ある日気がつくとメダカの数が減っている。
メダカは共食いをするのか?
メダカの稚魚が共食いをする?
なぜ共食いが起こるのか?
メダカが共食いをする原因は?
メダカの共食いを防ぐにはどうしたら良いか?
共食いをさせないことが良いこと?
こんなメダカの共食いの疑問についてご紹介いたします。
メダカの共食いはなぜ起こる?共食いの原因
まず、初めにメダカの共食いはなぜ起こるのか?
メダカの共食いの原因から考えてみましょう。
メダカの共食いは食べる側と食べられる側のサイズの違いによって起こります。
大きさが変わらないメダカの成魚同士やメダカの赤ちゃん、針子同士で隙があればお互いに狙われるような関係ではありません。
そのような点で考えると「共食い」という表現が正しいのかは曖昧なところでもあります。
メダカは明らかな体格差があるときに相手を餌と認識してしまう習性があり、口に入るものはなんでも食べてしまいます。
「共食い」と言うよりも「捕食」されてしまうという表現の方が正しいのかもしれません。
これは自然の中で生き抜く本能的なもので、メダカに限らず多くの生体で見られるものです。
このような理由からメダカの共食いには次のような特徴があります。
- 口に入るサイズの卵や針子が狙われやすい
- 成長の遅い小さな稚魚は食べられてしまう
- 親メダカ同士は共食いをしない
口に入るサイズの卵や針子が食べられる
よく知られている事実ですが、親メダカは自分で産んだ卵ですら食べてしまいます。
よって卵を隠せるような場所が無い環境でメダカが産卵すると卵の生存率は格段に低くなります。
どうにか食べられずに生き残った卵でも孵化すれば安心というわけではありません。
産まれたばかりの針子は大きさで言えば数ミリ程度ですのでやはり親メダカにしてみれば捕食対象となってしまいます。
よってメダカの卵や針子は親メダカと一緒に飼育していると共食いされてしまいます。
稚魚の共食い 成長の遅い小さな稚魚は共食いされる
親メダカから卵や稚魚を隔離すれば稚魚の生存率は高まりますが、それでも共食いは起こります。
メダカは1年に何度も産卵するため、メダカの卵は全て同じ日に孵化するわけではありません。
当然、産まれた日にちの差による成長の違いが出てきます。
また、同じ時期に孵化しても餌をたくさん食べて早く成長する稚魚もいれば、なかなか大きくならない稚魚もいます。
産まれてから1~2週間くらいの針子の時期であればそれでも互いに共食いするようなことはありませんが、1ヶ月もすればかなりの個体差がでてきてしまうものです。
親メダカから隔離する目的で卵も稚魚も全て同じ飼育環境で飼育してしまうと大きな稚魚に小さな稚魚が食べられてしまう共食いが起こることがあります。
メダカの成魚同士は共食いしない
メダカの共食いとは大きなメダカが口に入る小さなメダカ(卵)を食べてしまうものですので成魚同士の共食いは起こりません。
ただ,稀に成魚の数が減ってしまっていたり、明らかに他のメダカによって突かれているような光景を見かけることがあります。
それは共食いによって死んでしまうのではなく、死んでしまったメダカ(もしくは弱って動けないメダカ)が食べられてしまうものです。
水槽内ではヌマエビや貝類さらには濾過バクテリアなど様々な生物によって死んでしまったメダカは分解されていきます。
メダカの共食いを防ぐには?共食いの防止
メダカの共食いを防ぐにはいくつかの方法があります。
1番良い方法はメダカの成長過程ごとに全てしっかり分けて飼育する方法です。
卵は見つけ次第隔離する。
稚魚の成長に合わせてサイズごとの選別を行う。
このような管理をすれば共食いが起こることはほとんどなくなります。
ただ、手間がかかる上に飼育スペースの問題も考えなければなりません。
飼育スペースの問題などからしっかりした選別飼育ができない人も多いと思います。
そのような場合には卵や稚魚の隠れ家となる水草や浮き草をたくさん入れることで共食いを減らすことができます。
親メダカが空腹になると稚魚は狙われやすいので餌をしっかり与えることも共食いを減らすコツと言えます。
餌の回数を増やすことで稚魚にもしっかり餌が行き渡るため稚魚の成長も早まりますのでその点でも共食いされにくくなります。
繁殖期の餌不足は共食いの大きな要因と言えます。
共食いの必要性!共食いはある程度必要なもの
ここまでは極力共食いが起こらない方法について話してきましたが、ここからは共食いの必要性について考えていきましょう。
せっかく繁殖したメダカなので共食いをさせたくない気持ちは誰しも同じだと思います。
しかし自然の中で共食いや捕食は生物の生態系を保つ上で必要なものです。
メダカの繁殖を経験したことがある方ならわかると思いますが、メダカは頻繁に繁殖を行う生き物ですのですぐに増えてしまいます。
自然の中では天敵に襲われるメダカもいれば、天災などで死んでしまうメダカもいます。
さらに遺伝子的に強く大きく育ったメダカが弱いメダカを捕食することで強いものだけが生き残る自然の生態系が保たれています。
その点、飼育環境では天敵に食べられてしまうこともありませんし、間違った飼育をしない限り劣悪な環境になって死んでしまうこともありません。
さらには常に栄養価の高い餌にありつける。
あまりにも恵まれた環境過ぎてメダカは増える一方です。
そのまま増え続けて全てのメダカを飼育することができますか?
メダカの繁殖スピードを考えて将来を見据えてみると共食いという自然淘汰も必要なものだと感じるのは私だけでしょうか。
過剰な共食いは避けたいけれどある程度の共食いは必要なことではないでしょうか。
これは個人的見解なので賛否両論あると思います。
メダカの共食いはなぜ起こる?まとめ
- メダカは口に入る小さな稚魚や卵を食べてしまう。
- メダカの成魚同士の共食いは起こらない。
- 稚魚同士では成長スピードの差から共食いが起こる。
- 餌不足は共食いの原因を作りやすい。
- 選別飼育をすれば共食いは減らせるが飼育スペースの問題が出てくる。
- 水草や浮き草などの隠れ家を増やすことで共食いを減らせる。
- ある程度の共食いは生態系を保つ上で必要なものという考え方もある。
今回はメダカの共食いについてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。