メダカが上の方にいるのはなぜ?
メダカが上の方で止まっているのは大丈夫?
メダカが水面でパクパクしているのは?
こんなメダカが水槽の上の方にいる理由についてご紹介いたします。
メダカが水槽の上の方にいるのはなぜ?
メダカが水槽の上の方にいる原因には、心配いらない場合とすぐに対処した方がよい場合があります。
心配いらない場合とは
- 水面の餌を食べようとしている
- 餌を待っている
- 太陽で温まろうとしている
- 新鮮な空気を吸おうとしている
などが挙げられます。
メダカの口は他の魚に比べると上向きの形をしています。
これは水の底に沈んだ餌よりも水面に浮いている餌をよく食べるメダカの習性に都合がいい作りとなっています。
そんなメダカの体の作りからもわかるようにメダカは餌を探して水面付近を漂うように泳いでいることがあります。
メダカの人工餌は水に浮きやすい性質があるため、水面に残った餌を食べようとしてメダカが水槽の上の方にいることもあります。
飼育を始めてしばらくするとメダカも飼育者に慣れてきて餌を貰えることを覚えます。
そんなメダカは人の気配を察知すると餌をもらおうと水槽の上の方に上がってくることもあります。
飼っている側からすると、メダカが餌をもらおうと水槽の上の方に上がってくる姿はとても愛おしいものです。
水温の影響もまたメダカの遊泳層に影響を与えることがあります。
屋外飼育で水温が低めな時期には、日光浴をしようとメダカが上の方に上がってくることもあります。
他にもメダカは新鮮な酸素を吸おうと水面に上がってくることがあります。
以上のようにメダカの健康状態がよく元気に水中を動き回り、時々水面に上がってくるようであれば問題ありません。
逆にすぐに対処した方がよい場合には次のようなものがあります。
- 水中の酸素が不足し、メダカが水上の酸素を吸うために水面に上がってきている。
- エラ病や転覆病などの病気にかかっている。
水槽の酸素不足や病気にかかった場合、メダカは常に水槽の上の方に上がって水面でパクパクとしていることが多くなります。
メダカの元気がなく苦しそうにしている、動きが悪い、やせている、餌を食べないなどの症状が見られるときは、酸素不足や病気を疑いましょう。
すぐ対処した方がよい場合については、後述の「メダカが水面でパクパクしているのは?」で詳しくご説明します。
メダカが上の方で止まっているのは大丈夫?
メダカが、水槽の上の方で止まって動かないときは、
- 体調不良を起こしている
- 寿命を迎えている
- 死んでしまっている
といった原因が考えられます。
「メダカが、水槽の上の方で止まっていて何だか元気がない」
「メダカが水面でぼーっとしている」
以上の症状が見られたときは、メダカの体調不良を疑いましょう。
メダカは体調不良を起こすと、水中でしっかり泳ぐことができなくなり、水槽の底に沈んでしまったり、水面に浮かんできたりします。
体調不良の原因としては、
- アンモニア中毒を起こしている
- 水質の悪化でメダカがストレスを感じている
- 病気が進行している
などが考えられます。
メダカ水槽の水質管理を怠ると、水中のアンモニアの濃度が徐々に上昇します。
ここで水質の悪化については詳しく触れませんが、定期的な水換えを怠らないようにすることでアンモニア中毒は防げます。
アンモニア中毒とまでいかない場合でも、水質が悪いことにメダカがストレスを感じていることがあります。
「メダカにストレス?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、メダカはストレスを感じやすくストレスで体調を崩してしまう生き物です。
メダカ水槽の水質が悪化すると、メダカの体に大きな負担と共にストレスも与えてしまいます。
メダカにストレスがかかるとメダカの脳がダメージを受け、「浮き袋」と呼ばれる部分が働かなくなるといわれています。
「浮き袋」とは、メダカの体内にある空気がつまった袋状をした器官のことです。
「浮き袋」を使ってメダカは自分の浮力調整をしています。
メダカは、「浮き袋」が働かないと水中を動き回ることができなくなるのです。
メダカ水槽の水質が悪化すると、メダカがストレスを感じて「浮き袋」をうまく使えなくなるため、水槽の上の方に止まってしまうと考えられます。
アンモニア中毒や、水質が悪化していることにメダカがストレスを感じている場合は、すぐに水換えを行い、同時に塩浴をしてあげるとよいでしょう。
寿命が近いメダカもまた動きが鈍いものです。
メダカの寿命は1~3年程度とされますが、個体差や環境によって差があります。
寿命を迎えたメダカの特徴としては、体の色がよくない、やせている、動きが悪いといったことがあげられます。
残念ながら寿命を迎えたメダカに特に対処方法はありません。
メダカの寿命 おすすめ記事
特に病気の様子などが見られないときには、そのままそっとしてあげましょう。
メダカが死んでしまっている場合も当然動きません。
屋内飼育しているメダカであれば、死んでしまっても気づきやすいですが、屋外飼育やグリーンウォーターで飼育を行っているメダカの場合、メダカが死んだことに飼育者が気付かないことがあります。
メダカは死んでしまうと水中に沈む場合と水面に浮かんでくる場合があります。
そっとつついてみても反応がないときは水槽から出しましょう。
メダカが水面でパクパクしているのは?
メダカが水面でパクパクしている動作が続くときは以下のようなことが考えらえれます。
- 水槽の酸素不足
- エラ病
- 転覆(てんぷく)病
- 水面に浮く小さな微生物を捕食している
それぞれの原因と対処方法を見ていきましょう。
メダカ水槽が酸素不足になると、メダカは水槽の上の方に上がり水面で「鼻上げ(はなあげ)」と呼ばれる行動をとることがあります。
「鼻上げ」とは、メダカ水槽の酸素が不足して苦しくなったメダカが空気中の酸素を取り込もうとする行動です。
水面に鼻をだし、口をパクパクとすることから「鼻上げ」と呼ばれます。
メダカはエラ呼吸をしているため、エラを水面の近いところに持っていき、空気中の酸素を取り込もうとしているのです。
水槽の酸素不足の原因としては過密飼育や高水温があげられます。
水槽の中に入れるメダカの数が多すぎると、水中の酸素が不足します。
この場合、水槽の水量に合ったメダカの数にする必要があります。
エアレーションを行うことで酸素不足を補うことはできますが、過密飼育には酸素不足以外にも水が汚れやすい問題やメダカ同士のストレスを強めてしまう問題などもありますのでやはり余裕をもった飼育スペースを確保することをお勧めします。
水温が上がる時期には高水温による酸欠も気にかけなければなりません。
気温が低い季節には問題なく成長していたメダカが夏になると急に鼻上げをするような時には酸素不足を疑ってみましょう。
高水温になると酸素が不足しやすくなる理由にはメダカや微生物など全ての生体の活性が高まることと水中に溶け込める酸素量が低下することが関係しています。
生物の活性が高まれば必然的に必要とする酸素量が増えます。
しかし水中では水温の上昇に比例して水中に溶け込める酸素の量は減少します。
この需要と供給のバランスが崩れると酸素不足になってしまいます。
メダカの酸素不足の対策方法としては
- エアレーションを行い、水中の酸素濃度を上げる
- 容器内の飼育数を減らす
- 容器の水量を増やし、水温の上昇を緩やかにする
- 室内では冷却ファンなどを使用して高水温対策をする
などが挙げられますのでご自身の飼育スタイルにあった対策を取るようにしましょう。
次に酸素不足以外の原因であるメダカの病気についてご紹介いたします。
エラ病とは、メダカのエラがめくれ上がり、うまく呼吸ができなくなる病気のことです。
水中に酸素があっても、エラ病にかかったメダカはエラ呼吸することがうまくできず、水中で酸素をなかなか吸えなくなってしまうこともあります。
そのため、メダカは水面に上がり、パクパクと直接酸素を吸おうとするのです。
転覆病とは、メダカの体内にガスがたまり水面に浮かんできてしまう病気のことです。
転覆病にかかると、メダカはひっくり返って浮いてしまい、お腹や背中背びれが水上に出てしまうこともあります。
転覆病の原因の一つが餌の消化不良で、特に代謝の下がる冬に起こりやすい病気です。
最後の水面付近の微生物を捕食している行動については特に対策をする必要はありません。
餌を食べ終わればまた水中に戻っていくはずです。
メダカが上の方にいる理由まとめ
- メダカは餌を食べる時や餌を探している時には水面付近にいることが多い
- メダカは日光浴のために上の方にいることもある
- メダカが健康な時には水面近くにいても動きが俊敏で元気に泳いでいる
- 水面付近にいて動きが鈍い時やほとんど反応がない時は要注意
- メダカは水中が酸素不足気味になると水面でパクパクすることが多くなる
- メダカが病気にかかっている時にも上の方でじっとしていることが多くなる
今回はメダカが上の方にいる理由についてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。