メダカの酸素は水草で補える?浮き草では?
メダカ飼育で水草なしの時の酸素はどうする?
メダカは酸素や水草なしでも飼える?
酸素をたくさん出しやすい水草がある?
メダカ水槽で水草の酸素を効率よく出す方法は?
こんなメダカと水草の酸素に関する疑問についてご紹介いたします。
メダカの酸素を水草で補える?浮き草では?
植物が光合成によって酸素を出すことは広く知られています。
もちろん水中や水上で生活する水草や浮き草も光合成を行い酸素を排出します。
よってメダカ水槽でも水草を入れておくことで水草から出る酸素を利用することは可能です。
それなら水草を入れておけばメダカの酸素を補えるのか?
この疑問に対しては全てイエスとは言い切れない面があります。
確かに水草は光合成によって酸素を供給してくれますが、メダカが必要とする酸素量より水草が出す酸素量の方が少なければ酸素は不足してしまうこともあります。
よってメダカの酸素は水草だけに頼るのではなく、飼育スタイルに合わせて水換えやエアレーションなど様々な方法を検討する必要性があります。
ただ、メダカはそれほど大量の酸素を必要とする魚ではありませんので普通に飼育していれば酸素が不足することはほとんどありません。
メダカに水草は必要か?
メダカがそれほど酸素を必要としないのなら、酸素を供給する水草は必要ない?それとも必要?
こんな疑問も出てくるかもしれません。
極論を言えば、メダカ飼育に必ず水草は必要ではありません。
それでもメダカ飼育に水草を取り入れる人が多いのは、それだけ水草には多くのメリットがあるからとも言えます。
- 水草の光合成によって酸素を供給できる
- 水草の光合成によって水中の富栄養化を抑えられる
- 水草がメダカや稚魚の隠れ家となる。(日除けにもなる)
- 水草の緑が癒される。
- レイアウトの見栄えが良くなる。
- 種類によっては水草の花を楽しめる。
これら多くのメリットによってメダカ飼育で水草を取り入れる人が多いのは事実です。
メダカ飼育で水草なしの時の酸素はどうする?
メダカ飼育で水草なしの時の酸素はどうすればいいのか?
水草などの植物に酸素の供給を任せる飼育方法は一般的なビオトープなどで見られる方法です。
逆に室内水槽やベアタンク方式でメダカを飼育する場合には水草なしで飼育することも多いでしょう。
そのような時に利用されるのがエアーポンプです。
水草が自然の力で酸素を供給するスタイルなのに対してエアーポンプは人工的な力で酸素を供給するシステムです。
エアーポンプを使ってエアレーションを行うことでメダカに酸素を供給することが可能となります。
ただ、先にもご紹介しましたが、メダカはそれほど多くの酸素を必要としないうえ、強い水流を嫌いますのでエアーポンプなしでももちろんメダカを飼育する方法はたくさんあります。
そもそもメダカ水槽に酸素は必要か?
そもそもメダカ水槽に酸素は必要なのか?
もちろん酸素は必要です。
水中に酸素が豊富にあることでメダカは健康的に生活することができます。
また、メダカだけではなく水槽内に繁殖している微生物にも酸素は必要不可欠です。
特に気温が上がる夏には水中の有機物が腐敗しやすいため濾過バクテリアの働きが重要となってきます。
酸素が不足気味の飼育環境では微生物の繁殖が盛んに行われないため濾過バクテリアの数にも制限がかかってしまいます。
そうなると水が濁りやすい、コケが生えやすいなどの環境になってしまいます。
よってメダカ水槽の環境を維持し、メダカを健康的に育てるには酸素は必要不可欠と言えます。
ただ、過剰な酸素は必要ありませんので、必要とする酸素量を見極めることも大切です。
水中の酸素量を変化させる要因
水中の酸素量を変化させる要因は
- メダカなどの生体の数
- 飼育水の温度
- 飼育容器の大きさと水面の広さ
- 水換えの頻度
などが挙げられます。
メダカの数が増えれば当然必要とする酸素量も増えますので過密飼育にならないように心がけたいものです。
飼育水の水温も水中の酸素量に影響を与えます。
基本的には水の温度が高くなると溶け込める酸素の量が減少します。
よって冬場よりも夏の方が水中に溶け込める酸素の量が少なくなります。
その反面、メダカなどの生体の活性は高まり、必要とする酸素の量は増えるため、気温が高い季節にはメダカの酸欠が起こりやすくなります。
そのような問題を避ける方法が飼育容器を大きくして水量を増やすことです。
さらに飼育容器の水面の面積を広げることで水面でのガス交換がスムーズに行われるようになります。
よって細長い容器よりも平べったい容器の方が酸素を取り込みやすいと言えます。
最後の水換えの頻度を高める方法も水中の酸素を増やすには良い方法です。
水道水には圧縮された酸素が大量に含まれていますので、定期的な水換えを行うことで新鮮な酸素を取り込むことができます。
ここまでは水草なしで酸素を補う方法についてご紹介しましたが、やはりメダカと水草を一緒に育てたいという人のためにメダカが喜ぶおすすめの水草をご紹介いたします。
酸素をたくさん出しやすい水草がある?
「メダカが喜ぶ水草=酸素をたくさん出す水草」というわけではありませんが、酸素を沢山出すこともメダカが喜ぶ要因の一つであることは間違いありません。
水草の中には光合成を活発に行う水草とそんなに光合成を盛んに行わない水草があります。
その差は種類の差に大きく影響し、成長が早く明るい色合いの水草は基本的に光合成が活発です。
よって酸素をたくさん出す水草が欲しい時には成長が早く、明るい色合いの水草を取り入れるようにしましょう。
メダカの水草は何がいいのか?
上記のような条件をふまえてメダカの水草は何がいいのか?
メダカ飼育におすすめの水草は色々ありますが、今回は酸素をたくさん出す水草に絞ってご紹介いたします。
マツモ
言わずと知れた金魚藻の代表です。
明るい色合いと成長速度の速さからメダカ水槽の水質浄化にも大きく貢献してくれます。
根を張らない浮遊性水草ですので、底床を入れていない水槽でも育てることができます。
アナカリス
マツモと並んで育てやすい水草の代表種です。
耐寒性も強く、屋外飼育で枯れることなく冬を越すことができます。
マツモと違いしっかり根を張るタイプの水草ですので底床に植え込んで育てましょう。
リシア
明るい色合いの浮き草の仲間です。
細かい葉がメダカの卵や稚魚の隠れ家となります。
育成には強めの光が必要ですが、活発に光合成を行い気泡をつける姿は圧巻です。
ラージパールグラス
ライトグリーンの小さい丸い葉をつける可愛らしい水草です。
一度根付くと一気に成長する水草です。
盛んに光合成を行い気泡をつける姿は見惚れるほどの美しさです。
ホテイアオイ
ここまで紹介しました水草に比べると少し落ち着いた色合いの浮き草です。
金魚飼育などでも盛んに用いられることからホームセンターなどでもよく見かける水草でもあります。
室内育成では少々育ちにくい面がありますが、屋外ビオトープなどでは子株をどんどん増やして増えていきます。
根にたくさんの気泡をつけ、水中に酸素を供給してくれます。
メダカ飼育で水草の酸素を効率よく出す5つの方法
酸素をたくさん出しやすい水草を育てても、水草が光合成を活発に行う条件が整っていなければ、やはり酸素は不足気味になってしまいます。
水草が酸素を効率よく出す条件とは
- 光合成に必要な光量がしっかり確保されていること
- 水温が水草の成長に適していること
- 二酸化炭素が不足していないこと
- 水草の量を多めに入れる
- 水質が極端に悪化していないこと
光合成に必要な光量は水草の種類によって様々ですが、成長速度が早い水草というのは基本的に明るい環境を好みます。
よって屋外であれば日当たりの良い場所、室内飼育であれば照明ライトの検討をしましょう。
光量が十分にあっても水温が低いと水草の光合成は鈍くなります。
よって冬は基本的に成長が鈍ります。
暖かい季節になってくると水温があがるため光合成も活発になります。
そのような季節はメダカの活動も活発になるため多くの酸素を必要とします。
このように自然の仕組みとは理にかなっているものなのです。
植物の光合成には二酸化炭素も必要不可欠です。
特に水中で生活する水草は二酸化炭素が不足気味になることがあります。
水草を密生させた水草水槽などでは二酸化炭素を強制的に添加する器具などを使用しますが、メダカ飼育ではそこまで必要ありません。
水草の量をほどほどに抑えつつ、水換え頻度を高めることで二酸化炭素を補うこともできます。
また水面を広くとった容器なら屋外などに置いておくだけで風が当たり、自然にガス交換が行われるようになります。
水草の量を多めにすることも酸素を効率よく出すコツです。
先の説明で水草を多くしすぎないと言いましたが、少なすぎるのもまた問題なのです。
大きな水槽に水草を1、2本いれておいただけでは酸素の供給はほとんど見込めません。
やはりそれなりの量は必要となってきます。
メダカが見当たらなくなるくらいの水草の量は過剰ですが、自然の水景のようなレイアウトは理想と言えます。
最後の水質が極端に悪化していないことは当然のこととも言えます。
水草も生き物ですので環境が悪ければ成長できません。
水草が成長できないということは光合成も活発に行われませんので酸素の供給量も少なくなります。
水草の成長以前に水質の悪化はメダカにとっても致命傷ですのでしっかりとした水質管理を心がけましょう。
メダカと水草の酸素まとめ
- メダカの酸素は水草で補うことも出来るが飼育スタイルによっては酸素が不足することもある。
- 極論を言えばメダカに水草は必ず必要ではないが、水草を入れることによるメリットは多い。
- 水草なしでメダカを飼育する際はエアーポンプなどで酸素を供給する方法もある。
- 水中の酸素はメダカだけではなく、多くの微生物の繁殖や活動に必要不可欠。
- 酸素が不足気味の環境は濾過バクテリアの繁殖も制限されるため、水が腐敗しやすくなる。
- メダカの飼育環境に水草を入れる際は水草が元気に育つ環境を維持してあげることが大切。