
メダカのビオトープにアオミドロが増えてきた。
メダカはアオミドロを食べるのか?
アオミドロはメダカに害があるのか?共存できるのか?
アオミドロが増え過ぎない対策とは?
メダカ水槽のアオミドロは除去するべきか?
こんなメダカのビオトープに発生するアオミドロとめだかの関係についてご紹介いたします。
メダカはアオミドロを食べるのか?
勝手に増えてたアオミドロがメダカの餌になってくれるのならそれはありがたいことですが、飼育環境下でメダカがアオミドロを食べることはほとんどありません。
メダカは雑食性なので植物質のものも動物質のものも食べますが、アオミドロは繊維質が硬いのかメダカが好んで食べることはほとんどないのです。
よってメダカを大量投入してもアオミドロを駆除することはできません。
ただメダカがアオミドロをほとんど食べない理由は飼育環境下でアオミドロよりも食べやすく美味しい餌があるからであることも関係しています。
自然の水路や水田ではアオミドロとメダカが共存している場所は多いもので、そのような場所ではメダカはアオミドロを餌として食べています。
そのような場所でもメダカがアオミドロを食べ尽くすようなことはないので主食というよりは餌がない時に食べているようなものかもしれません。
アオミドロはメダカに害があるのか?
飼育環境下ではアオミドロはメダカの餌にはならない。
それならアオミドロはメダカに何かメリットはあるのか?それとも害があるのか?
「アオミドロが増えてきた」=「即対策や駆除」ではなく自然に任せて共存できるのかについても考えてみましょう。
アオミドロは藻類であり、植物の仲間です。
よって水中の養分を吸収して光合成を行います。
ここには生態系における生産者の立場が成り立ちます。
アオミドロが光合成を行うことにより水中のco2を消費して酸素を放出しますのでメダカにとって新鮮な酸素供給が行われることになります。
またアオミドロが吸収する養分とはメダカの餌の食べ残しや糞などから生成されるものです。
水中ではそれら有機物がバクテリアの働きにより分解され、アンモニア→亜硝酸→硝酸塩へと変化していきます。
最終的に硝酸塩は水換えによる排出か植物による吸収でしか減らすことはできません。
この硝酸塩を吸収してくれるものが無いと水中でどんどん蓄積されメダカにとって害になってしまいます。
硝酸塩はアンモニアほど毒性はないですが、長年蓄積することによりメダカの寿命を縮めてしまう要因にもなります。
気づかないうちにジワジワと蓄積して寿命を縮めていくあたりが実は非常に厄介な物質でもあるのです。
そんな物質を吸収してくれるアオミドロはビオトープにおいてメダカにメリットがある存在とも言えるのではないでしょうか。
もちろんアオミドロではなくても水生植物を茂らせることで同じ効果は見込めます。
またアオミドロの周りには多くの微生物が付着、繁殖をして小さな生態系を作り上げています。
これらもまたメダカの餌になりますので何もない環境よりはアオミドロがある環境の方が生態系が豊かになります。
そんなアオミドロも増えすぎるとメダカに対して害になることもあります。
増えすぎたアオミドロは水中の遊泳スペースを無くしてメダカが絡まってしまうことが稀にあります。
これをメダカへの害と考えるかどうかは微妙なところでもありますが、、、、。
ただアオミドロに限らずどんな生物でも増えすぎる問題に対しては生態系のバランスを崩すものなので害になるのは当然のことです。
メダカにとって良いとされているグリーンウォーターでさえ増え過ぎて濃くなりすぎると酸欠を引き起こすこともあります。
メダカでさえ多すぎれば水質を極端に悪化させて自滅してしまうことさえあります。
このようにアオミドロそのものが悪い物ではなく、何事も生態系のバランスを保つことが大切なのです。
それならアオミドロが増え過ぎないように対策をしておけばいいのではないでしょうか。
アオミドロが増え過ぎないような対策
アオミドロが増える原因は豊富な栄養分と暖かい水温、程よい日照時間です。
この中で暖かい水温と程よい日照時間はアオミドロだけではなくメダカなど多くの生物が必要とする要素ですので、できれば変えたくない環境です。
そうなると初めに行う対策は豊富な栄養分の除去でしょう。
よく言われる富栄養化した水の改善です。
富栄養化した水の改善方法には次に挙げるような方法があります。
- 定期的な水換えとフンの掃除
- 人工フードなどの餌の量を極端に減らす
- 人工フードの代わりに腐敗しない生き餌を与える
- 水草の肥料などを控える
- 水草や浮き草などの植物を沢山植えて栄養分を吸収させる
これらの対策を合わせて行うことで大きな効果が見込めます。
また増えすぎてしまったアオミドロの除去や増えすぎないような抑制のためにアオミドロを食べるヌマエビなどの投入も効果的です。
アオミドロなどのコケと呼ばれるものに対してはミナミヌマエビやヤマトヌマエビなどがコケ取り生体として知られています。
どちらのヌマエビも屋外で飼育可能ですので屋外ビオトープなどで飼育することができます。
増えすぎてしまったアオミドロを手作業で取り除くのも一つの対策です。
少々手間ではありますが、定期的にアオミドロを間引くように除去してあげれば増えすぎてしまう問題も解決できます。
室内メダカ水槽のアオミドロは除去するべきか?
ここまで読んでいただいた方なら分かると思いますが、アオミドロに害や罪はありません。
しかしメダカ水槽にアオミドロが大繁殖している光景はあまり見た目が良いものではありません。
景観を楽しむメダカ水槽の見た目が悪くなるとどうしても世話をする楽しみも失せてしまい日々の世話が疎かになってしまうこともあります。
そのようなことにならないように常に綺麗な状態を維持しておくことが大切です。
そのためにアオミドロは極力除去して綺麗な水槽を維持するべきでしょう。
メダカとアオミドロの関係まとめ
- 飼育環境下ではメダカはアオミドロをほとんど食べない
- アオミドロは光合成を行い酸素を供給する
- 光合成の際の栄養吸収により水質改善に貢献している
- アオミドロが増えすぎるとメダカが絡まってしまうことがある
- アオミドロが害なのではなく増えすぎてしまうことが問題
- どんな生物でも増え過ぎてしまえば生態系のバランスを崩すもの
- アオミドロの増え過ぎを抑えるには富栄養化した水の改善が最優先
- ヌマエビやサイアミーズフライングフォックスなどがアオミドロを食べる
- 手作業による定期的な除去で増え過ぎを抑えることもできる
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