メダカの卵は浮く?それとも沈む?
メダカの卵に見られる泡のようなものは空気?
メダカの卵が浮くのは何故?
メダカの卵が浮くのは問題がある?
こんなメダカの卵の浮き沈みに対する疑問についてご紹介いたします。
メダカの卵は浮く?それとも沈む?
メダカの卵は浮くのか?それとも沈むのか?
この疑問に対する答えは「健康的なメダカの卵は沈みます。」
海の魚では浮遊性卵はよく見られますが、メダカのような淡水で生活する魚類の多くは沈水性の卵を産みます。
よってメダカの卵は通常沈むものです。
卵が浮くのか沈むのかを決める要素は卵の中に存在する油滴や油球と呼ばれるものの存在によって決まります。
魚卵の主な成分はタンパク質や中性脂肪(油球)でこれらを総じて卵黄と呼んでいます。
卵黄は卵内での稚魚の成長過程における主要な栄養素であるアミノ酸やエネルギー源となります。
その卵黄を形成する油球の大きさで卵の浮力が変わってきます。
油球の成分は中性脂肪であり、脂は水より軽いので浮く性質があります。
メダカの卵に見られる泡は空気ではなく油滴
油滴や油球と呼ばれる卵の中に見える泡のようなものは空気ではなく中性脂肪やタンパク質で形成されています。
油滴や油球は卵の中で稚魚の栄養となるうえ、卵の浮力にも影響を与えると言われています。
目視では見えにくいですが、顕微鏡などで観察すると産まれたばかりの卵の中には小さい泡のようなものが複数確認できます。
これが油滴と呼ばれるもので卵の成長とともに油滴がまとまり油球になります。
無精卵でも油滴は存在しますが、受精していないと油滴が油球へは生らずそのまま停滞します。
有精卵は油滴がまとまり油球へと変化して卵の中で稚魚が育つ部分と栄養を蓄える部分がはっきりと区別されるようになります。
メダカの卵が浮くのは何故?問題がある?
メダカの卵はもともと浮くものではなく、沈むものですのでメダカの卵が浮くにはそれなりの理由があります。
考えられる要因としては
- 水面に油膜ができており卵をその場に留めてしまう
- 卵の周りにある糸のようなものに浮力のあるものが付着して浮いてしまう
- 卵の中の油滴や油球の過剰による浮力の上昇
- 無精卵における油滴の影響
これらの原因を順番に詳しく見ていきましょう。
水面に油膜ができてしまう問題は水質の悪化やバクテリアの死滅が原因です。
水面に油膜ができている場合には水面がギラついたり、泡が残ったりしていますので簡単に判断できるはずです。
卵の周りにある糸のようなものに浮力のあるものが付着してしまう事例については、突発的な問題ですので多くの卵が一斉に同じような現象になることは考えにくいものです。
数個の卵が浮いているような場合には卵の周りを確認してみてください。
卵をガーゼのようなものの上に取り出して軽く転がしてあげると卵の周りに付着したものが取れますので試してみてください。
もしそのような作業にて卵が割れてしまうような時は無精卵の可能性が考えられます。
しっかり受精できている有精卵は軽く転がしたくらいでは割れることはありません。
卵の中の油滴や油球の過剰による浮力の上昇については卵の奇形や突然変異で起こる可能性もありますが、極めて低い事例と言えます。
無精卵における油滴の影響については無精卵のまま油滴ばかりが多ければ浮いてしまうこともあります。
このようにメダカの卵が浮いてしまう原因について色々考えてみましたが、総じて言えることは浮いてしまう卵は順調に成長している健康的な卵である可能性が極めて低いと考えられます。
そのような卵は時間の経過とともに白く濁ってしまいます。
浮いてしまう卵の確認方法としてメチレンブルー水溶液に浸してみて青く染まってしまったら残念ながら無精卵です。
※あまりにも濃いメチレンブルー水溶液では有精卵でも染まってしまうことがありますので注意してください。
特にダルマメダカのように体型による問題で受精が困難な種類のメダカには無精卵が多く、その結果浮いてしまう卵も多くなる傾向にあります。
メダカの卵の浮力についてまとめ
- 順調に受精して成長しているメダカの卵は沈む
- メダカの卵が浮く理由にはいくつかある
- 健康的なメダカの卵であれば沈むので浮く卵には問題がある可能性が高い
- メダカの卵に見られる泡は空気ではなく中性脂肪
- 浮いてしまう卵はメチレンブルーで確認すると無精卵が有精卵か判断できる
今回はメダカの卵の浮力についてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。
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