプ(噴水)は市販されている
- ソーラーポンプを使って濾過装置を自作する事ができる
- ソーラー式のものは天候に大きく影響を受けるため使い勝手が悪い点もある
- 屋外ビオトープでは防雨コンセントボックスや防雨電源ケーブルを使うやり方もある