ハイポネックスを使ったグリーンウォーターの作り方を知りたい。
ハイポネックスを使うメリットは?
ハイポネックス以外でもグリーンウォーターは作れる?
ハイポネックスの量はどのくらいが適量?
ハイポネックスを入れすぎるとどうなる?
こんなグリーンウォーター作りとハイポネックスの関係についてご紹介いたします。
目次
グリーンウォーターの作り方についてはこちらのまとめ記事をご覧ください。
ハイポネックスとは?
ハイポネックスは園芸用に開発された水で希釈して利用する液体肥料です。
ハイポネックスなどの肥料の容器にN-P-Kや6-10-5などと記載されているものは植物の三大栄養素と呼ばれている窒素(N)とリン酸(P)とカリウム(K)を表しています。
窒素は植物の葉や茎の成長に影響を与えるもので葉肥(はごえ)と呼ばれています。
リン酸は花や実の成長に影響を与えるもので花肥(はなごえ)と呼ばれています。
カリウムは根の成長に影響を与えるもので根肥(ねごえ)と呼ばれています。
これらの三大栄養素の量やバランスが植物の成長に大きく影響しています。
しかし、水草水槽などのアクアリウムでは基本的にハイポネックスは使用しません。
その理由は水槽やビオトープなど生体が入れられている環境では窒素とリン酸は豊富に存在するからです。
メダカの糞や餌の食べ残しなどの有機物がバクテリアによって分解されて窒素やリン酸は作られます。
この窒素やリン酸はコケの栄養となるため過剰に存在すると水槽内にコケが蔓延してしまいます。
そのような問題を避けるために水草用の肥料は窒素やリン酸を抑えた成分構成となっています。
水中では水草用の肥料を使うことで水中の栄養バランスがとれるため、水草や浮き草などが育ちやすくなります。
ハイポネックスを使うメリットは?
ハイポネックスを入れるとコケが蔓延しやすいから使えない。
確かにクリアな水を維持したい水槽などではハイポネックスは使えませんが、その特徴をうまく利用すればグリーンウォーター作りが簡単になります。
そもそもグリーンウォーターとは窒素やリン酸を主食として増える植物プランクトンの集まりです。
※水草などの高等植物は窒素、リン酸、カリウムやその他の微量栄養要素などがバランスよくある状態で栄養を吸収出来ますが、植物プランクトンや藻類はその他の栄養素が不足しても窒素やリン酸だけを吸収して増えることができます。
よってグリーンウォーター作りに欠かせない富栄養化した水が用意できなければグリーンウォーターはなかなかできません。
その問題を解決する方法の一つがハイポネックスによる水の富栄養化です。
ハイポネックスを入れことによりグリーンウォーター作りに欠かせない水を作ることができます。
ハイポネックスを使ったグリーンウォーターの作り方
ハイポネックスを使ってグリーンウォーターを作るには最初にカルキ抜きをした水を用意します。
水道水を汲み置きしておく方法やカルキ抜き剤を投入する方法もありますが、1番手っ取り早い方法がメダカの飼育水を水換え時に捨てずに利用する方法です。
それも容器の底の方の水を利用すると尚更良い結果がでます。
飼育容器の底にはメダカの糞や餌の食べ残しなどが沈殿しています。
その部分の水が一番富栄養化していますのでグリーンウォーター作りに最適なのです。
水換え用のポンプなどを利用すれば飼育水をかき混ぜることなく簡単に排水出来ます。
メダカの飼育容器にハイポネックスを直接投入する方法はあまりお勧めできません。
その理由として飼育環境におけるハイポネックスの適正量が把握できないので入れ過ぎやグリーンウォーターが濃くなり過ぎてしまうなどの問題も考えられます。
そのような問題を回避するためにも別の容器でグリーンウォーターを作成してから飼育環境に少しずつ投入することをお勧めします。
準備した水を日の当たる場所で管理します。
水温は25℃〜30℃くらいが理想です。
あまりにも寒すぎる季節にはプランクトンの活動も鈍るためグリーンウォーターができにくいものです。
逆に35℃を超えるような暑さは植物の光合成が鈍る上に水中の酸素濃度が薄くなりがちになってしまいますのでやはりお勧めできません。
水と置き場所が準備できたらハイポネックスを投入して1週間くらい待ちます。
グリーンウォーターができるまでの期間は天候や気温、太陽の光が当たっている時間などによって変わってきますので1週間以上かかる場合も当然あります。
容器はペットボトルでもプラケースでもグリーンウォーターは作れますが、あまり深過ぎない容器の方が飼育水全体に太陽の光があたりやすく植物プランクトンが光合成しやすい環境を維持できます。
浅い容器などに水を溜めておくと蚊が卵を産んでボウフラが発生することもありますが、ボウフラはメダカの餌になりますので問題ありません。
もし、グリーンウォーターを針子や稚魚の飼育に使いたいときにはボウフラ対策をしておくことをお勧めします。
ハイポネックス以外でもグリーンウォーターは作れる?
もちろんハイポネックスでなければグリーンウォーターが作れないわけではありませんのでその他の肥料でもグリーンウォーターは作れます。
ただ、いくつかの注意点もあります。
まず、活力剤ではなく肥料であることです。
グリーンウォーター作りに使用したい栄養は先にも記載しましたが窒素とリン酸です。
活力剤のようにその他の栄養素で構成されているものでは上手くグリーンウォーターにはなりません。
使う人はいないと思いますが、鶏糞や腐葉土などの固形肥料も避けたいところです。
ある程度肥料の知識をお持ちの方ならどのような肥料が使用できるかの選別ができると思いますが、わからない方はお店の人に聞いてみるかハイポネックスを使うことをお勧めします。
グリーンウォーター作りのハイポネックスの量
グリーンウォーターを作るためにハイポネックスはどのくらい入れれば良いのか?
ハイポネックスを多く入れればグリーンウォーターが早くできるわけでもないですし、良質のグリーンウォーターができる訳でもありませんのでまずは観葉植物などの希釈量に対して半分の量を目安に使用してみてください。
あとは植物プランクトンが増えるのを待つしかありません。
ハイポネックスの量に関係なく飼育水に繁殖するプランクトンの種類によってグリーンウォーターの質は変わってきます。
グリーンウォーターの素や種水を入れれば意図したグリーンウォーターを作りやすいですが、1からグリーンウォーターを作る場合にはそこに繁殖するプランクトンの種類によって左右されます。
ハイポネックスを入れすぎるとどうなる?
何事もやり過ぎは百害あって一利なしです。
ハイポネックスを多用してもメリットはありません。
水質の悪化へと繋がります。
ハイポネックスがすぐに水質を悪くするわけではありませんが、過剰投入は巡り巡って水質の悪化を招くことにつながります。
水中での生態系のバランスを保つことを意識しましょう。
ご自身の環境でベストな量を把握できるように日々の観察を怠らないようにしましょう。
また、ハイポネックスは言わば植物プランクトンの餌です。
初めに一回入れたら終わりではなく、グリーンウォーターを維持するために定期的に少しずつ与えることをお勧めします。
ハイポネックスを使ったグリーンウォーターの作り方まとめ
- ハイポネックスは窒素やリン酸を含んだら液体肥料。
- グリーンウォーター作りには植物プランクトンの餌となる窒素とリン酸が必要。
- 富栄養化した飼育水が用意できないときにハイポネックスを使うことで栄養を補給できる。
- ハイポネックス以外の肥料でもグリーンウォーターは作れるが、自分で選べない人はハイポネックスがお勧め。
- ハイポネックスの入れ過ぎに注意。ハイポネックスは適量を定期的に補充するように使う。
- ハイポネックスを使っても環境が適さなければグリーンウォーターはできない。
今回はハイポネックスを使ったメダカ飼育グリーンウォーターの作り方とメリットについてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。