メダカのハリ病ってなに?
メダカのハリ病の原因は?
メダカのハリ病は他のメダカにうつる?
ハリ病に塩浴やメチレンブルーは効果ある?
ハリ病は自然治癒する?治療で治る?
こんなメダカの針病に対する疑問についてご紹介いたします。
メダカのハリ病の原因と症状
「メダカのハリ病(針病)」とはその名前が示す通りメダカの尾びれが尖って針のように細くなってしまう病気です。
メダカの稚魚が「針子」と呼ばれていることから針病(ハリ病)は「メダカの針子が発症する病気?」と誤解が生じることもあるかもしれませんね。
「針子」はメダカの稚魚が「針のようにか細い」ことからの呼称で、「針病」は「針のように尾びれが尖る」疾患の症状による名称です。
よって名前に「針」が共通するのは偶発的なものでありハリ病はメダカの成魚・稚魚ともに発病します。
メダカのハリ病は進行すると完治が難しい病気です。
針病と思われる症状がメダカに起こったら、素早く適切な処置を行いましょう。
メダカのハリ病の原因として考えられているのは次のようなものです。
- 冬場の低水温
- 水中環境の悪化
- 病原菌によるもの
メダカがハリ病を発症することが多いのは冬場です。
水温が低下する冬場に針病の症状が起こることが多いことから低水温はメダカのハリ病の原因の1つと考えられています。
メダカは緩やかな水温の変動には対応できますが急激な水温の低下に耐える強靭さはありません。
冬場などはヒーターなどを使用し水温が25℃以下に下がらないようにしましょう。
また、メダカのフンや餌の食べ残しなどを放置すると様々な有害物質が発生し水質汚染を引き起こします。
メダカは観賞魚の中でも生命力が強いと言われていますが、水質の悪化した苛酷な水中環境はメダカの体力を奪いハリ病や他の病気の原因となり命を脅かします。
そして、メダカの針病は「何らかの細菌が原因になる」とも考えられています。
この原因菌については未だ判明しておらず、新しい水草やメダカによって病原菌が持ち込まれることや常在菌によってハリ病を発症することもあると言われています。
水中環境が劣悪になるとメダカは耐えがたいストレスにさらされ続けることになります。
ストレスによって免疫力が低下するのは人間だけではなくメダカも同様で、その結果様々な病気にかかりやすくなるのです。
では、メダカのハリ病とはどんな症状になる病気なのか?
メダカが針病になると次のような症状が起こります。
- 尾びれを折りたたむ。
- 尾びれが閉じた状態で先が尖り針のように細くなる
- 強い推進力を持つ尾びれが閉じているので泳ぎ方がおかしくなる。
- 体力を消耗し衰弱してくる。
- 餌も食べなくなり動かないことが多くなる。
メダカのハリ病の症状は尾びれに起こるので早期に発見して適切な処置や治療を行うと元気に泳げるまでに回復することもあります。
メダカのハリ病は他のメダカにうつる?
対処が遅れると死に至る危険のあるハリ病が他のメダカにうつる病気なのか不安になりますね。
ではメダカのハリ病は他のメダカにうつるのか?
結論から言うと、針病は「他のメダカにうつる可能性も否定できない」です。
前述のようにメダカの針病は未だ判明していない原因菌によって発症することもあると考えられています。
よって、同じ水中で生活している他のメダカにハリ病がうつることがない、とはいえません。
しかし同じ住環境で複数のメダカが同時にハリ病を発症した場合は「水中環境の悪化」や「低水温」などの原因によるものも多いのでまずは環境の見直しを行ってください。
ハリ病に塩浴やメチレンブルーは効果あるか?
メダカがハリ病を発症してしまったら速やかに適切な処置や治療を行うことが重要です。
では、メダカのハリ病に「塩浴」や「メチレンブルー」は効果があるのか?
まず「塩浴」について説明します。
メダカの病気の治療法としてよく知られている「塩浴」は塩水の中で淡水魚を短い間飼育するというものです。
「塩浴」には「塩の浸透圧による効能」という科学的な根拠があり病気などで弱っているメダカなどの体力回復に効果を発揮します。
ハリ病で尾びれが閉じて思うように泳げなくなったメダカはあっという間に体力を消耗して衰弱してしまいます。
飼育水に塩を入れる「塩浴」でメダカの活力を取り戻せたら針病の改善も期待できるでしょう。
初期の段階のハリ病で症状の軽いメダカなら塩浴後1日くらいで改善がみられることもあります。
「塩浴」については下記記事で詳しくお伝えしていますのでご覧ください。
「メチレンブルー」は魚の病気の治療や卵のカビ対策によく用いられる薬で殺菌作用があります。
よってメダカのハリ病の原因が細菌などによるものなら「メチレンブルー」の薬浴治療で改善する可能性があるといえるでしょう。
「メチレンブルー」はその名の通り青い液体でメダカの飼育水に入れると水が鮮やかなブルーに変わります。
その人工的な青い色からメダカの体に負担のかかる作用のきつい薬というイメージを持つ人もいるでしょう。
メチレンブルーの殺菌消毒作用は成分が光に反応して発生する活性酸素によるものなので抗生物質による治療のように細胞にダメージを与えることがありません。
よって副作用もほとんどないメチレンブルーはメダカの針子のハリ病の治療にも安心して使用できます。
ただし、メチレンブルーは「有害物質を無害なものへ変える働きをするバクテリア」も殺してしまう作用がある薬なので使用は短期間のみにしてください。
この効果を逆手にとってメダカの卵を水カビなどから守るためにメチレンブルーを使用する方法もあります。
今回の針病のテーマから少し話が逸れてしまいますが、お時間のある時にでもご覧ください。
ハリ病は自然治癒する?治療で治る?
メダカがハリ病を発症した原因が「冬場の低水温」や「水中環境の悪化」の場合は「ヒーターで緩やかに水温を上げる」「水換えをする」などの処置を速やかに行いましょう。
メダカがハリ病の初期の段階で水中環境を改善できれば軽い症状なら自然治癒する可能性もあります。
また、ハリ病の発症を早期に発見できた場合は「塩浴」や「メチレンブルーの薬浴」による治療が功を奏して治ることもあります。
対して、メダカのハリ病が重症化しているケースでは自然治癒は期待できず「治療で治る」可能性も高いとは言えません。
よって何よりも大切なのは適切な餌を与え水温や水中環境を整えることに留意して針病の発症を未然に防ぐことです。
メダカは飼育者の庇護のもとでしか生きられません。
日ごろからメダカに異常がないか観察を怠らないようにして、メダカが発信する微かなSOSでも気づいてあげられるようにしましょう。
メダカの針病まとめ
- ハリ病の原因は「冬場の低水温」「水中環境の悪化」「病原菌によるもの」
- ハリ病の症状は、尾びれが閉じて針のように尖ってくる
- 他のメダカにうつる可能性もある
- ハリ病の治療法は「塩浴」と「メチレンブルー」
- 自然治癒を待つより治療をした方が回復が早いこともある
今回はメダカのハリ病に対する疑問についてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。
まとめ記事
メダカの病気にはどのような病気がある?種類一覧を知りたい。メダカに白い点が?体をこすりつけるのは病気のサイン?メダカの体が赤い?赤い斑点は病気?メダカのお腹がパンパンに膨らむのは病気?メダカの泳ぎ方がおかしくなるのは病気のせい?こんなメダカの異常と病気の関係についてご紹介いたします。