メダカの稚魚の餌としてミジンコを与えるにはいつから与えれば良いのか?
稚魚にミジンコを与えるメリットは?
稚魚にミジンコを与えるデメリットはあるのか?
ミジンコと人工フードの違いは?
こんなメダカの稚魚とミジンコに対する疑問についてお答えします。
目次
稚魚の餌としてミジンコはいつから与えるか
ミジンコはどのタイミングで稚魚の水槽に入れるのが良いのか?
このタイミングに対してはさほど気にする必要はありません。
ミジンコはメダカの稚魚が孵化してすぐ、もしくは孵化する前から入れても問題ありません。
そもそも野生のメダカの住む環境や屋外のビオトープなどでは稚魚が生まれる前から普通にミジンコなどの動物プランクトンは生息しているものです。
いつからミジンコを食べるかという質問になると少々回答は変わってきます。
孵化してすぐの針子と呼ばれる稚魚は口が小さいため1mmを超えるようなミジンコは食べられません。
稚魚の成長度合いにもよりますが、孵化から1ヶ月くらい経った稚魚ならそのようなミジンコを食べられるようになります。
???
それなら孵化してすぐの針子にミジンコを与える意味はない?
このように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
針子はミジンコの赤ちゃん(幼生)なら食べることができますのでミジンコの赤ちゃんが針子の餌になります。
ミジンコは餌となるものが豊富にあり繁殖に適した環境であれば頻繁に繁殖を繰り返して増殖します。
そのような環境で育てたミジンコには様々な大きさのミジンコがいることになりますので稚魚の餌も自然と確保できるようになります。
よって購入したミジンコをそのまま稚魚に与えるのではなく、しっかりとミジンコを育ててから稚魚に与えるようにしましょう。
記事の最後に簡単にですがミジンコの育て方も載せておきます。
ミジンコの詳しい育て方についてはネット上に様々な方法が紹介されていますので参考にしてみてください。
稚魚にミジンコを与えるメリット
稚魚は体が小さいため一度に沢山の餌を食べることができません。
こまめに食べ続けることで大きく成長していきます。
よって餌は稚魚が食べたい時にいつでも食べられるようにしておくことが稚魚の成長には理想的です。
そのような点から考えてもミジンコは非常に都合の良い餌なのです。
ミジンコは生き餌なので多少多めに入れておいても水質が悪化することはありません。
「ミジンコは食べ残しても腐敗することがない。」これは非常にありがたいミジンコのメリットと言えます。
人工フードはその考え方で与えてしまうと腐敗して水質悪化につながってしまいます。
人工フードもタイミングと量をしっかり管理できれば稚魚にとって最良の餌なのですが、1日中稚魚のそばにいてこまめに餌を与え続けることができる人はそう多くはないはずです。
仕事やプライベートの都合で家にいない時間帯もあるでしょう。
そのような環境では稚魚が食べる量を的確に与えることが難しくなってしまいます。
必ず食べ残しが出るか、足りないで稚魚が餓死してしまうかどちらかに偏ってしまうものです。
そこを補うのがグリーンウォーターやミジンコ、psbなどの生き餌です。
グリーンウォーターは植物プランクトンで形成されているため、その植物プランクトンを稚魚が食べることで餌不足を補うことができます。
しかし、栄養価の面で考えると植物プランクトンでは人工フードや動物プランクトンに劣るところがあります。
植物プランクトンよりも動物プランクトンであるミジンコの方が栄養価が高いのは明らかです。
よってグリーンウォーターの代替えとしてミジンコを常に与えることができれば稚魚の成長は格段に上がるはずです。
稚魚にミジンコを与えるデメリット
メダカの稚魚にミジンコを与えることによる大きなデメリットはありませんが、あえて挙げるとしたらミジンコの繁殖と管理をしなければならない手間が発生することです。
稚魚が食べたい時に食べられるように常にミジンコの数を安定させておく管理が必要となってきます。
稚魚の数が少なければ管理をしなくても自然に増えてくれるミジンコで足りる時もありますが、稚魚の数が多い時にはミジンコ繁殖用のストック水槽を用意してミジンコの繁殖を行う必要があります。
グリーンウォーターなら色合いを確認していれば餌不足になることはありませんが、ミジンコは気をつけなければなりません。
植物プランクトンよりもミジンコの方が繁殖力が低いため、どうしても食べ尽くされてしまうことがあります。
稚魚の孵化直後からミジンコだけに頼った給餌は稚魚が餌にありつけない可能性があるので気をつけなければなりません。
その点さえ気をつければ稚魚の孵化直後からミジンコを投入することは稚魚が常に栄養価の高い餌にありつける状態を維持できるので稚魚の成長スピードが格段に飛躍します。
ミジンコを与えるタイミングに対して早すぎるとか遅すぎるということはないですが、早い時期は餌としてのミジンコの管理が難しくなると思っていただければ良いと思います。
稚魚の孵化当初は常にミジンコが繁殖している環境を維持しなければなりません。
ミジンコだけではなく、ミジンコの餌となる生クロレラなどの植物プランクトンや光合成細菌のpsbなどを与えるとミジンコの繁殖が盛んになるうえ、稚魚の餌にもなりますのでおすすめです。
ミジンコとグリーンウォーターと人工フードの違い
ミジンコとグリーンウォーターと人工フードの違いについて確認も含めてまとめておきましょう。
栄養価と稚魚の成長スピード
- ミジンコが一番栄養価が高く稚魚の成長スピードが早い。
- 人工フードは与える量により稚魚の成長スピードが変わる。
- グリーンウォーターのみではミジンコや人工フードには勝てないので他の餌と併用して使う。
水質への影響
- ミジンコは生きているため腐敗しないので水質悪化を招かない。
- 過剰投入はミジンコの餌不足や酸欠を招く恐れがあります。
- 人工フードは与える量により水質の悪化を招くので水換えの頻度を高める必要がある。
- グリーンウォーターは植物プランクトンなので水質の改善に貢献してくれる。
ただ、グリーンウォーターは濃すぎるとco2の消費が多すぎてpHが高くなる傾向があります。
pHが高すぎるとミジンコの繁殖に影響が出てしまうため濃度管理が必要です。
日々の世話と餌の与え方
- ミジンコはストック水槽で繁殖させながら少しずつ与えるようにする。
- 人工フードは1度に与える量を少なめにして与える回数を増やす。
- グリーンウォーターは濃度が濃すぎても薄すぎても良い結果にならないので日々の濃度管理が必要になってくる。
それぞれに一長一短ありますのでお互いのメリットを最大限に活かせるように併用して稚魚を育てると良い結果になりやすいものです。
ミジンコの育て方と日々の管理
最後に簡単にですが、ミジンコの育て方についても書いておきます。
メダカの稚魚におすすめなのはタマミジンコです。
他の種類のミジンコは大き過ぎたり、殻が硬いなどで稚魚の餌としてはあまり向かない特徴があります。
- プラケースなどの容器にメダカを飼育している水を入れ、ミジンコを育てる。
- ミジンコの繁殖に理想的な水温は20℃~28℃
- ミジンコの餌はグリーンウォーター、psb、生クロレラなどが有名です。
- ミジンコが増え過ぎた時に酸欠にならないようにエアレーションを行う。
- 夏の水温上昇に気をつけながら太陽の光が当たる場所で育てる。
ミジンコはいきなり全滅してしまうこともあるため、リスク回避のため小分けにして育てると良いでしょう。
繁殖したミジンコはミジンコ用のネットやスポイトなどでとってメダカに与えましょう。
メダカとミジンコの共存は可能?
ここまではミジンコをメダカとは別の水槽で育てる方法についてご紹介しましたが、できればメダカとミジンコを共存させて餌を与える手間やミジンコを育てる手間を減らしたいと思うものです。
メダカとミジンコの共存は可能なのか?
そんな疑問についてまとめた記事がありますのでご覧ください。
稚魚にミジンコを与える時の疑問まとめ
- ミジンコはいつ与えても良いが、孵化したばかりの稚魚(針子)は親ミジンコを食べられない。
- ミジンコを繁殖させてミジンコの幼生を稚魚に与える。
- ミジンコは多めに入れておいても腐敗することなく、稚魚が食べたい時に食べられる。
- 稚魚にミジンコを与えるデメリットはミジンコの繁殖と管理の手間がかかること。
- ミジンコと稚魚の餌としてpsbを与えると上手くいきやすい。
今回はメダカの稚魚にミジンコを与える時の疑問についてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。