メダカの立ち泳ぎは奇形や寿命のサイン?
メダカが頭を上にして泳ぐのは病気?
メダカが立ち泳ぎをする原因は何?
立ち泳ぎ病はうつる?治し方は?
メダカの立ち泳ぎは塩浴で回復する?
こんなメダカの立ち泳ぎ病に対する疑問についてご紹介いたします。
目次
メダカの立ち泳ぎは奇形や寿命のサイン?
メダカがまるで立っているような状態で泳いでいる。
そんなときはメダカの体に何らかの異変が起こっていると考えられます。
立ち泳ぎをするメダカを見つけたら、まず病気の発症を疑うかもしれません。
しかし「メダカの立ち泳ぎ」は「奇形」や「寿命」のサインの場合もあるのです。
飼育されているメダカには5年も生きる長寿の個体もいますが、メダカの平均的な寿命はおよそ2~3年です。
メダカの寿命は飼育者の世話の仕方によって変わることもありますが、必ずやってくる別れを避けることはできません。
寿命により最期のときが間近になったメダカは痩せ細り、立ち泳ぎすることが多くなることがあります。
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またメダカには遺伝などによる先天的なものや後天的な理由で奇形になる個体がいます。
メダカの後天的な奇形の理由としては稚魚(針子)の時期にエアレーションの泡や急激な水温の変化などで体にダメージを負うことが考えられます。
メダカの奇形は針子(稚魚)の時期はあまり目立ちませんが、成長すると異常のある部位によって立ち泳ぎするようになることがあります。
メダカが頭を上にして泳ぐのは病気?
では「奇形」や「寿命」の可能性の低いメダカが頭を上にして泳ぐのはどのような理由があるのか?
メダカは水流がないときは思うままに泳ぎ、水流があるときはそれに逆らって泳ぐ性質がありますが、頭と尾びれは常に水平です。
元気なメダカが頭を下にして泳ぐのは大抵の場合は水底に沈んだ餌を探しているときです。
そんなときのメダカは活発に素早く動き、目的を果たすとすぐに通常の泳ぎ方に戻ります。
健康なメダカが頭を上にして泳ぐことはほとんどなく、水面に浮かんだ餌を食べるときでさえ少し頭を持ち上げるくらいです。
よって頭を上にして立ったまま泳ぎ続けるメダカには、何らかの異変が起こっていると考えられるでしょう。
メダカが頭を上にして泳ぐのは「奇形」や「寿命」が原因でない場合は立ち泳ぎ病を発症している可能性があります。
「メダカの立ち泳ぎ病」とはその名が示す通りメダカが頭を上にして立った状態で泳ぐ病気です。
メダカの立ち泳ぎ病の初期の症状は次のようなものです。
- 立ち泳ぎをしたり普通に泳いだりを繰り返す。
- 痩せてくる。
中期の症状は次のように変化していきます。
- 立ち泳ぎしかできなくなる。
- 痩せ細ってお腹がつぶれたように平たくなる。
そして立ち泳ぎ病のメダカの末期の症状です。
- 力なく立ち泳ぎをして体力を消耗する。
- 泳げなくなり底に沈んだままのことが多くなる。
立ち泳ぎ病のメダカがひたすら上に向かって泳ぐ姿は痛々しいものですが、発症した個体すべてが命を落とすわけではありません。
立ち泳ぎ病になった原因にもよりますが、発症から早い段階のメダカなら適切な処置によって回復する可能性があるでしょう。
しかし立ち泳ぎ病が重症化したメダカは体力を使い果たしたあげく死に至ることが多いのも事実です。
メダカが立ち泳ぎをする原因
メダカが立ち泳ぎ病を発症する原因はどのようなものなのか?
メダカが立ち泳ぎ病になるのは次のような原因が考えられています。
- 細菌の感染
- 浮袋の損傷
- 餌の食べ過ぎや消化不良
- 水質の悪化によるストレス
まだ詳しいことは判明していませんが、メダカの立ち泳ぎ病の原因は「マイコバクテリウム」という細菌が関係していると考えられています。
細菌感染の可能性のある立ち泳ぎ病のメダカを見つけたらすぐに隔離して適切な処置を行ってください。
また、浮袋の損傷もメダカの立ち泳ぎ病の原因になります。
前述の、先天的な奇形や針子(稚魚)の時期に負ったダメージのほか、成魚になってからも何らかの原因で浮袋が傷つくと平衡感覚が保てなくなり立ち泳ぎ病になってしまいます。
また餌の食べ過ぎや古くなった餌で消化不良を起こしているメダカも浮袋が正常に機能しなくなることがあります。
「メダカのお腹が膨れている」など消化不良による立ち泳ぎの可能性が考えられる場合は絶食させることで症状が改善することもあります。
水質の悪化など、劣悪な水中環境によるストレスはメダカに様々な病気を引き起こしますが立ち泳ぎ病も例外ではありません。
原因が特定できない立ち泳ぎ病は治療も難しいため、日ごろからメダカが快適に健やかに生活できるような環境を整えて免疫力を高めておくことが重要です。
また、フィルターの水流や水温の変化などのダメージの後遺症で立ち泳ぎになることもある針子(稚魚)の飼育環境には細心の注意を払いましょう。
立ち泳ぎ病はうつる?治し方は?
メダカが立ち泳ぎ病を発症したら他のメダカにうつるのか?
前述のように「マイコバクテリウム」という細菌感染が原因として考えられている立ち泳ぎ病は他のメダカにうつる可能性がないとはいえません。
よって立ち泳ぎ病のメダカを見つけたらすぐに隔離したほうがよいでしょう。
ではメダカの立ち泳ぎ病には治療する方法や治し方はあるのか?
残念ながらメダカの立ち泳ぎ病の治療に有効な薬などはありません。
立ち泳ぎ病の原因が「餌の食べ過ぎ・消化不良」や「水中環境の悪化」などが考えられるときは次のような治し方で症状が回復することがあります。
- 絶食
- 水中環境の改善
立ち泳ぎ病の原因が餌の与え過ぎや古くなった餌による消化不良の可能性があるときは絶食させるだけで回復に向かうことがあります。
また飼育水の汚染など水質が悪化している場合は水換えなどで水中環境を改善するだけで症状が治まることもあります。
いずれの場合も立ち泳ぎしているメダカが回復するまでは隔離しておいてください。
メダカの立ち泳ぎは塩浴で回復する?
立ち泳ぎ病の初期の段階のメダカなら「塩浴」により病気が回復に向かうことはよく知られています。
「塩浴」を始めてからわずか数日で立ち泳ぎ病の症状が消えるメダカもいます。
前述のようにメダカの立ち泳ぎ病の原因は明らかにはなっていませんが、立ち泳ぎ病になる個体のほとんどは何らかの原因で衰弱状態になっていることが多いものです。
立ち泳ぎで体力の消耗や衰弱の見られるメダカの体調を回復させるのに効果をもたらすのが「塩」です。
水の中に塩を入れるだけの「塩浴」は浸透圧の作用でメダカの体の負荷を減らし立ち泳ぎで奪われた体力の回復を促します。
立ち泳ぎ病の症状の重くないメダカなら自然治癒力を高める効果のある「塩浴」を数日行ってください。
立ち泳ぎ病から回復したように見えるメダカでも体力の消耗が考えられますので再発を防ぐためにもリハビリ的な治し方の「塩浴」はお勧めです。
メダカの立ち泳ぎ病まとめ
- メダカが立ち泳ぎする理由は「奇形」や「寿命」のサインのことがある
- 頭を上にして泳ぐのは「立ち泳ぎ病」の可能性もある
- 立ち泳ぎ病になる原因は「細菌の感染」「浮袋の損傷」「消化不良」「水質悪化」
- 発症の原因により「絶食」や「水中環境の改善」で治ることもある
- 初期の段階なら「塩浴」で回復することが多い
今回はメダカの立ち泳ぎ病についてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。