
メダカのpHショックとはどんなもの?
メダカのペーハーショックはなぜ起こるのか?
メダカに最適なph値は?
メダカの水質とphにはどのような関係があるのか?
メダカのphを上げる・下げるそれぞれの方法とは?
こんなメダカの水質とphの関係についてご紹介いたします。
メダカのpHショックとは
pH(ペーハー)とは水に含まれる水素イオン濃度の指数で7を中性とし、7より低ければ酸性、7より高ければアルカリ性となります。
普段私たちが使用する水ではあまりこの数値を気にかけることはありませんが、メダカなど水中で生活する生き物にとっては大きな影響を与えます。
このpH(ペーハー)の数値が急激に変化することによってメダカがストレスやダメージを受けてしまうことをペーハーショックと呼びます。
メダカに限らず魚類の多くはエラで酸素と二酸化炭素の交換を行う呼吸を行っていることは良く知られています。
それと同時にエラではアンモニアの排出や塩類細胞と呼ばれる特殊な細胞でイオン交換も行われています。
酸性の水質では体内のpHを保つために塩類細胞より塩素イオンを排出し、重炭酸イオンを取り込みます。
メダカは取り込んだ重炭酸イオンで体内の水素イオンを中和し、水と二酸化炭素を排出しています。
この働きは酸塩基平衡作用と呼ばれ、この働きが起きている時にはメダカの体液浸透圧が急激に低下していきます。
急激なpHの変化が起こるとメダカはその環境に即座に適応しようと急激な体内反応が起こってしまうのです。
この急激な体内反応がメダカに大きな負担をかけてしまい、フラフラしたり、ひっくり返ったりして死んでしまうのです。
pHの高いグリーンウォーターから急に綺麗な水道水に全換水したりするとこのような状態を引き起こすことがあります。
長期間水換えをしていなく、水が臭ったり、茶色く変色しているような状態からいきなり全ての水を交換してしまうような水換えを行っても同じようにペーハーショックを起こすことがあります。
また、メダカ購入時に買ってきてすぐに水槽などにメダカを放してしまうのも良くありません。
購入先での飼育水のペーハーと新しい環境でのペーハーの差によってペーハーショックを起こすこともあります。
このように環境が大きく変わる時にはpHショックに注意しなければなりません。
メダカがphショックにかかるとフラフラしながら泳いでいたり、逆さまになってしまうようなこともあります。
そのようは場合にはほぼ回復は見込めなく、そのままメダカが死んでしまうことに繋がります。
一度phショックにかかってしまうと完治は難しいので極力メダカがphショックを起こさないような飼育を心がけたいものです。
- 新規購入時には入念な水合わせを行う。
- 水換えはあまり期間を空けずに定期的に少量ずつ行い、水質が悪化するのを防ぐ。
- グリーンウォーターは濃くなり過ぎる前に水換えにて濃度調整を行う。
このような方法でphショックは防ぐことができます。
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メダカに最適な水質ph値
メダカ飼育に適したphは弱酸性~弱アルカリ性とされており、数値ではph6~8くらいまでとなります。
ただph6の環境から急にph8の環境にメダカを移しても大丈夫かと言うとそうではありません。
メダカ飼育に適したphの範囲内であってもやはり急激な変化は避けなければなりません。
また、メダカを飼育していると飼育に適したphよりも大きく数値が外れることもあります。
グリーンウォーターでメダカを飼育しているとphが9くらいになることも珍しくありません。
このような数値でも飼育環境内でゆっくりと変化していく分にはメダカにとって大きなストレスとはならないのです。
逆にphが高いことに慌てて大量の水換えをするようなことは避けるようにしましょう。
メダカは環境適応能力が高く、ゆっくりとした環境の変化であれば幅広いphに対応することができます。
ただ、極端にphが低い環境や高い環境にはそれなりのリスクもありますのでその点についてもご紹介いたします。
メダカの水質とphの関係
メダカは環境適応能力が高いため幅広い水質に対応することができます。
しかし、極端に低いphや高いphの水質にはそれなりのリスクがあることも理解しておきましょう。
まず、水道水のphに比べて飼育水のphが極端に低い場合には水質が悪化している可能性があります。
ソイルなどの影響によりphが下がっているのでしたら特に問題はありませんが、水質の悪化によりphが下がっている場合には水換え頻度の見直しが必要となってきます。
水質の悪化によりphが下がっている時には硝酸塩が蓄積していることが多いものです。
硝酸塩はアンモニアや亜硝酸塩に比べると毒性は低いですが、長期間にわたり蓄積しているとメダカの寿命を縮める原因にもなってしまいます。
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また、メダカの免疫機能や繁殖機能に支障をきたすためメダカが病気に罹りやすくなったり、繁殖しなくなることもあります。
もう一つ、気をつけたいのが大雨によるph降下です。
大きな池や睡蓮鉢などなら急激な水質変化は起きませんが、小さく水量の少ない容器でメダカを飼育していると酸性雨の影響を受けやすくなります。
屋外飼育では大雨や長雨などにより大量の酸性雨が飼育水に混ざると飼育水が極端に酸性に傾くことがあります。
そのような状態を長期間放置してしまうとやはりメダカにとって過酷な環境となってしまいますので水換えなどでph値を安定させてあげましょう。
逆にphが極端に高い場合にはアンモニアが発生すると毒性が強くなる傾向があります。
アンモニアは餌の食べ残しやメダカのフンなどから生成されます。
酸性の水質では毒性の低いアンモニウムイオンとなり、アルカリ性の水質では毒性の高いアンモニアへと変化します。
よってアルカリ性の水質では水の汚れが即、メダカの死に繋がってしまうこともありますので注意しなければなりません。
水道水を使いメダカを飼育しているのだからph(ペーハー)は7付近のはず。
新しく入れる水も水道水で同じph(ペーハー)のはずだからペーハーショックは起こることは無いし、極端な水質の傾きも問題ない。
果たしてそのような安易な考え方は正しいのでしょうか?
実はメダカの水質は日々変化しています。
さらに言えば朝と昼間でもphは変化します。
グリーンウォーターは植物プランクトンの光合成によりphが大きく変化するものです。
水中の酸素の量と二酸化炭素の量によりphは変化しますので、晴天の日が続くと植物プランクトンの活動が活発になりphが高くなる傾向にあります。
先に述べたように水質の悪化は硝酸塩の蓄積などによりphが下がり酸性に大きく傾くこともあります。
このようにメダカの飼育環境では様々な要因が関係してphの変化を招きます。
よって日々のph変化を把握するためにもph測定を行うことをおすすめします。
ペーハーの測定は市販のペーハー測定キットで簡単に行うことができます。
メダカのphを上げる方法
ph測定の結果、phが想像以上に低かったらどうすれば良いのか?
もしくは想像以上に高かったらどうすれば良いのか?
メダカの飼育環境をメダカが好む最適な環境にするためにもphを上げる方法や下げる方法も覚えておきましょう。
市販の薬品を使用してphをコントロールする方法もありますが、ここでは飼育環境の改善によってphを変化させる方法についてご紹介いたします。
もし薬品を使用して手っ取り早くph変化をさせたいという方には下記商品がおすすめです。
飼育環境改善によりphを上げる方法としては
- 植物プランクトンを増やす
- 水草を植える
- 定期的な水換えを行う
- 砂利や石などをレイアウトに用いる
などが挙げられます。
植物プランクトンを増やすとはグリーンウォーターでメダカを飼育することを意味します。
植物プランクトンが増えると光合成によって二酸化炭素を消費するためphが上昇する傾向にあります。
グリーンウォーターについては過去の記事にてご紹介していますのでご覧ください。
水草を植えることも考え方はグリーンウォーターと同じです。
光合成による二酸化炭素の消費と植物の栄養吸収による硝酸塩の減少によって酸性への傾きを抑制する効果があります。
植物プランクトンや水草を使用した方法はそれらが元気に成長していることが条件となります。
そのためにはしっかりと日光に当ててあげることや気温が植物の成長にとって好ましいことなど挙げられます。
その点、水換えによってphを上げる方法は周りの環境に左右されないため安定してphを上げることができます。
しかし水換えによるph上昇はもともとの水道水のph以上にすることはできないためphを上げるというよりはphを戻すと言った方が良いかもしれません。
最後の砂利や石などをレイアウトに用いる方法は砂利などに含まれる硬度を利用するものです。
この方法は使用する石の量や成分によってある程度自由にphを上げることができます。
メダカのphを下げる方法
メダカの飼育水のphを下げる方法には
- グリーンウォーターを薄くする
- 透明な飼育水でメダカを飼育する
- 二酸化炭素の添加を行う
- ホテイアオイや水草の量を減らす
- 毎日少しずつ水換えを行う
などの方法が挙げられます。
ペーハーを下げる方法はペーハーを上げる方法の逆の考え方をすれば良いだけです。
メダカの水質とphの関係まとめ
- pHショックはメダカが死んでしまうこともある
- pHショックにかかると完治は難しいので予防に努める
- 大量の水換えや購入時の水合わせ不足がpHショックを招く
- 極端に低いpHや高いpHの水質にはそれなりのリスクがある
- 飼育水のpHが極端に低い場合には水質が悪化している可能性がある
- pHが高い場合にはアンモニアが発生すると毒性が強くなる傾向がある
- 定期的な水換えでpHを維持することができる