
メダカの稚魚が冬に大きくならないのはなぜ?
メダカの稚魚は冬眠する?
メダカの稚魚は冬の屋外飼育では死ぬ?
冬にメダカの稚魚を室内で育てる時の注意点は?
冬のメダカの稚魚飼育にヒーターは必要?
こんな冬のメダカの稚魚飼育の疑問についてご紹介いたします。
メダカの稚魚が冬に大きくならないのはなぜ?
自然界の生き物にとって厳しく過酷な冬。
メダカの稚魚を冬に育てることに不安を抱く人は多いでしょう。
野生の生き物はそれぞれ何らかの方法で冬を乗り越えますが、メダカの稚魚が越冬して生き残るのは生易しいことではありません。
冬の寒さにも強いといわれているメダカですが、メダカの稚魚は冬以外の過ごしやすい季節でも様々な原因であっけなく死んでしまうことも多いものです。
メダカの稚魚が冬を生き抜くために大切なことは、まずは体力をつけるために大きく成長することでしょう。
しかし、メダカの稚魚は冬には、なかなか大きくなりません。
なぜ冬にメダカの稚魚がなかなか大きくならないのか?
メダカの稚魚が冬に大きくならない理由は、変温動物である魚類のメダカの活性が水温の低下によって下がってしまうためです。
変温動物の魚類はヒトなどの恒温動物とは違い、わずかな温度の変化が活性に大きな影響を及ぼします。
そのため、冬の寒い時期に活性が下がり代謝や活動などが低くなると、メダカは動きが鈍くなったり餌に対する反応が悪くなったりするのです。
メダカの成長ステージにかかわらず冬に起こる活性の低下は、稚魚の場合はさらに著しく、ほとんど動かなくなることも珍しくありません。
その結果、冬の間メダカの稚魚は成長するために必要な餌を口にすることができなくなります。
メダカの稚魚がほとんど動かず餌を食べなくなるということは、大きくなるどころか命も危ぶまれる状態といえるでしょう。
メダカの稚魚に冬を乗り越えさせるためには、秋の間に適切な餌やりや水中環境を整えることに気を配り、できるだけ大きく育て体力をつけておくことが重要です。
メダカの稚魚は屋外飼育では死ぬ?冬眠する?
冬の屋外飼育ではメダカの稚魚は死ぬのか?
それともメダカの稚魚も外で冬眠して冬を越せるのか?
結論から言うと、「メダカの稚魚は冬の屋外では死ぬことが多く、冬眠して冬を越せる可能性はほとんどない」でしょう。
メダカの稚魚の生死は水温や環境に大きく左右されるため、屋外での越冬は稚魚メダカにとってハードルが高すぎるといえます。
屋外飼育のメダカの稚魚はたとえ冬眠のような状態になっても、そのまま死ぬことの方が多いでしょう。
では、野生のメダカの稚魚の場合はどうなのでしょうか。
自然界で生きるメダカは水温の下がる厳寒の時期でも、外の池などで冬眠して冬を生き抜く個体が多いものです。
ただし、冬眠して越冬できるメダカは体力のある成魚であり、稚魚のメダカが外で冬を越せる可能性はほとんどないといってもよいでしょう。
そもそも、自然界では冬に野生のメダカの稚魚は存在しません。
野生のメダカは春から夏にかけての時期にしか生まれず、冬までに死ぬか、大きくなって稚魚とは呼べなくなるからです。
春から夏の間に生まれた野生のメダカの稚魚は冬になる前に成魚になり、力を蓄えてから冬眠して冬を乗り越えます。
しかし、飼育されているメダカには10月頃まで産卵する個体もいるため、秋でも稚魚が生まれるのです。
稚魚のメダカを無事に越冬させるためには室内での飼育を考えた方がよいでしょう。
では、メダカの稚魚を冬に室内で育てるにはどのようなことに注意したらよいのでしょうか。
次は「冬にメダカの稚魚を室内で育てる時の注意点」についてご説明していきます。
冬にメダカの稚魚を室内で育てる時の注意点
冬にメダカの稚魚を室内で育てる時は次のような点に注意が必要です。
- メダカの稚魚を屋外から室内に移動させる場合は気温が下がる冬になる前に行う
- 人のいる暖房の効いた部屋などで育てる
- 発泡スチロール製か大きめの容器で飼育する
先にも述べたように変温動物のメダカはわずかな温度の変化に敏感です。
屋外飼育のメダカの稚魚を寒い外から暖かい室内に移動させると水温も急変するため、稚魚が死ぬ原因になります。
メダカの稚魚のお引越しはできるだけ早めに、外の寒さを感じる前に行いましょう。
また、たとえ室内でも冬に暖房のない場所は、朝晩には冷え込むこともあるためメダカの稚魚の飼育容器の水温もかなり下がります。
水温の低下でメダカの稚魚の活性が下がるとあっけなく死ぬことも多いため、飼育容器は人が普段過ごしている暖房の効いたリビングルームなどに置きましょう。
さらに注意が必要なのは、メダカの稚魚を育てる飼育容器の選び方です。
普段人のいる部屋に飼育容器を置いていても、24時間暖房を入れているご家庭は少ないでしょう。
よほど気密性が高い住宅でない限り、冬に暖房をオフにすると室内の温度は下がりメダカの稚魚の飼育容器の水温も下がります。
そこで飼育容器を保温力が高い発泡スチロール製にすると、ある程度は一定の水温をキープできます。
発泡スチロール製の飼育容器が用意できない場合は、大きめの水槽にたっぷりと飼育水を入れておくという方法でも水温が急激に下がることはありませんのでおススメです。
冬のメダカの稚魚飼育にヒーターは必要?
メダカの稚魚を越冬させるために室内で飼育していても、やはり厳寒の時期は飼育水の温度が気になるものです。
とくに近年は異常気象により、温暖な地域でも強い寒気の影響を受けると厳しい寒さが続くこともあります。
メダカの稚魚を室温での飼育や保温性のある容器で育てるだけでは心配だという人もいるでしょう。
そこで「冬にメダカの稚魚を飼育するのにはヒーターは必要か?」と考えている人もいるかもしれません。
では、冬のメダカの稚魚飼育にヒーターは必要なのでしょうか?
メダカの稚魚はヒーターを使用しなくても室内で冬を越せることもあります。
しかし、ひとくちに室内飼育といっても地域や住まいの気密性など環境の違いによって条件は大きく異なります。
よって、わずかな温度の変化で死ぬこともあるメダカの稚魚を冬に飼育する場合、水の温度差が大きく低水温になりやすい環境ならヒーターは必要でしょう。
ヒーターを使用すると冬でも飼育水を一定の温度に保てるためメダカの稚魚の体に負担をかけず飼育できます。
発送スチロール容器で保温性を高めながら育てるか、さらにヒーターを使用して育てるかは稚魚を置いておく環境次第ですので飼育者の判断が必要となってきます。
もし、発泡スチロール容器だけでは夜間に水温が下がり過ぎてしまう可能性があるのでしたらヒーターで保温してあげましょう。
ヒーターの購入費用が発生してしまいますが、水温低下による稚魚の生存率を考えると保温してあげたほうが間違いなく生存率は高まります。
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冬のメダカの稚魚飼育まとめ
- メダカの稚魚が冬に大きくならない理由は、水温の低下によって活性が下がるから
- メダカの稚魚は冬の屋外では死ぬことが多く、冬眠して越冬できる可能性はほぼない
- 冬にメダカの稚魚を室内で育てる時の注意点は「屋外からの引越しの時期」「人のいる暖かい部屋で育てる」「発泡スチロール製か大きめの容器で飼育する」など
- 冬のメダカの稚魚飼育にはヒーターが必要な場合もある