メダカのヒレ長とは?種類は?
メダカのスワローとは?特徴やヒレ長との違いは?
メダカのヒレ長はいつから現れる?稚魚は?
メダカのヒレ長やスワローの遺伝率は?
メダカのヒレ長やスワローの作り方は?
メダカのヒレ長・スワローのオスメスは見分けが難しい?
こんなヒレの長いメダカに関する疑問についてご紹介いたします。
目次
メダカのヒレ長とは?種類は?
改良メダカの品種の一つに「ヒレ長メダカ」と呼ばれるヒレに特徴を持ったメダカがいます。
ヒレ長メダカは2015年に松井勝二郎氏が作出したのが最初で、「松井ヒレ長」と呼ばれます。
松井ヒレ長の特徴は、尾ビレや背ビレ、臀ヒレが全体的に長く伸びる事です。
熱帯魚のように長く大きく成長したヒレは優雅で、水槽で横見から観察して楽しみたい品種です。
初期の松井ヒレ長の種類は、朱赤体色や青、白、ブラック、アルビノと言った体色のメダカでした。
今では交配が進み、幹之メダカの特徴を持つ「天女の舞」や「星河ヒレ長」、オロチメダカの特徴を持つ「松井ヒレ長オロチ」、ブラック体色にラメとヒレ長の特徴を持つ「ブラックダイヤヒレ長」、青体色に黄色素胞が分布し緑色に見える「緑光ヒレ長」など、数多くの品種が生み出されています。
今後もヒレ長系統を引き継いだ品種が数多く生み出されることが期待されます。
メダカのスワローとは?特徴やヒレ長との違いは?
松井ヒレ長のようにヒレが長く伸びる品種が他にもあります。
その一つが「スワローメダカ」です。
スワローメダカは熱帯魚のグッピーの品種にもあるスワローのように、各ヒレの軟条の一部が突出して伸びるのが特徴です。
グッピーなどの卵胎生メダカのスワロータイプと同じ遺伝をするため、この名前が付けられました。
2012年に對馬義人氏が作出した「風雅」と呼ばれるメダカがスワローメダカの元祖で、最初に作出されたオリジナルは楊貴妃系統のスワローメダカです。
松井ヒレ長とスワローメダカの違いはヒレの伸び方にあります。
松井ヒレ長はヒレ全体が長く伸びるのに対し、スワローメダカは軟条のみが長く伸び、伸び方も不規則です。
ヒレが伸びるという今までのメダカには無かった特徴が初めて発現した品種であり、メダカのヒレがグッピーのように優雅なものになると期待が高まった品種でもあります。
スワローメダカを軸に交配を重ね、グッピーやベタのようなヒラヒラとした綺麗なヒレを持つメダカを作り出す事ができる可能性を秘めています。
メダカのヒレ長はいつから現れる?稚魚は?
松井ヒレ長やスワローメダカと言った種類のメダカは、いつからヒレ長が現れるのでしょうか?
生まれたての稚魚の時から普通体型のメダカと見分けが付くものなのでしょうか?
ヒレ長種類のメダカのヒレは、おおよそ生後1ヶ月程度経過し、体調が2cmを超えた辺りからヒレが伸び始めます。
だいたい幼魚の大きさになったくらいの時期です。
そのため、これより小さな稚魚の時期にヒレ長が遺伝した個体かどうか見極めるのは困難です。
2cm以上の大きさになってヒレ長の特徴が現れ出したら選別するようにしましょう。
メダカのヒレ長やスワローの遺伝率は?
松井ヒレ長やスワローメダカを繁殖させる場合、その遺伝率はどのくらいなのでしょうか?
松井ヒレ長やスワローメダカ(風雅)の直系のメダカ同士を交配させる場合、累代を重ねたヒレ長の発現率は固定化されているので、ほぼ100%に近い確率でヒレ長の特徴を持った子供が生まれます。
しかし、ヒレ長メダカと普通体型のメダカを掛け合わせた場合には、子供(F1)がヒレ長の特徴を持って生まれる確率はほぼ0%です。
何故なら、これらのヒレ長の遺伝子は劣性遺伝だからです。
そのため、普通体型と交配した最初の子供には普通体型の優性遺伝のヒレの特徴が現れるため、ヒレ長個体は生まれません。
しかし、生まれた子供同士を掛け合わせた孫世代(F2)以降からはヒレ長個体が生まれるので安心してください。
メダカのヒレ長やスワローの作り方
ヒレ長メダカやスワローメダカを作り出したい場合には、親魚のどちらかにヒレ長遺伝子を持った個体を選ぶ事をおすすめします。
何故なら、1からヒレ長メダカを作り出すのは困難だからです。
新たなメダカを生み出す方法は次の2つです。
- 突然変異で新たな特徴が発現したものを累代させ固定化する
- すでに存在するメダカ同士を掛け合わせて特徴を引き継がせる
松井ヒレ長やスワローメダカ、幹之メダカなど、実にさまざまな改良メダカが誕生しています。
これらのメダカがどうやって生み出されたのかというと、その多くは突然変異によって現れた特徴を交配によって固定化することで生み出されました。
突然変異はいつ起こるか分かりません。
大量に繁殖させる中で、それまで無かった特徴を持つ個体が偶然現れるのです。
しかしそれは、一般的な規模の飼育で発生するほど高い確率ではありません。
新たなメダカを発見した方のほとんどが専門のブリーダーの方達です。その飼育数は何千、何万にも及ぶでしょう。
それだけの数を数年以上飼育し続けて、それでも現れるかどうかの確率なので、一般家庭で普通体型のメダカを使って1からヒレ長メダカを作り出すのは、ほぼ不可能と言えます。
なので、一般家庭でヒレ長メダカを作り出す場合には、ヒレ長メダカの特徴を持ったメダカを親魚として使って作り出す方が確実です。
ヒレ長メダカと他の改良メダカとを掛け合わせ、ヒレの長さと体色などの特徴を継がせた新たなメダカを作り出すことができます。
例えば、ヒレ長幹之メダカとブラックメダカを掛け合わせて累代させれば、黒系統のヒレ長メダカを作ることが可能です。
また、松井ヒレ長とスワローメダカを掛け合わせ、両方の特徴を持つヒレ長メダカ作りに挑戦するのも良いでしょう。
ヒレ長のメダカの中でも特にヒレが長い個体同士を掛け合わせ、選別と累代を重ねる事で、よりヒレの長い個体を作り出せる可能性もあります。
ヒレが長いメダカは繁殖行動が苦手なため、産卵させるのが少し難しくはありますが、想像した通りの特徴を持ったメダカが生まれた時の感動はひとしおです。
オリジナルのメダカ作りにぜひチャレンジしてみてください。
メダカのヒレ長・スワローのオスメスは見分けが難しい?
松井ヒレ長やスワローメダカを繁殖させるには、オスメスを一緒の水槽で飼育する必要があります。
しかし、これらのヒレ長メダカは普通体型のメダカよりもオスメスの判別が難しいと言われています。
では、ヒレ長メダカはどこを見てオスメスを判別すれば良いのでしょうか?
普通体型のメダカの場合、尾ビレや臀ビレの大きさや形を見ればオスメスを見分けることができます。
しかしヒレ長メダカの場合、尾ビレや臀ビレが長く大きく発達し形状も異なるため、これらを見て判断するのは困難です。
そんな松井ヒレ長やスワローメダカのオスメスはどこを見て判断すれば良いのかというと、背ビレと腹ビレを見て判断します。
確かにヒレ長メダカの背ビレは大きく発達していますが、それでも普通体型のメダカと変わらない箇所があります。
それは背ビレの付け根にある切れ込みです。
オスのメダカには背ビレの付け根に切れ込みがあるのですが、この特徴はヒレ長メダカも変わりません。
また、オスの背ビレは全体的にギザギザして広がっており、メスは丸っぽくなっています。
このような背ビレの違いを見るだけでも、かなりの確率で見分けることが出来ます。
ですがこれだけでは判断に迷う場合もあるでしょう。
その時は腹ビレも合わせて観察してみてください。
各所のヒレが長く伸びる松井ヒレ長やスワローメダカですが、腹ビレは発達しません。
そのため、腹ビレに現れる特徴は普通体型のメダカと同じです。
腹ビレはメスの方が大きくなるので、腹ビレの大きさを見比べる事でもオスメスの判断がつきます。
以上を簡単にまとめると、
- 背ビレの付け根に切れ込みがあり、全体的にギザギザしているのがオス
- 腹ビレが大きいのがメス
上記2点を見比べれば、判別が難しいと言われるヒレ長メダカやスワローメダカのオスメスを見分けることができます。
しかし、それでも個体差によってオスメスの判断が難しいヒレ長メダカがいるのも事実です。
ヒレの長いメダカまとめ
- ヒレ全体が長く伸びるのがヒレ長メダカ(松井ヒレ長)の特徴
- ヒレの軟条が不規則に長く伸びるのがスワローメダカ(風雅)の特徴
- ヒレ長同士で繁殖させれば100%に近い確率でヒレ長の特徴が遺伝した子供が生まれる
- ヒレ長のオスメスは背ビレと腹ビレを見て判断するが、判断が難しい個体がいるのも事実
今回はヒレの長いメダカ ヒレ長とスワローについてご紹介しました。皆様のメダカ選びの参考にしていただけると幸いです。