
メダカの針子の育て方を知りたい。
針子の生存率を高めるおすすめの餌の種類と与え方は?
針子飼育で最適な容器は?
室内で針子を育てる時の注意点は?
こんなメダカの針子飼育の疑問についてご紹介します。
メダカの稚魚飼育が初めての人や針子がうまく育たない人に読んでいただきたい情報となっています。
目次
メダカの針子の育て方
メダカの稚魚飼育の中でも針子と呼ばれる時期が一番難しい時期とされています。
針子とは卵が孵化してから1cm位の大きさになるまでの稚魚の呼び名です。
順調に成長すれば2週間位で針子の時期は終わりますが、うまく育てられないとなかなか大きくならずにどんどん死んでいってしまいます。
針子と呼ばれる産まれたばかりの時期を乗り越えられるかどうかがメダカの稚魚を上手く育てられるかどうかといっても過言ではありません。
なぜ針子は育てるのが難しいのか?
それは成長段階によって食べられる餌が変わること、非常に繊細で環境の変化に敏感であることなどが挙げられます。
針子の生存率を高める育て方とは?
針子を上手に育てるには飼育環境の変化を極力抑えることと針子が餓死しないように成長に合わせた餌を与えることです。
飼育環境の大きな変化とは水温の変化や水質の変化などが挙げられます。
さらには高水温や水質の悪化など成長に適さない環境にもならないように維持しなければなりません。
針子の移動や水換えはしない
針子は環境の変化に非常に敏感であまり大きな変化を与えるとショックで死んでしまうこともあります。
よって針子の時期は移動や水換えは極力しないようにしましょう。
環境の変化を抑えるために水換えを控えるのですから,水を汚さないような工夫も必要となります。
その方法が大きな容器で育てて水量を確保することと水を汚しにくい餌を与えることです。
※卵の孵化用水槽を用意して孵化させた場合には孵化により水質が悪化していますので移動や水換えが必要になることもあります。
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針子飼育では大きな容器を選ぶ
針子はどのような容器で育てれば良いのか?
針子は非常に小さいので小さな容器で育てた方が管理がしやすいと感じ、小さな容器で育ててしまう人も多いようです。
小さな容器で育てることを否定するわけではありませんが、正直リスクが大きすぎます。
初心者の方は大きな容器で育てた方が針子を上手に育てることができます。
大きな容器は水量がある程度確保できるため水質や水温の変化がゆっくりになり安定しやすいものです。
また針子の過密飼育を避けられるため、餌の奪い合いなどによる餓死のリスクも軽減できます。
「餌はしっかり与えたいけれど水質の悪化が気になる。」そんな心配をするくらいなら大きな容器でたっぷりの水で育てた方が安心して育てられるのは言うまでもありません。
小さな小瓶やプラケースを選ぶくらいならメダカ鉢や大きなコンテナボックスなどをお勧めします。


針子におすすめの餌の種類と与え方
針子の時期はどれだけしっかり餌を食べられるかで成長スピードはかなり変わってきます。
そんな針子におすすめの餌と与え方についても理解を深めておきましょう。
針子の餌は成長段階に合わせて与える
針子が死んでしまう理由の大半は餓死です。
針子の餓死は餌を与えていても起こります。
何故餌を与えていて餓死してしまうのか?
それは成長段階に合わせた餌の選定と与え方をしていないからかもしれません。
針子は遊泳力が弱いため泳ぎまわって餌を探すことがほとんどできません。
沈んでしまった餌を探しながら食べることもしません。
よって針子のすぐそばに餌がある状態を維持しなくてはなりません。口元まで餌を持っていってあげるイメージです。
その方法とは
- 細かい餌を水面に広がるように与える。
- 食べ切れる量の餌をこまめに与える。
- 人工フードと生き餌の両方を与える。
大きな餌は針子の口に入らないため食べられないですし、なかなか水面に広がりませんので全ての針子に満遍なく餌を行き渡らせることが難しくなります。
そこでおすすめなのが非常に細かい粉末状態に加工されている人工フード「わさび」です。
針子の餌は「わさび」がおすすめ
わさびとは口コミやインターネットで広まった針子の餌に最適な人工フードの名称で実際に食用のわさびを与えるわけではありません。
孵化後に必要な栄養を豊富に含んだ針子専用フードです。
産まれてから2cm位まではわさびを与えるようにすると針子の生存率向上に効果があります。
わさびは株式会社フォルスで開発された針子用フードで植物由来のタンパク質が多く含まれている為、水が汚れにくいのも特徴です。

メダカの舞も愛用者が多い人気の人工フードです。
メダカの成長ステージごとに餌の種類が細かく分かれており初心者の方にも扱いやすい餌です。
浮遊性が高く水面に素早く広がるので満遍なく稚魚に餌が行き渡ります。
沈みにくいので食べ残しが少ないのも嬉しい点です。

メダカの針子にpsbを与える
psb(光合成細菌)を針子の餌として与えることでも稚魚の生存率は向上します。
わさびは人工フードでpsbは生き餌です。
psbは1〜2μm位のとても小さなバクテリアでまだ口が小さく大きなミジンコなどを食べられない針子の餌になります。
さらにはのちのち針子が成長していくと餌として非常に重要なゾウリムシやミジンコなどの餌にもなるため針子を育てながら針子の後々の餌も育てられるので一石二鳥と言ったところです。
さらに光合成細菌には水質浄化の働きもあるので水を汚すどころか水を綺麗にしてくれる特徴も持ち合わせています。
容器にも「水質浄化栄養細菌」と大きく記されています。
メダカの人工フードだけで餌やりをしているとどうしてもたくさん与えがちになってしまいます。
そうすると水が汚れやすくなります。
それなら人工フードとpsb(光合成細菌)などを組み合わせて使うことで針子には常に餌を確保しつつ、水を汚さない飼育ができるようになります。
また、psbには豊富な天然アミノ酸やビタミンが含まれているため、多種多様な餌を与えることでバランスの良い餌やりが可能となります。
psbは光合成細菌ですので量を与えすぎることにより水を汚す心配がありません。その点も初心者にとってありがたい面でもあります。

グリーンウォーターも針子の餌になる

人工フードやpsbだけではなく、もちろんグリーンウォーターも針子にとって最高の餌となります。
有機物を含んだ水を太陽光の当たる場所に置いておくと最初は有機栄養微生物が旺盛に繁殖し、その後、光合成細菌が繁殖します。
ざっくり言うとこれがpsbの段階です。(細かい生態系の仕組みは抜きにした話です)
さらに進むと藻類が繁殖し始めます。この辺りから植物プランクトンが増えてグリーンウォーターになっていきます。
よってグリーンウォーターには大中小様々な微生物が存在しているためメダカの針子にとっては最高の餌となるのです。
メダカの稚魚を屋外で育てると成長が早いのはグリーンウォーターに含まれる豊富な餌が関係していることは間違いありません。
よって稚魚飼育では屋外飼育が良いと言われています。
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しかし、それでも室内で針子を育てたい。もしくは飼育環境が室内になってしまう人もいるでしょう。
そんな針子の室内飼育についても簡単に触れておきましょう。
メダカの針子を室内で育てる
針子は屋外でなければ育てられないわけではありません。
ここまでご紹介してきました針子の育て方をしっかり理解して室内飼育に取り入れてあげれば問題なく育てることができます。
室内飼育にもメリットがあり、ボウフラやヤゴなどの天敵に針子が襲われる心配がないことなどが挙げられます。
ただ針子の室内飼育で一つ注意しなければいけないことが日照です。
屋外であれば太陽の光を浴びて成長に必要なビタミンDを生成することができますが、室内では日照不足により成長に必要不可欠な栄養が不足する懸念があります。
室内の日照不足対策としては窓辺に置いて太陽の光を当てる方法や植物育成用の照明を利用する方法などがあります。
上手く太陽光や照明を当てられれば針子に必要な栄養を作り出せる上、餌となる微生物の繁殖の手助けにもなります。
屋外で作ったグリーンウォーターを足し水に利用するのも良い方法です。
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メダカの針子の育て方まとめ
- 稚魚飼育で針子の期間が一番難しい時期
- 針子は成長段階に合わせて食べるものが変わる
- 針子は繊細で環境の変化に敏感
- 針子飼育では移動や水換えはしない
- 大きな容器で飼育すると水質が安定しやすい
- 針子は餌を与えていても方法を間違えると餓死する
- 針子には細かい粉末フードと生き餌を与える
- わさび・psb・グリーンウォーターが最強の餌
今回はメダカの針子の育て方についてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。