メダカの日照時間はどのくらい必要?
メダカの産卵には日照時間が関係ある?
メダカを直射日光が当たらない場所で育てても大丈夫?
メダカを太陽に当てないとどのような問題が起こる?
メダカに窓越しの日光は最適?
こんなメダカの日照時間と直射日光の疑問についてご紹介いたします。
メダカの日照時間はどのくらい必要?
メダカの健康な成長に光(日光)は欠かせません。
では、メダカに必要な1日の日照時間はどのくらいなのでしょうか?
メダカの健康的な発育には、1日に8~10時間程度の日照時間が必要です。
メダカに光が必要な理由の一つが「バイオリズムの調整」の為です。
メダカは人間と同じように、目から入る光の明るさによって昼夜の違いを判断しています。
明るい日中は起きて活動し、暗くなると休みます。
このバイオリズムの調節のために、日中8~10時間程度の日照時間が必要となります。
逆に、1日中暗かったり明るかったりすると、メダカの昼夜の感覚が無くなりバイオリズムが乱れるため、メダカにストレスがかかり体調を崩す原因になります。
そのため陽の光があまり入らない薄暗い部屋に水槽を設置する場合には水槽用ライトをつけてあげましょう。
また、ライトは点けっぱなしにせず、日中の8~10時間程度点けておき、夜間は消灯して昼夜のメリハリをつけて下さい。
ライトにプログラムタイマーを取り付けておくと自動で点灯と消灯が管理できるので便利です。
メダカの産卵には日照時間が関係ある?
日照時間はメダカの産卵にも影響を与えます。
メダカのバイオリズムを整えるには8~10時間程度の日照時間があれば十分ですが、繁殖行動を促し産卵させたい場合には13時間以上の日照時間が必要です。
野生のメダカは4月から9月にかけてが産卵時期なのですが、この期間の日照時間が13時間以上あります。
飼育下のメダカであっても産卵の条件は野生のメダカと同じなので、産卵を促すためには13時間以上の日照時間が必要となるのです。
13時間以上の日照時間と20℃以上の水温をキープすれば、冬場でも産卵させることが可能となります。
積極的に繁殖・交配させたい場合には、産卵に必要な日照時間と水温を常にキープするようにしましょう。
メダカを直射日光が当たらない場所で育てても大丈夫?
メダカの健康的な発育に欠かせない要素の一つが「日光」です。
太陽の光を浴びることでメダカは健康に大きく育ちます。
しかし、水槽の設置場所によっては太陽の光が当たらない場合もあるでしょう。
このような日光が直接当たらない場所でメダカを育てても大丈夫なのでしょうか?
結論から言うと、日光が直接当たらない場所でもメダカを育てることは可能ですが、なるべく陽の光が当たるところで育てた方が丈夫に大きく育ちます。
メダカは室内だけでなく屋外で飼育する事も可能な丈夫な魚です。
設備の行き届いている室内飼育のメダカの方が順調に成長しそうですが、実は屋外飼育のメダカの方が成長スピードが早く、成魚サイズも大きくなります。
その要因が「日光」です。
メダカは日光に含まれる紫外線を浴びることで、体の中でビタミンDが生成されます。
ビタミンDはメダカの免疫力や骨の成長に関係するビタミンです。
太陽をたっぷりと浴びる事のできる屋外飼育のメダカは、体内でビタミンDが十分に生成されるため、成長スピードが速い上に、丈夫で大きく育ちます。
日光があまり当たらない場所で飼育したメダカと比較すると、その成長スピードや丈夫さ、成魚になった時の大きさには驚くほどの差が生まれます。
日光があまり当たらない場所での飼育は太陽光による水温変化が生じないため、夏場でも高水温になりずらいというメリットはあります。
ですが、メダカの成長を考えた場合、日光を十分に当ててあげた方が遥かにメリットが大きいです。
最低でも1日1~2時間は日光が直接当たる場所でメダカを飼育する事をおすすめします。
メダカを太陽に当てないとどのような問題が起こる?
メダカは太陽光が直接当たる環境で飼育してあげると元気に大きく育ちます。
しかし、設置場所が限られていて、日陰にしかメダカの飼育容器を置けない場合もあるでしょう。
確かに日陰でもメダカを育てることは可能です。しかし、太陽が当たらないために生じる問題もあります。
メダカに太陽が当たらないことで起こる問題には次のようなものが挙げられます。
- 病気になりやすくなる
- 水カビなどの病原菌が発生しやすくなる
- 成長スピードが遅くなる
- 繁殖力が低下する
- 色が薄くなる
太陽光が当たらないとメダカの体内でビタミンDが生成されないため不足してしまい、免疫力の低下を招き病気にかかりやすくなります。
さらに、太陽光による殺菌効果が得られないため、飼育水に水カビなどの病原菌が発生しやすくなります。
ただでさえ免疫力が低下し病気に罹りやすくなっている上に、飼育水内に病原菌が増えてしまうので、より病気に罹りやすくなってしまうのです。
また、太陽光不足によるビタミンDの生成不足は、メダカの骨の成長を阻害してしまいます。
この影響で体がなかなか成長せず、成魚になってもあまり大きくなりません。
太陽光が当たらない環境だと繁殖力も低下します。
メダカは日照時間と水温で繁殖可能な時期を感じ取り、繁殖行動を起こします。
太陽光が当たらない環境だと光の刺激が少ないので、繁殖しにくくなってしまうのです。
また、メダカは太陽光に当たらないと色が薄くなってしまいます。
メダカは太陽光にさらされると紫外線から身を守るために体色が濃くなります。
これは人間の皮膚が黒くなるのと同じ理由です。
逆に、太陽光に当たらないなら紫外線から身を守る必要が無いので、色素が抜けて体色が薄くなってしまうのです。
以上のように、メダカを太陽に当てないと病気に罹りやすくなったり成長が遅れたりするため、メダカの管理が難しくなります。
1日1~2時間でも良いので、出来るだけ太陽光が直接当たる場所でメダカを育てるようにしましょう。
メダカに窓越しの日光は最適?
室内でメダカを飼育する場合、直接日光に当てる事は屋外飼育のように簡単ではありません。
では、窓越しに入る程度の日光でも、メダカを健康に育てるのに最適な量となるのでしょうか?
結論から言うと、メダカを室内飼育する際は、窓越しに入る日光を当ててあげれば十分に太陽光のメリットを受けることができます。
ただし、窓の方角によっては水槽の設置場所や水温管理などに工夫が必要です。
メダカが日光を浴びることでの健康上のメリットは紫外線によってもたらされます。
そのため、ここでは窓越しに部屋に入り込む紫外線の量に絞ってご説明します。
屋外のメダカに降り注ぐ紫外線量が100%とすると、窓越しのメダカに降り注ぐ紫外線量は70~80%程度になります。
これは窓ガラスにより減弱されるからです。
多少減ってはしまいますが、70~80%の量でも十分に効果があります。
ポイントとしては出来るだけ窓辺に近いところにメダカ水槽を設置することです。
何故なら、部屋に入り込む紫外線量は窓から距離が離れるほど少なくなるからです。
窓から1メートル離れると、紫外線量は5%程度まで減ると言われています。
あまり日光が差し込まない暗い部屋の場合、窓から数十センチ離れただけで紫外線の影響をほとんど受けなくなってしまうでしょう。
このように、窓際から少し離れるだけで紫外線量はガクッと減ってしまうので、出来るだけ窓の近くに水槽を設置した方が良いですね。
ただし、室内のメダカ水槽は屋外飼育容器と比べて水量が少ないケースが多いので、1日中日光が当たり続ける場所に置くのは高水温やコケの大量発生のリスクが高まり危険です。
特に危険なのが夏に西向きの窓の近くに水槽をセットしてしまうことです。
夏の西日は強烈なので、小さな水槽だとすぐにお湯のような高水温になってしまい、メダカがあっという間に全滅することも少なくありません。
理想的なのは朝日からお昼前までの日光が差し込む東よりの窓辺です。
しかし、うまく東側に窓がある部屋ばかりではないですから、窓の方角によっては簾(すだれ)などを使って日光が入り込む量を減らしたり、水槽用冷却ファンで水温を下げるなどの対策を行いましょう。
以上のように、室内飼育でも窓越しに入る日光をうまく活用すれば、メダカの健康的な成長に大きなメリットがあります。
ただし、窓越しに水槽を設置するような環境では藻類も活発になるため、コケの発生はある程度致し方ない状態になってしまいます。
水槽のガラス面にコケが付着したり、グリーンウォーターになってしまうデメリットはあります。
鑑賞目的で考えるとあまり見た目が良いものではありませんが、メダカの成長にとっては良い環境ですので、双方の兼ね合いを考えながら飼育することが必要となってきます。
メダカの日照時間と直射日光の影響まとめ
- メダカのバイオリズムを整えるために8~10時間ほどの日照時間が必要
- メダカは日照時間が13時間以上になると産卵を始める
- 直射日光が当たらない場所でもメダカを育てられるが、日光が当たる方が健康に大きく育つ
- 日光が当たらない場所で育てたメダカは成長が遅く病気にも罹りやすい
- メダカは窓越しの日光でも十分に育つ
- 窓越しの水槽はグリーンウォーターやコケのリスクが高くなる
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