メダカ水槽にタニシが現れた?これタニシ?
タニシとメダカの卵の見分け方を知りたい。
タニシはメダカや卵を食べる?
タニシをメダカ水槽に入れておくメリットは?
こんなメダカ水槽に現れるタニシとメダカの卵の共存についてご紹介いたします。
目次
メダカ水槽にタニシ!?
ビオトープや水槽でメダカ飼育をしていると入れた覚えのない貝類が水中を歩き回っていることがあります。
これってタニシ?なぜここにいるの?
そんな思いをしたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は水槽内に自然発生する貝類はスネールと呼ばれ厄介者とされています。
自然発生と言うと少々語弊がありますが、飼育者にしてみれば入れた覚えがないので自然発生したように見えてしまうものです。
スネールとはアクアリウムで見かけることの多い貝類の総称で、モノアラガイ、サカマキガイ、カワコザラガイ、イシマキガイ、レッドラムズホーンなどがいます。
その中でもモノアラガイ、サカマキガイ、カワコザラガイの3種類の貝は意図せず大量発生することが多く、増える力(繁殖力)も強いので水槽内では特に厄介者とされています。
引用元:水草水槽.com
出典元:水草水槽.com
出典元:水草水槽.com
モノアライガイやサカマキガイを知らない人が見かけると水槽内にタニシの子供が現れたように思えるかもしれません。
しかし、タニシが水槽内に自然発生することはほとんどありません。
その理由はタニシとスネールの繁殖方法の違いにあります。
それぞれの繁殖方法の違いについては次のタニシとメダカの卵の見分け方のところでご紹介いたします。
タニシが水槽内に自然発生しない理由にはスネールが水槽内に現れる理由とも関係しています。
タニシとメダカの卵の見分け方
「水槽内で卵を見つけた。」そんな時にスネールが水槽内にいるとこの卵はスネールの卵?それともメダカの卵なのか?そんな疑問が出るでしょう。
また実際にメダカ水槽にタニシを意図していれている場合にもやはりタニシの卵なのか?メダカの卵なのか?という疑問が出るはずです。
ここでまず知っておいていただきたい知識としてタニシは卵を産みません。
タニシはお腹の中で稚貝になってから産まれてくるためタニシの卵を私たちが目にすることはありません。
スネールは卵を産みますが、メダカの卵とは見た目が全く違いますので簡単に見分けることができます。
スネールなど貝類の卵は透明なゼラチン質の中に粒々が纏っており、ガラス面や流木などに張り付くように産み落とされています。
この卵が水草などに付着してメダカの飼育環境に持ち込まれることによりスネールが水槽やビオトープに自然発生するようになります。
その点、タニシは卵を産まないため卵が水草などに付着して持ち込まれることはありません。
よってタニシが水槽やビオトープに自然発生する可能性はほぼ0に近いと言えます。
メダカの卵はイメージとしては葡萄のように卵一つ一つが単体であり、その卵同士が糸のようなもので繋がっています。
一度実物を見れば見間違えることはないはずです。
タニシはメダカやメダカの卵を食べる?
タニシやスネールとメダカの共存を考えた時に知っておきたいこと。
それはタニシはメダカやメダカの卵を食べることはないのか?
問題なく共存できるのか?ではないでしょうか。
その点に対しては安心してください。
タニシやスネールが元気なメダカやメダカの卵を襲って食べることはありません。
タニシはデトリタス食者と言われており、水中の有機物を食べて分解する習性がありますので、死んでしまったメダカなどは食べることもあります。
デトリタス (Detritus) とは、生物遺体や生物由来の物質の破片や微生物の死骸、あるいはそれらの排泄物を起源とする微細な有機物粒子のことであり[1]、通常はその表面や内部に繁殖した微生物群集を伴う。
引用元:ウィキペディア
よってタイミング悪く死んでしまったメダカを食べている姿を見つけた時にはメダカを襲って食べたように見えてしまうかもしれません。
タニシとメダカは共存できるか?
先に述べた通りタニシやスネールとメダカは捕食関係ではありませんので食性から考えた共存は可能と言えます。
生活環境から考えても自然界においてタニシとメダカは同じような環境で生活しており、時には共存していますので全く問題ありません。
よってタニシやスネールとメダカとの共存は相性が良いと言えます。
共存が可能であっても飼育者としてはメリットがあるのかも知っておきたいところでしょう。
タニシをメダカ水槽に入れるメリット
タニシをメダカ水槽に入れることはなにかメリットがあるのか?
タニシなどのデトリタス食者は水槽内の掃除屋でもあります。
生体の死骸や餌の食べ残しなどの大きな有機物をタニシが食べることによりさらに細かい有機物へと分解します。
有機物が細かくなるほど濾過バクテリアは短時間で有機物を分解できるようになるため水質が悪化しにくくなるといったメリットがあります。
さらにタニシには水中に浮遊する有機物を捕食できる能力がありますので水の透明度をあげる力も兼ねそろえています。
タニシの他にも水槽のコケ取り生体として知られているミナミヌマエビやヤマトヌマエビなどもデトリタス食者ですのでタニシと同じような働きをしてくれます。
タニシほどの力はありませんが、スネールも同じように有機物を分解したり、コケを食べてくれるメリットがあります。
ただスネールは増えすぎると見た目が気持ち悪いというデメリットもありますので駆除対象となりやすいのも事実です。
タニシとメダカの卵まとめ
- メダカ水槽に自然発生する貝類はタニシではなく、サカマキガイやモノアライガイなどであることが多い。
- サカマキガイなどの水槽に自然発生する厄介者の貝類を総称してスネールと呼ぶ。
- タニシは卵を産まずお腹の中で稚貝になり産まれてくる。
- スネールの卵は粒々がゼリー状のものに包まれ、ガラス面や流木などに付着していることが多い。
- メダカの卵は卵一つ一つが独立し、葡萄のように糸状のものでまとまっていることが多い。
- タニシやスネールはメダカやメダカの卵を襲って食べることはない。
- 死んでしまったメダカはデトリタス食者のタニシなどに食べられる。
- タニシやスネールとメダカは共存できる。
- タニシは有機物を分解し、水を綺麗にする能力に優れている。
- スネールもデトリタス食者だが繁殖力の強さから駆除対象となることが多い。
今回はメダカ水槽に現れるタニシとメダカの卵についてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。