グリーンウォーターは水草が枯れる?
グリーンウォーターは水草を入れると透明になる?
グリーンウォーターの作り方と水草の関係は?
こんなメダカのグリーンウォーターと水草の相性についてご紹介いたします。
目次
グリーンウォーターは水草が枯れる?
グリーンウォーターは水草を枯らす事があるのか?
この疑問を解く前に簡単にグリーンウォーターについておさらいしてみましょう。
グリーンウォーター(青水)とは植物プランクトンが過剰に繁殖して葉緑体の密集度が高まることで水が緑色に見える現象を指します。
ただ、緑色の水であればなんでも良いわけではなく、藍藻やシアノバクテリアなどが繁殖した水はアオコと呼ばれ、独特の嫌な匂いが漂います。
メダカのビオトープや繁殖などに用いられるグリーンウォーターは緑藻やミドリムシなどの植物プランクトンが素となる事が理想です。
簡単にグリーンウォーターについて説明したところで、本題のグリーンウォーターで水草が枯れるのかについて考えてみましょう。
まず、グリーンウォーターの素となる緑藻やミドリムシなどが水草を枯らす事はありません。
ただ、グリーンウォーターの濃度が濃くなる事でいくつかの問題が起こる事があります。
- 水の透明度が下がることで水中に光が届かなくなる。
- 植物プランクトンの大繁殖により夜間の酸素欠乏が起こりやすくなる。
などが挙げられます。
濃すぎるグリーンウォーターは水の透過率を下げてしまうため、水中に光が届きにくくなります。
そうなると水中の水草が光合成を行えなくなるため枯れてしまう事があります。
また、植物プランクトンも水草などと同様に日中に光合成を行い、夜間には呼吸のみとなります。
そんな植物プランクトンが大繁殖したグリーンウォーターでは夜間の呼吸に使われる酸素も大量消費されるため、夜間の酸欠が起こってしまう事があります。
そのような環境ではメダカが酸欠で死んでしまううえ、水草も元気に育つ事ができなくなってしまいます。
よって濃すぎるグリーンウォーターは水草に対してもメダカに対しても弊害をもたらすので注意しなければなりません。
ちょうど良いグリーンウォーターの濃さとは、ペットボトルに入れた緑茶くらいをイメージしていただければ問題ありません。
それよりも薄くてもほんのり緑色に見えれば、そこには植物プランクトンが存在していることになりますのでグリーンウォーターの働きはしてくれます。
グリーンウォーターは水草を入れると透明になる?
グリーンウォーターに水草を入れる事でグリーンウォーターを透明にする事は出来るのか?
結論から言うと水草の力でグリーンウォーターを透明にする事は可能です。
しかし、グリーンウォーターの中に水草を入れたからと言って必ずしもグリーンウォーターが透明になるわけではありません。
グリーンウォーターが透明になる理由は植物プランクトンの減少です。
水草が植物プランクトンを減少させる仕組みは、植物プランクトンの餌となる栄養分を水草が先に吸収してしまうためです。
そのためには、それなりの量の水草が元気に光合成を行えている環境が必要となってきます。
また、水草を植えるために入れる底床に濾過バクテリアや動物プランクトンが繁殖する事で植物プランクトンの増殖を制限することもあります。
そのような環境ではグリーンウォーターは透明になります。
メダカのグリーンウォーターの作り方と水草の関係
メダカに最適なグリーンウォーターはどのようにすれば作る事が出来るのか?
また、水草とはどのような関係性があるのか?
そのあたりの仕組みを理解しておく事でグリーンウォーターを作りやすくなります。
まず、メダカに最適なグリーンウォーターとはクロレラやミドリムシ(ユーグレナ)を原料としたグリーンウォーターです。
クロレラやミドリムシなどはメダカの餌となり、メダカを元気に健康的に育てる事が知られています。
これらの生物は自然発生でも増やす事は出来ますが、ビオトープの環境を整え増殖を待たなくてはなりません。
その間に動物プランクトンなどが増え出すとグリーンウォーターの素となる植物プランクトンは食べられてしまうため、上手くグリーンウォーターにする事が出来ません。
植物プランクトンや動物プランクトンがバランスよく繁殖している環境は透明な水が保たれる良い環境ではありますが、グリーンウォーター作りを目的とした環境としては理想的な環境ではありません。
グリーンウォーターとは言い方を変えると生態系のバランスが崩れ、植物プランクトンだけが増えすぎた環境なのです。
よってミドリムシやクロレラなどを人工的に投入してあげる事で素早く最適なグリーンウォーターを作る事ができます。
そのため、多くの飼育者がメダカの飼育や繁殖を目的としてグリーンウォーターを維持するために市販のグリーンウォーターの素を使用しているのです。
そんなグリーンウォーター作りと水草にはそれほど大きな関係はありません。
水草を入れているからグリーンウォーターが出来ないとか、水草を入れる事でグリーンウォーターが出来るなどの関係性はないと言えます。
ただ、先にも述べましたように水草を大量にレイアウトしたビオトープなどでは水質の浄化能力が高くなるため、植物プランクトンの餌となる栄養分が水草に吸収されてしまい、植物プランクトンが増えにくい環境となってしまう事はあります。
よってグリーンウォーターを利用したい時には別容器でグリーンウォーターを作ってからビオトープ内に投入した方がメダカや稚魚を育てるには都合がいいと言えます。
もしくはグリーンウォーターをメインに育てたい時にはホテイアオイなどの浮草を少し浮かべておくくらいにして水草などは入れないようにすると良いかもしれません。
メダカのグリーンウォーターと水草の関係まとめ
- メダカビオトープに用いられるグリーンウォーターは緑藻やミドリムシなどの植物プランクトンが素となる事が理想的。
- グリーンウォーターが水草を枯らす事はないが、グリーンウォーターが濃すぎると水中に光が届きにくくなるため水草の光合成が阻害されやすい。
- 水草を大量にレイアウトするとグリーンウォーターの餌となる栄養分を水草が吸収してしまうためグリーンウォーターが透明化してしまうこともある。
- グリーンウォーターを上手に作るには生態系のバランスを崩して植物プランクトンを大繁殖させる事が大切。
今回はグリーンウォーターと水草の関係についてご紹介しました。皆様のグリーンウォーター管理の参考にしていただけると幸いです。