
メダカは足し水のみで飼育できる?
メダカの足し水は水道水で大丈夫?やり方は?
メダカの足し水は毎日するほうがいい?
メダカの針子や稚魚に足し水は効果的?
こんなメダカの足し水に関する疑問についてご紹介いたします。
メダカは足し水のみで飼育できる?
メダカ飼育において水換えは「大変」や「面倒くさい」などの印象がある世話とも言えます。
「出来れば、水換え無しの足し水だけでメダカを飼育したい。」
「メダカの水換えを不要にする方法はないのか?」
そのような考えを一度は持った事のある人も多いのではないでしょうか。
果たしてメダカは足し水のみで育てる事ができるのでしょうか?
メダカを足し水のみで育てる事は無理ではありませんが、環境と条件を整える必要があります。
メダカを足し水のみで飼育できるのはバランスの取れたビオトープのみ
その環境と条件とは屋外飼育で自然の中のような環境を整えられるビオトープである事です。
この条件と環境が無い飼育では足し水のみでメダカを飼育する事は出来ません。
何故足し水のみでメダカを飼育する事が出来ないのか?
その理由を理解するにはビオトープの仕組みを理解し、水換えと足し水、それぞれの効果やメリットも合わせて理解する必要があります。
足し水のみで大丈夫なビオトープの仕組み
ビオトープが足し水のみで維持できる1番の理由はメダカにとって有害な物質を自然に除去出来る仕組みがあるからです。
メダカにとって有害な物質とはアンモニアや亜硝酸、硝酸塩などです。
屋外ビオトープでは自然の力により、これらの物質を分解してくれるバクテリアが繁殖します。
バクテリアによって分解された物質は最終的に水草や植物プランクトンなどによって栄養として吸収され水中からなくなります。
自然の中ではこのような仕組みが上手く回っているため、人の手が入らなくても多くの生き物が生きていく事が出来ます。
よって屋外ビオトープで生態系のバランスが維持されていれば、水換えをしないでも足し水のみで問題無いのです。
ただ、屋外ビオトープでも生体の入れ過ぎや餌の与えすぎなど水質の悪化が早まる要因と分解のバランスが取れていないと水質は悪化してしまいますので注意が必要です。
足し水と水換えの違い
ビオトープの仕組みが理解出来たところで足し水と水換えの違いについても軽く触れておきましょう。
足し水とは水換えと違い、減った分だけの水を足す方法です。
よって供給はありますが、排出や除去はありません。
水換えは古い水を排出して新しい水を足す作業ですので、供給に加えて排出や除去ができます。
生態系のバランスが保たれていない飼育環境では水換えによってアンモニアや亜硝酸、硝酸塩などを排出しなければなりません。
さらに言えば、アンモニアなどに分解される前に餌の食べ残しやメダカの糞などの有機物を水換えによって排出する事で濾過バクテリアが少なくても水質を維持しやすくなるなどのメリットがあります。
要するに水換えとは自然の中で行われている濾過バクテリアの働きの代わりを人が行う事とも言えます。
このような理由から足し水のみでメダカを飼育する事は多くのデメリットがあるとも言えます。
出来るだけ水換えの頻度を減らしたい
足し水のみでメダカを飼育する事が無理でも水換えの頻度を減らす事は可能です。
ビオトープの仕組みから考えるとわかりやすいと思いますが、汚れる原因を減らせば、水換えの頻度も減らす事が可能となります。
また、濾過バクテリアをしっかり繁殖させる事でも水換えの頻度を減らす事が出来ます。
ただ、いくら濾過バクテリアを繁殖させたとしても水槽内では硝酸塩が蓄積してしまいますので、やはり水換えにより硝酸塩を定期的に排出する事は必要となります。
硝酸塩が蓄積した状態を放置してしまうとコケの生えやすい環境となってしまう上、さらなる放置はメダカの体調不良にも繋がります。
メダカの足し水は水道水で大丈夫?やり方は?
ほとんどのメダカ飼育で水換えが必要な事はご理解頂けたと思います。
足し水だけでメダカを育てる事は難しいですが、水換えと足し水を上手く使い分ける事で多くのメリットがあります。
水換えの頻度を減らす飼育方法と上手な足し水を組み合わせれば、メダカの飼育が非常に楽になるとも言えます。
それでは上手な足し水とはどのように行えば良いのか?
まずは足し水に使用する水から考えてみましょう。
メダカの足し水は水道水で大丈夫
基本的にメダカ飼育では水換えや足し水には水道水を使用します。
日本の水道水は水質が安定しており、メダカにとって有害な雑菌なども入っていないためメダカ飼育には向いている水です。
ただ、メダカ飼育で水道水を使う場合にはカルキ抜きや水温合わせが必要となってきます。
水道水に含まれる塩素(カルキ)はメダカにとって良いものではありませんので、カルキ抜き剤を使用してしっかりカルキ抜きをしましょう。
また、気温が高い日や逆に低い日には水道水もメダカの飼育水の温度差がありますので、水温合わせも必要となってきます。
このような作業を怠るとメダカが体調を崩してしまいます。
ただ、足し水の量によってはそこまで気を使わなくても大丈夫な場合もあります。
そのあたりのさじ加減は自己判断でお願いいたします。
足し水のやり方と注意点
足し水のやり方で気をつける点は
- 足し水の量は少なく、こまめに行う
- 足し水は静かに行う
- 足し水は日中に行う
- 欲を言えば水槽の底のゴミを排出してから行う
などが挙げられます。
足し水は飼育水が沢山蒸発してしまってから一気に行うのではなく、少ない量でこまめに行うようにしましょう。
メダカの飼育水の水位がかなり下がるまで放置してから足し水を行う事はいくつかのリスクを伴います。
- 水が減り過ぎると水質が悪化しやすくなる。
- 水が減り過ぎると水温の変化が激しくなる。
- 一気に足し水を行うと水質や水温の急変が大きくなる。
このような問題が起こりやすくなりますので、足し水はこまめに行うようにしましょう。
足し水を行う際は少しずつ水を注ぐようにしましょう。
一気に大量の水を入れると底床に溜まった汚れを巻き上げてしまい、水の濁りやコケの発生の原因となってしまいます。
そのような問題を避けるためにも足し水は静かに行うようにします。
足し水を行う時間は朝から夕方までの時間おすすめです。
この時間ならメダカの活性が高いため、夜中に比べてメダカを驚かす事も少なくなります。
また、日中は多くの酸素を必要とするため、足し水によって新鮮な酸素を取り込むことも良い事です。
最後に欲を言えば水槽の底のゴミを排出してから足し水を行うと良いでしょう。
「それじゃ、水換えでしょ!」と言う声も聞こえてきそうですが。
確かに排水をするのですから水換えともいえます。
ただ、大掛かりな水換えと違いプロホースなどで目立つ餌の食べ残しや糞などを排出しておくだけなら数分で終わります。
このような作業を足し水に付け加える事で水質の維持が断然しやすくなります。
週末の水槽掃除と考えると大変な作業ですが、足し水のついでにちょこっとと考えると意外と簡単な作業とも言えます。
メダカの足し水は毎日するほうがいい?
メダカの足し水はこまめに行ったほうが良いと言う話をしましたが、毎日行う必要はありません。
メダカを飼育している環境や水量にもよりますが、毎日足し水をしてしまうと水が落ち着く時がない為、バクテリアなども繁殖しにくくなってしまいます。
よって足し水は数日に1回位のペースで行えば問題ありません。
飼育環境を観察しながらご自身の足し水のペースを掴んでみてください。
メダカの針子や稚魚に足し水は効果的?
メダカの針子や稚魚の飼育では極力水換えは控えたいものです。
針子や稚魚は親のメダカに比べて体力がない為、急激な水温や水質の変化について行けません。
ただ、水換えを行わなければ水質が悪化してしまい違った問題が起こってしまいます。
よって針子や稚魚飼育では足し水によって水質を維持していく方法は効果的と言えます。
メダカの足し水まとめ
- メダカを足し水のみで育てる事は難しく、リスクも多い。
- メダカを足し水のみで育てられる環境は屋外ビオトープのような自然の浄化サイクルが出来上がっている環境のみ。
- 足し水を上手く取り入れる事で水換えの頻度を減らす事は出来る。
- メダカの足し水は水道水で大丈夫だか、カルキ抜きや水温合わせが必要。
- 足し水を毎日行ってしまうと水質が安定しにくくなってしまうので、そっとしておく事も大切。
- 足し水のやり方は少量をこまめに行い、日中に静かに行うのがベスト。