ダルマメダカの繁殖がしたい。増やしたい。
ダルマメダカって作れるの?
ずんぐりむっくりで可愛らしいダルマメダカの繁殖(増やし方)から稚魚の育て方、さらにはダルマメダカを作り出す方法までをご紹介いたします。
ダルマメダカの繁殖(増やし方)
ダルマメダカはその名の通りダルマのような体型が人気のメダカですが、飼育に対して通常のメダカよりも弱い面があることは良く知られている事実です。
では、繁殖に対してもダルマメダカと通常のメダカでは違う点(気を付けなければいけない点)があるのでしょうか?
そのことを理解するためにまずは、ダルマメダカのことを深く知ることから始めましょう。
ダルマメダカの飼育や繁殖をおこなううえで絶対に忘れてはいけないことが、ダルマメダカは通常のメダカから突然変異で生まれた奇形種であることです。
ダルマメダカは脊髄骨の数が少ないため全長が短くなり、その中に通常のメダカと同じように臓器があるため、臓器同士が圧迫されており、内臓に負担がかかるので長生きしにくいと言われています。
短い体は普段の生活や繁殖にも影響を与え、普段の生活では泳ぎが通常のメダカ以上に苦手で餌になかなかありつけません。
繁殖においては、メダカのオスがとる繁殖行動が体型の影響によりスムーズに行われず、無性卵が多くなってしまうことが挙げられています。
よってダルマメダカの繁殖では通常のメダカよりも受精率が下がります。
さらに上手く受精をして、稚魚が生まれてきても生まれてきた稚魚全てがダルマメダカのような体型であるとは限らないのです。
ダルマメダカの突然変異は固定率が低く、ダルマメダカ同士を繁殖させてもその遺伝子が全て受け継がれる訳ではありません。
よって生まれてくる稚魚はダルマメダカだけでは無いということを理解したうえで繁殖を行いましょう。
メダカの繁殖と水温の関係
通常のメダカが繁殖行動をはじめる水温は15℃を超えたあたりからで20℃を超えたあたりではさらに活発な繁殖行動が見られるようになります。
屋外飼育やヒーターを使用せずに管理している水槽飼育などでは、外気温の影響を色濃く受けるために産卵シーズンは季節限定となりますが、ヒーターなどを使って飼育する場合には20℃程度の水温を保っていれば頻繁に繁殖行動が見られるようになります。
ただ、後にもその理由を含め記載しますが、ダルマメダカの場合にはさらに高い水温を維持することが望ましいでしょう。
ダルマメダカの産卵と1日のサイクル
次に大切な条件が1日のサイクルをしっかり整えてあげる事です。
メダカの産卵は早朝に行われる事が多く、暗い夜が明け始め明るくなりだした頃に繁殖行動を始めますので一日中蛍光灯をつけっぱなしにしていたり、その日の気分でつけたり消したりしているとメダカにとっては生活のリズムがバラバラになってしまいストレスに繋がります。
よって蛍光灯などを設置している場合にはプログラムタイマーなどを利用し、規則正しいサイクルで点灯するようにしましょう。
プログラムタイマーとは設定した時間になると電源をON、もしくはOFFにしてくれるものでアクアリウムにおいては蛍光灯の点灯時間管理や二酸化炭素添加器具の管理などに使用されています。
毎日忙しく、決まった時間に蛍光灯の点灯や消灯が難しい人にとっては必須のアイテムといえるかもしれません。
健康なメダカが元気な子を産む
そしてこれが最も大切な条件ですが、健康なダルマメダカであることです。
どんなに他の条件をしっかり整えても健康なメダカでなければ繁殖は成功しにくくなってしまいます。
日頃の水換えなどの水質管理や餌やりなど毎日の世話をしっかりと行ってメダカを常に健康的な状態に保ってあげてください。
この様な条件が整うといよいよ繁殖行動に入る様になります。
オスのダルマメダカがお気に入りのメスを見つけるとその後メスの後を追い回すようになります。
そのうちオスがメスを追い越しながら身を震わせて泳ぎ、ひるがえっては戻るような動作を繰り返します。
このような行動の後、ペアリングが上手くいくとやがてオスは長いヒレでメスを支えるようにして体を擦り合わせてメスの産卵を促します。
メスが産卵するとオスはすかさず卵に精子を振りかけ産卵行動が終了します。
ダルマメダカの稚魚の育て方
ダルマメダカの稚魚の育て方は基本的には通常のメダカの稚魚の育て方と変わりませんが、水温の管理には気を付けたいところです。
まず、繁殖時には水温を高めに設定していますが、卵が生まれてから(稚魚が生まれてから)は少し水温を低めに設定して26℃位を保てるようにします。
高いままの水温は卵や稚魚の成長を早める効果はありますが、反面、水質の悪化が早いこと、溶存酸素量が低くなることなど稚魚を育てていくには過酷な環境を作り出しやすくなってしまいます。
ダルマメダカの作り方
「ダルマメダカの作り方」という表現が生命に対して適切かどうかは考えさせられるところではありますが、ダルマメダカが人の手によって品種改良され、作り出されたメダカであることは事実です。
そんなダルマメダカを自分の手で作り出すための方法をご紹介いたします。
ダルマメダカは通常のメダカからの突然変異なので通常のメダカ同士を気長に飼育していればいつかは生まれてきます。
・・・・間違いでは無いのですが、気の長い話になってしまいますので(笑)確率的にダルマメダカが生まれやすい状況を考えてみましょう。
まず、ダルマメダカの遺伝子を少しでも持ち合わせているメダカを親魚として選ぶことが前提です。
その為には、半ダルマメダカを親魚として繁殖を行います。
飼育環境においては他のメダカとの混泳は避け、繁殖を行うメダカだけの単独飼育をします。
さらに、水温を高めに保つことでダルマメダカのような奇形種は生まれやすくなりますので、水温調節機能付きヒーターなどを使用し水温を28℃~30℃くらいに保つようにします。
そのままの環境を維持し、あとは自然に繁殖をしてくれるのを待つしかありません。
生まれてきた卵や稚魚の生存率を高めるためにもメダカの隠れ家となる水草をいれておきましょう。
ダルマメダカの繁殖と作り方まとめ
- ダルマメダカは通常のメダカから生まれた奇形種である。
- ダルマメダカの突然変異は固定率が低いためダルマメダカではない子が産まれてくることもある。
- ダルマメダカは体型的特徴から繁殖行動が苦手。
- 繁殖には照明の点灯サイクルも関係している。
- ダルマメダカの繁殖では水温を28℃〜30℃に保つと良い。
- 稚魚が誕生したら水温は26℃前後に戻す。
- ダルマメダカを作るには遺伝子を持ち合わせている半ダルマを親魚とする。