
ビオトープの睡蓮や水草は冬には枯れる?
メダカビオトープの立ち上げは冬でもできる?
メダカビオトープの冬支度は何をすればいいのか?
冬のビオトープの寒さ対策はどうすればいい?
こんなメダカビオトープの冬の管理についてご紹介いたします。
ビオトープの睡蓮や水草は冬には枯れる?
ビオトープ作りでかかせない睡蓮や水草は、冬の間に枯れてしまうと思う方も多いでしょう。
実はビオトープに冬でも枯れない睡蓮や水草を植栽することは可能です。
「冬でも枯れない」の認識としては植物そのものがダメにならずに春になると綺麗な葉をつけるものや花を咲かせるものを指します。
気温が下がる冬になれば、葉の色合いは悪くなり、成長がほとんど止まってしまうのは多くの植物に見られる正しい姿ですのでその点はご理解ください。
睡蓮や水草を冬越しさせるためには、冬でも枯れない種類を選ぶことと寒さ対策を行うことが重要です。
睡蓮には温帯性のものと熱帯性のものがあります。
熱帯性のものは低温に弱く、ビオトープの冬では枯れてしまいます。
温帯性の睡蓮は、適温が5℃から15℃と比較的低温に強い性質があり、メダカのビオトープでは使いやすく、冬の間も葉を保つことができます。
ただし低温に強い種類の睡蓮であっても、氷点下の環境では根が腐りやすくなります。
地下茎が凍ってしまうと、全体が腐り枯れてしまうため注意が必要です。
ビオトープで使われる水草では、越冬できるものもたくさんあります。
水草には、日本の自然界にあるものや海外から輸入したものなど様々な種類がありますが、屋外のメダカのビオトープで使う場合、冬の寒さにも耐えられる水草を選ぶことが不可欠です。
また、水草の水上葉は冬の間枯れてしまうため、冬の間緑は楽しめません。
ただし、水中葉や根が残っていれば、水草本体は枯れず春に新芽を出すので気長に待ってみましょう。
比較的寒さに強い水草は、日本の自然界に多くあります。
アナカリス(オオカナダモ)やマツモはメダカだけでなく、金魚やヌマエビのビオトープにも使われる定番の水草です。
根、茎、葉が全て沈む沈水植物で、高い水質浄化能力があります。
日本の近辺に自生しており、日本の寒い環境にも適応しています。
ホテイアオイは水面に浮かぶ浮葉植物水草で越冬可能です。
冬になると、葉が枯れてしまったように見えますが、春になると葉や茎が元気になります。
輸入された水草でも寒さに強く冬のビオトープで使用可能なものがあります。
ウィローモスはビオトープの冬で耐寒性をつけられる水草です。
育成は9月頃から始め、自然に屋外で水温が下がる環境に慣れさせていきます。
低水温に対応できるようになると10度以下でも枯れずに冬越しできます。
他にもビオトープ向けの水生植物には越冬できる種類も多くありますので、色々と探してみるのも楽しいものです。
メダカビオトープの立ち上げは冬でもできる?
メダカを屋外のビオトープで飼育する場合、冬の管理方法は重要なポイントです。
メダカビオトープの立ち上げを冬から考えている方は注意が必要です。
新しく購入したメダカの中には、それまで室内で一定の温度のもと過ごしてきたものも多く、すぐに温度変化が厳しい環境に慣れることはできません。
冬の屋外ビオトープという過酷な環境で、そのようなメダカは耐えることは難しいのです。
また、ビオトープに使用する植物も気温の低い季節にはなかなか成長しないため、根張りが悪い上、ビオトープの環境になかなか適応できないことも多々あります。
メダカビオトープの冬の管理の鉄則は大きく環境を変えないことですので、冬季に新しい環境を作るというのはあまりおすすめ出来ません。
メダカビオトープの立ち上げを冬からしたい場合は、冬の間は室内でビオトープ作りを行うことをおすすめします。
メダカビオトープの立ち上げを冬の室内で行う場合
- 専門店でよく太ったメダカを購入する
- 耐寒性の水草を入れる
- ビオトープで水中に発生するコケを食べてくれる、ミナミヌマエビやタニシなどの冬に強い生き物と一緒に飼育する
- 温度変化を緩やかにするため、深さのある容器を選ぶ
- やせたメダカや稚魚、卵を育成するには、ヒーターによる加温を行う
メダカビオトープの冬支度と日々の管理
メダカビオトープの冬支度は、夏が終わり涼しくなりはじめた初秋から始めます。
日々の管理方法として、
メダカに体力をつけさせる
水温が下がった冬の間メダカは冬眠状態に入り、水底で動かずほとんど餌を食べなくなります。
そのため、10月くらいまでにメダカに栄養価の高い餌を与え、冬季を乗り越えられる体力をつけさせましょう。
水温が低下してくると、メダカはあまり動かなくなり食欲も落ちます。
メダカの餌食いの様子を確認しながら、食べきれる量の餌に調節しましょう。
弱ったメダカや稚魚は室内へ
弱ったメダカや稚魚は体力がなく、屋外ビオトープで越冬できる可能性が極めて低くなります。
屋外ビオトープから除き、室内水槽ですごさせましょう。
水質管理を行う
冬になり水温が低下すると、メダカは冬眠状態に入るため刺激となる水換えは行いません。
そのため、秋の間の水質管理が重要となります。
定期的に水換えを行い、病気が発生しないようにしましょう。
比較的暖かな日に、ビオトープ内の掃除を行いゴミなどを取り除きます。
枯れ葉や枯れ草はメダカが冬眠する時の寝床や隠れ家となりますので極力取り出さない方が良いでしょう。
メダカを捕食する害虫も駆除しておきましょう。
睡蓮や水草の手入れを終えておく
睡蓮の葉や水草は冬の間、メダカの隠れ家となるため必要ですが、葉や根が伸びすぎているとメダカがひっかかり死んでしまう原因となります。
秋の間に、伸びすぎた葉や根は切り、メダカがすごしやすい環境を作っておきましょう。
適した場所にメダカビオトープを置く
メダカは比較的環境の変化に強い魚です。
しかし、昼夜の急激な温度変化には耐えることができません。
冬の間は特に、日中と夜間の温度差がゆるやかな場所に置くことが大切です。
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冬のビオトープの寒さ対策
屋外での冬のビオトープの寒さ対策で重要なことは、「水を凍らせない」環境作りです。
水の表面が凍ると、睡蓮などの浮草の葉や根が凍ってしまい、腐って枯れやすくなります。
さらに水中まで凍ってしまうと、水草の水中葉や根が腐りダメになってしまう危険性が高くなります。
また、水全体が凍ってしまうと、メダカやヌマエビなどの生き物も凍死してしまいますのでそれだけは避けたいものです。
「水を凍らせない」対策として
断熱材を使用する
冬のメダカのビオトープの寒さ対策では、発砲スチロールなどの断熱材が有効です。
可能であれば、容器に直接断熱材を張るとよいでしょう。
冷たい外気温から水槽を守り、かつ内側の温度を温かく保ってくれます。
発砲スチロールの箱に、冬の間生き物を移して飼育する方法もおすすめです。
発泡スチロールで蓋をすることができるため、より寒さから生き物を守ってくれます。
特に、ビオトープの冬越しを東北などの寒冷地で行う場合、容器の外側を断熱材でしっかり覆い寒さ対策を行うことが重要です。
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水面に切った発泡スチロールを浮かべる
水面を凍らせないようにするには、「水を揺らすこと」です。
水面に切った発砲スチロールなどを浮かべておくと、風で発砲スチロールが動き水面が揺れ氷を張りにくい状態にすることができます。
また水面に浮いた発泡スチロールのおかげで水面に風が直接当たらなくなり、保温効果も見込めます。
メダカビオトープの冬支度と寒さ対策まとめ
- ビオトープの冬に使う睡蓮や水草は、耐寒性があり越冬できるものを選ぶ
- メダカビオトープの立ち上げを冬に行う際には、室内で環境づくりを行う
- メダカビオトープの冬支度と日々の管理は秋から始め、メダカに体力をつけさせる
- 水質管理および睡蓮や水草の手入れを行うなど、メダカが冬越しできる環境を作る
- メダカビオトープの寒さ対策として、断熱材の利用やビニールハウスの設置などを行い水が凍らない環境を作る