メダカビオトープは底床なしでも大丈夫?
ビオトープの底床の厚さはどのくらいがいいのか?
ビオトープの底床は砂利でも大丈夫?
ビオトープの底床の掃除は必要?
こんなメダカビオトープの底床に関する疑問についてご紹介いたします。
メダカビオトープは底床なしでも大丈夫?
生物が自然な形で生活する空間を作り出すビオトープ。
メダカのビオトープでは水辺の生態系を人工的に作り出します。
では、メダカのビオトープは底床無しでも作ることができるのでしょうか?
結論から言うと底床無しでもビオトープを作ることは可能です。
メダカが生息する自然環境の再現という意味では底床があった方がより適したビオトープになりますが、底床が無くても問題なくビオトープを作る事ができます。
しかし、底床無しでどうやって水辺の水生植物を育てれば良いのでしょうか?
浮き草は浮かべるだけなので底床無しでも問題ありませんが、水中の植物はそうはいきません。
ですが安心して下さい。底床が無くても水生植物を育てる事は出来ます。
どうするのかというと、鉢植えに水生植物を植えて、鉢ごと水中に沈めて育てます。
鉢植えに使う土は目の細かい赤玉土がおすすめです。
赤玉土は園芸の基本用土で植物が根を張りやすく、水も汚れにくいので使い勝手が良いものです。
このように鉢植えを利用すれば、底床が無いビオトープでも水草などの水生植物を育てる事が可能になります。
自然環境の再現や水景の鑑賞性の高さ、濾過バクテリアの定着のしやすさといった点に関しては底床ありの方に軍配が上がりますが、底床無しのビオトープは管理やリセットがしやすいという利点があります。
以上のように、底床が無くてもメダカのビオトープを作ることは可能ですので、作りたい環境に合わせて底床の有無を選ぶと良いでしょう。
ビオトープの底床の厚さはどのくらいがいいのか?
メダカのビオトープに底床を入れる場合、どのくらいの厚さに敷けば良いのでしょうか?
底床を敷くスタイルのビオトープの場合、基本的に水草は底砂に直接植え込みます。
そのため、底砂は水草が根を張れる厚さに敷きましょう。だいたい3cm~5cm程度の厚さに敷けば大丈夫です。
この時、水草がしっかりと根付くようにと、あまりに厚く敷きすぎないように注意しましょう。
なぜ底砂を厚く敷きすぎない方が良いのかはバクテリアの活動と関係があります。
水を綺麗に保ってくれる濾過機能の一つに、濾過バクテリアが行う生物濾過があります。
濾過バクテリアは有機物から発生する有毒なアンモニアや亜硝酸塩といった物質を、比較的毒性の低い硝酸塩に分解してくれます。
このため、濾過バクテリアが十分に繁殖している水槽では有毒な物質がどんどん分解されるので、水が汚れにくく水換え頻度が少なくて済むのです。
この濾過バクテリアは主に「好気性バクテリア」です。好気性とは酸素を好む性質のことを指します。
つまり、好気性バクテリアは酸素が豊富な場所にしか住み着くことが出来ないのです。
これに対して「嫌気性バクテリア」というものがいます。嫌気性バクテリアは逆に酸素が乏しいところに住み着き繁殖します。
この嫌気性バクテリアは主に、魚や人体に有害な硫化水素を発生させます。
中には硝酸塩を無毒な窒素に分解してくれる有効な嫌気性バクテリアもいるのですが、基本的には有害な物質を出す厄介なバクテリアです。
嫌気性バクテリアが住み着くのは「嫌気層」という酸素が乏しい場所です。
底床を厚く敷いてしまうと酸素が届かない嫌気層ができてしまうため、あまりに厚く底床を敷いてしまうのは良くないということになります。
一部底砂を盛って高さを出すのは問題ありませんが、全体的に10cmなどと極端な厚さに敷くことにメリットがありません。
以上のように、メダカのビオトープの底床はあまり厚く敷かず、水草が根を張れる3cm~5cm程度が適切です。
ビオトープの底床は砂利でも大丈夫?
メダカのビオトープに底床を敷く時、何を敷けば良いのでしょうか?
例えばメダカ用の砂利を敷いても大丈夫なのでしょうか?
もちろんメダカビオトープの底床に砂利を敷いても問題ありません。
屋外に設置するビオトープの底床には赤玉土や水生植物の土、ソイルなど色々なものが利用できます。
赤玉土や水生植物の土、ソイルなどをおすすめする理由は多孔質なため濾過バクテリアの繁殖が良いことと水草などの根が張りやすいことです。
しかし、年月が経つと形が崩れヘドロ化するというデメリットもあります。
一方の砂利は、水草が育つために必要な栄養素はほど含まれていませんし、根も張りづらいです。
そのため、砂利でも育てられる水草を選ぶか、肥料を足すなどの一手間が必要になります。
しかし、砂利は赤玉のように崩れてヘドロ化する事は無いので、長く使う事が出来るのが大きなメリットです。
赤玉土、ソイル、砂利それぞれのメリットとデメリットを整理してみると
- 赤玉土と水生植物の土、ソイルは多孔質で濾過バクテリアが繁殖しやすい。
- 赤玉土と水生植物の土、ソイルは水草などの植物が根を張りやすい。
- ソイルには植物が育ちやすい栄養を含んだものが多い。
- ソイルには有害な物質を吸着してくれるものなどもある。
- 砂利には栄養分は含まれていないが、経年劣化がしにくいので長年扱える。
それぞれの底床の特性を理解して選ぶようにしましょう。
ビオトープの底床の掃除は必要?
一般的に水槽の底床は定期的な掃除が必要です。
では、メダカビオトープの場合、底床の掃除は必要なのでしょうか?
メダカビオトープの底床の掃除は基本的に必要ありません。
メダカの糞などの有機物はバクテリアにより分解されますし、水生植物から枯れ落ちた葉っぱなどはエビやゾウリムシなどの餌として消費されます。
室内とは違い、外気と太陽光にさらされている屋外では、様々なバクテリアやゾウリムシなどの原生生物が発生します。
そのため人工的なビオトープでも自然に近い環境が出来てくるため、こまめに底床を掃除する必要は無いのです。
ただし、メダカなどの生体数が多すぎるとバクテリアや水生植物などが処理できる汚れの量を超えてしまうので、定期的に底床の汚れをホースで吸い出すようにすると良いでしょう。
また、枯れた植物が大量に蓄積している場合も景観が損なわれるので適度に掃除する方が良いですね。
ビオトープとは極力自然の力だけで生態系を築きあげて回す仕組みを取り入れるものです。
そのためメダカの数を増やしすぎて生態系のバランスが崩れてしまうような環境は避けるようにしましょう。
メダカビオトープの底床まとめ
- 底床無しでもメダカのビオトープはできる
- 底床の厚さは水草が植えられるように3cm~5cm程度にする
- 底床が厚すぎると嫌気層ができてしまうので注意
- 底床に砂利を使っても問題ないが水草を植えるには一工夫必要
- 基本的にビオトープの底床掃除は必要無い