
メダカの底砂に赤玉土を使うメリットとデメリットは?
赤玉土でメダカが死ぬことがある?
赤玉土を使った飼育方法の立ち上げ方を知りたい。
メダカビオトープの赤玉土の掃除はどうしたら良い?
こんなメダカ飼育における赤玉土の使い方についてご紹介いたします。
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底砂に赤玉土を使うメリット・デメリット
どんなものにもメリットとデメリットがあるようにメダカ飼育における赤玉土の使用でもやはりメリットとデメリットが存在します。
メダカ飼育に赤玉土を使うメリットは
- メダカの色合いが良くなる
- 飼育水がクリアウォーターになる
- メダカの餌が豊富になる
- 水草などの植物が育ちやすくなる
- メダカが落ち着ける
などが挙げられます。
底砂を何も入れていない明るい色合いの容器よりも暗い色合いの赤玉土の方がメダカの発色が良くなります。
これはメダカが持ち合わせている能力の一つで配置適応と呼ばれています。
メダカには周りの環境に合わせて体の色を薄くしたり濃くしたりする性質があります。
メダカ飼育で黒のプラケースを使用している人が多いのはこの性質を利用してメダカの発色を良くさせる目的もあります。
石や砂利などに比べて多孔質な構造の赤玉土には多くのバクテリアが住み着き繁殖します。
赤玉土に住み着いた濾過バクテリアが水中の有機物を分解して水を綺麗にしてくれるため飼育水がクリアウォーターになります。
※実際にクリアウォーターになるメカニズムは少々複雑なのですが、ここでは簡略化して話をまとめています。詳細については後ほど詳しくご紹介致します。
また赤玉土に住み着く微生物は水質浄化に貢献するものだけではなく、メダカの餌となるものもいます。
赤玉土に微生物が増えればそれだけメダカの餌も増えることに繋がるのです。
常に豊富な餌にありつける環境でメダカを育てることによりメダカの成長も早くなります。健康的に育つため色合いも良くなります。
赤玉土に住み着いた微生物の働きによって分解された有機物は最終的に植物が吸収できる栄養となるため水草などの植物も育ちやすくなります。
赤玉土は飼育環境における地面ですので自然のもので構成された環境はメダカにとって落ち着ける場となることも間違いありません。
このように簡単に挙げただけでもメダカ飼育に赤玉土を使うメリットは沢山あります。
それに対して赤玉土を使うデメリットは
- グリーンウォーターが薄くなる
- 何も入れていない容器よりも掃除が大変になる
- 使い方を間違えるとメダカが死ぬ
などが挙げられます。
赤玉土を入れることにより多種多様な微生物が繁殖するため植物プランクトンの大量繁殖によって起こるグリーンウォーターは解消されてしまいます。
よってメダカをグリーンウォーターで管理したい人には赤玉土はおすすめできません。
逆にクリアウォーターでメダカを育てたい人には赤玉土はおすすめです。
さらに赤玉土を入れることによりどうしても掃除は大変になります。
何も入れていない容器であれば水換えをするだけで簡単に水中の有害物質は除去できますが、赤玉土をいれていると赤玉土の隙間に有機物が沈殿してしまいます。
ある程度の有機物は微生物の餌となるため良いのですが、過剰に溜まってしまった有機物は掃除により排出しなければなりません。
メダカの数や餌の量を抑え、有機物を減らし、バランスのとれたビオトープができあがれば掃除をしなくても良い環境を作ることもできます。
そして最後の「赤玉土の使い方を間違えるとメダカが死ぬ」このデメリットは何としても避けたいものです。
赤玉土でメダカが死ぬことがある?
赤玉土そのものがメダカにとって毒性があるわけでは無いのですが、使い方を間違えるとメダカが死んでしまうこともあります。
このように言うとなんだか赤玉土が怖いものように感じてしまう人もいるかもしれません。
ただ、赤玉土に限らず他のソイルなどでも同じことは起こります。
メダカが赤玉土で死んでしまう問題は水槽の立ち上げ方法や水質管理方法を理解しているかどうかに関わってきます。
逆に言えばその仕組みさえしっかり理解していればメダカが赤玉土で死んでしまう問題は回避することができるのです。
赤玉土の使用によりメダカが死んでしまう原因は
- 赤玉土の酸性度によるペーハーショック
- アンモニアの大量発生によるアンモニア中毒
この二つとなります。
メダカの飼育環境に赤玉土を入れて、もしくは赤玉土を敷いた環境にメダカを入れて1日や2日でメダカが全滅してしまうような時にはペーハーショックが考えられます。
1日目、2日目は何とも無く1週間以上経ってからメダカが全滅してしまうような時にはアンモニア中毒の恐れがあります。
赤玉土のpHは酸性ですので中性付近の水質に大量投入すると水質を急激に酸性に傾けてしまう傾向があります。
そのような急激なpHの変化はメダカにとって大きなストレスとなり過度な変化はペーハーショックを招きます。
そのようなことにならないように赤玉土の量を抑えめにしたり、赤玉土を敷いた環境で数日おき、ペーハーを測定してからメダカを投入すると良いでしょう。
アンモニアの大量発生によるアンモニア中毒の問題を理解するには水槽内で起こっている生物濾過の仕組みを理解しなければなりません。
まずは生物濾過の仕組みから簡単にご説明いたします。
赤玉土を投入すると徐々にバクテリアの繁殖が始まります。
このバクテリアはメダカの餌の食べ残しや糞などの有機物を餌として繁殖し、アンモニアを生成します。
わかりやすいようにこのバクテリアを「バクテリアA」と呼びましょう。
その後、バクテリアBがアンモニアを餌に亜硝酸を生成し、次のバクテリアCが亜硝酸を餌に硝酸塩を生成する流れが出来上がります。
各働きをするバクテリアがバランスよく増えるとアンモニアや亜硝酸といった毒性の強い物質が大量に蓄積することはありません。
しかし、立ち上げ当初はバクテリアの繁殖するスピードの違いからどうしても生物濾過のバランスが崩れてしまいます。
そのためアンモニアが大量に蓄積する環境が出来上がってしまうのです。
その後、徐々に各バクテリアが繁殖することでアンモニアは減少していきます。
これが水が立ち上がると呼ばれる状態です。
この仕組みを知らずに立ち上げ後すぐにメダカを入れてしまうとアンモニアの発生によりメダカが落ちることがあります。
立ち上げてから1週間くらいでメダカが死んでしまったらアンモニア中毒を疑ってみましょう。
赤玉土を使った飼育方法の立ち上げ方
間違った赤玉土の使い方をしてしまうことでメダカが死んでしまう理由がわかったところで赤玉土を使った正しい立ち上げ方法をご紹介いたします。
まずは飼育容器に赤玉土を敷き水を張ります。
この状態で飼育水が濁るようなら水換えを行い赤玉土の粉塵を排出しておきます。
その後、太陽の光が当たる場所に1週間ほどおき濾過バクテリアの繁殖を促します。
この間に2日に1回三分の一くらいの水換えを行うと水質が極端に酸性に傾くことを防ぐことができます。
またアンモニアを生成するバクテリアを増やすためには有機物がなくてはなりません。
メダカの餌や糞などを入れてあげるとそれらを餌としてバクテリアAが増え始めます。
バクテリアAが増えるとバクテリアBの餌が増えるため徐々にバクテリアBも増えてきます。
バクテリアBがしっかり増えるとアンモニアは亜硝酸に速やかに分解されるため過剰に溜まることはなくなります。
その後バクテリアCもしっかり繁殖すると毒性の強いアンモニアや亜硝酸がたまらなくなる為メダカを入れても大丈夫な環境が出来上がります。
この生物濾過が出来上がる前にメダカを入れてしまうとアンモニアによってメダカが死んでしまいます。
まだバクテリアの数が少ないうちに沢山のメダカを入れると有機物の処理が間に合わなくなり、これもまた問題となります。
ここまでの話をもう一度整理してみましょう。
初めに赤玉土を入れて1週間ほど水換えを繰り返してバクテリアの繁殖を促す。
この間はメダカを入れない。
水が出来上がったら少ない数のメダカから始める。
この時、メダカを入れる前にアンモニア測定をしておくと安心。
1ヶ月以上して水がしっかり出来上がったらメダカの数を増やす。
バクテリアがしっかり繁殖すると硝酸塩やリンがたまりやすくなり、コケが生え始めます。
コケの発生を防ぐためには立ち上げ当初から水草や浮き草などを多めに入れておくと良いでしょう。
水草や浮き草はメダカと違いアンモニア中毒になることはないので立ち上げ当初から入れても問題ありません。
これが赤玉土を使った正しい立ち上げ方です。
水が立ち上がるまでメダカは入れないと説明しましたが、実は「パイロットフィッシュ」と言って1匹や2匹のメダカを入れて水を立ち上げる方法があります。
パイロットフィッシュを入れることにより糞などがバクテリアの餌となるためバクテリアの繁殖が進むようになります。
1匹程度のメダカの糞ならアンモニアが検出されても少量のためメダカに致命傷を与えることはありません。
水質管理はこの兼ね合いが大切なのです。
糞などの有機物(アンモニアの素)が無いとバクテリア育たないのですが、多すぎるとメダカにとって毒となってしまうのです。
この水質管理の仕組みは赤玉土に限らず、どんな底砂を使用しても考え方は同じです。
メダカビオトープの赤玉土の掃除
水槽のガラス面や器具は放置すると徐々にコケが付着してしまうので定期的に掃除をしなければならないことはなんとなくわかるものです。
水換えも定期的に行わなければ水質が悪化してしまうことは色々なところで言われていることなので知っている人も多いでしょう。
それなら底砂の掃除はどうしたら良いのか?
そもそも赤玉土の掃除はするべきなのか?
そのような赤玉土の掃除の必要性から考えてみましょう。
結論から言うと屋外ビオトープでのメダカ飼育であれば赤玉土の掃除は必要ありません。
あまりにも過密飼育の場合にはまた別の話となってしまいますが、通常の飼育であればメダカの糞はバクテリアによって上手く分解されていきます。
これが金魚などの大食漢になると話は変わってきます。
金魚は数匹でも大量の糞をしますのでバクテリアの分解だけでは間に合いません。
そのような時には底床クリーナーなどを利用して赤玉土の上に溜まった糞を吸い出すようにすると水質の悪化を遅らせることができます。
メダカビオトープにおいて赤玉土を頻繁に掃除すると赤玉土の中に溜まった汚れが舞い上がってしまい水中が富栄養化してしまいます。
そうなるとコケが増えてしまいますので避けたいものです。
また、赤玉土はあまりいじくり回すと崩れてしまいますのでそっとしておきましょう。
メダカビオトープでは水の濁り具合や色付き具合を見ながら適度に水換えをする程度で問題ありません。
とくにメダカが少なめで植物が元気に育っているビオトープであれば水換えさえも不要とすることもできます。
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- 赤玉土にはメリットもデメリットもある
- デメリットを回避してメリットを活かすように使う
- 赤玉土には濾過バクテリアが住み付き水を浄化してくれる
- 立ち上げ当初はアンモニアが検出されやすい
- 赤玉土でメダカが死ぬ理由はpHショックとアンモニア中毒
- 正しい立ち上げを行えば赤玉土はメダカにとって非常に良いもの
赤玉土のメリットを最大限に活かせるように改良されたメダカ用の赤玉土も販売されています。
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