メダカの繁殖・産卵時期はいつごろ?
メダカの繁殖は室内水槽でもできる?
メダカは勝手に自然繁殖する?
メダカの繁殖方法や繁殖を成功させるコツは?
メダカの繁殖に最適な容器は?
メダカは1ペアでも繁殖する?オスメスの最適な割合や比率は?
メダカの繁殖行動とは?
こんなメダカの繁殖に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
メダカの繁殖・産卵時期はいつごろ?
メダカの繁殖時期は気温が上がる春から秋にかけての間です。
メダカは自然の中で水温の上昇と日照時間の変化を感じ取り繁殖期を迎えると言われています。
基本的には水温が20℃を超える日が増え、日照時間が13時間を超えるようになるとメダカの繁殖が盛んになります。
この条件は日本各地で変わってくるため、九州方面などの暖かい地域と北海道などの寒い地域ではメダカの繁殖時期にも違いが出てきます。
2021年の気温と日照時間を確認してみると関東地方では4月中頃に日照時間が13時間を超えていました。
また20℃を超える日も増えており、まさしく4月の中頃がメダカにとっての繁殖時期となっていました。
メダカの屋外飼育においては日の当たりが良い日向で飼育しているメダカと日陰で飼育しているメダカでは環境の違いにより繁殖時期にも差が出てきます。
気温や日照時間がメダカの繁殖に適した季節になったとしても、メダカを飼育している環境が良くないと繁殖時期が遅れてしまいますので、春にはできるだけ日当たりの良い場所でメダカを飼育してあげるようにしましょう。
ここまではメダカの屋外飼育の話ですが、メダカの室内飼育では1年を通して繁殖を楽しむことも可能です。
メダカの繁殖は室内水槽でもできる?
メダカの繁殖は室内の水槽でも、もちろん楽しむことができます。
しかし、屋外飼育同様にメダカが繁殖をする条件を整えてあげることが大切です。
室内のメダカ水槽では水槽用ヒーターを使用し、水温をメダカの繁殖に適した水温に保ち、照明を使用し、日照時間をコントロールすることでメダカの繁殖を行うことができます。
メダカ水槽では水槽ヒーターを使用しなくても問題なくメダカを育てることは可能です。
ただ、ヒーターを使用していない水槽は室内でも季節の影響を受けやすいため、年間を通してメダカの繁殖を楽しむことは難しくなります。
季節の変化に任せて繁殖をさせるか、一年を通して繁殖をさせるかによって水槽ヒーターの使用を検討しましょう。
水槽の照明はヒーターよりも大切な設備とも言えます。
メダカは日照時間の変化で繁殖時期を感じ取るというお話をしましたが、室内水槽において太陽の役割を果たすのが照明ライトです。
水槽の照明にはメダカの繁殖だけではなく、メダカの体内リズムを整えて健康的に育てる効果もあります。
また、メダカの産卵床にもなる水草などの植物の成長にも欠かせないものでもあります。
メダカは勝手に自然繁殖する?
メダカの繁殖経験がないと、どのように繁殖させればいいのかわからないものです。
メダカはいつもどおり育てていれば、自然に繁殖をしてくれるのか?
メダカの繁殖シーズンになるとそんな疑問も出てくるかもしれません。
もちろんメダカの自然繁殖は可能です。
メダカは日本の気候に適応し、自然の中でも繁殖をしています。
よってメダカの屋外飼育でもメダカの自然繁殖は可能です。
しかし、メダカが自然繁殖するにはそれなりの条件が整っていなければなりません。
その条件とはメダカが落ち着いて繁殖できるビオトープのような環境があることです。
- 卵や稚魚が隠れることのできる隠れ家があること
- 植物がしっかり育っていること
- 豊富な餌(微生物)が繁殖していること
- できるだけ大きな容器で水質が安定していること
このような条件が整っていればメダカは自然に繁殖をしてくれるでしょう。
もちろん先にご説明しましたように水温と日照時間も大切な要素です。
ただ、メダカの自然繁殖では卵や稚魚の生存率が低くなることは否めませんので、しっかり育てたい場合にはそれなりの世話が必要となってきます。
メダカの繁殖方法や繁殖を成功させるコツ
メダカは特に世話をしなくても繁殖条件さえ整えば自然に繁殖をしてくれる繁殖力の強い魚です。
しかし、飼育者がしっかり繁殖の世話をしてあげることで繁殖を成功させやすくなるのも事実です。
そんなメダカの繁殖方法をしっかり理解し、メダカの繁殖を成功させましょう。
メダカの繁殖を成功させるコツは繁殖のステージによって変わってきます。
- 産卵前は栄養価の高い餌をしっかり与える
- 産卵時に産卵床を用意する
- 産卵後の卵の隔離や育て方をしっかり学ぶ
- 卵が孵化してからの針子や稚魚の育て方をしっかり学ぶ
- 稚魚の成長において共食いや捕食者の存在を理解する
産卵前は栄養価の高い餌をしっかり与える
メダカに限らず、産卵・繁殖には膨大なエネルギーを使うものです。
よって栄養をしっかり摂らなければ卵を作ることもできません。
メダカは人工フードだけでもしっかり栄養バランスが考えられているので問題なく育てることはできます。
ただ、繁殖となるとミジンコなどの生き餌を与えた方が卵の数が増える、産卵の回数が増えるなどのデータもあります。
栄養のバランスだけを考えると人工フードは素晴らしい餌ですが、繁殖に必要な高蛋白となるとやはり生き餌に勝るものはないのかもしれません。
また、生き餌はメダカの稚魚を育てる際にも非常に効果的ですので、メダカの繁殖に挑戦するのであれば、メダカの餌となる生き餌についても知識をつけておくことをおすすめします。
メダカの生き餌とはメダカの餌となる微生物達です。
その種類も様々でミジンコやゾウリムシ、光合成細菌、ブラインシュリンプなど多種多様な生物が知られています。
産卵時に産卵床を用意する
メダカは卵を水草や浮き草の根などに産み付ける習性があります。
そのようにメダカの卵を産み付ける場所を産卵床と呼びます。
メダカの繁殖に対してはメダカが卵を産みつけやすい産卵床を用意できるか、できないかで卵の生存率がかなり変わってきます。
卵を産み付ける産卵床の無い環境では、いつまでもメダカが卵をお腹に抱えたままの状態となるため、ほかのメダカに卵を狙われやすくなってしまいます。
メダカの産卵床は卵を産み付ける場所であり、卵を隠す場所(守る場所)でもあるのです。
産卵後の卵の隔離や育て方
メダカの産卵床を用意することでメスのメダカは安心して産卵をすることが出来ますが、狭い飼育容器の中では、いずれ卵が見つかってしまう確率が高くなります。
そのため卵は親のメダカから隔離して育てるほうが断然卵の生存率が高まります。
しかし、メダカの卵を隔離すると言ってもただ親メダカの飼育環境から取り出して他の容器に入れておけば良いというものでもありません。
メダカの卵は25℃の水温で10日ほどで孵化します。
その間、隔離した卵に最適な環境を整え、卵を育てなければなりません。
不衛生な環境や卵の孵化に適さない環境に放置してしまうと卵の孵化率が下がる上、卵にカビが生えてしまうなどの問題も起こってしまいます。
そのようなことにならないようにメダカの卵の育て方をしっかりマスターしておきましょう。
卵が孵化してからの針子や稚魚の育て方
メダカの卵が孵化したら一安心ですが、ここからがメダカの繁殖の中で一番難しい時期にもなります。
メダカの繁殖が成功するかどうかは孵化したばかりの稚魚(針子)の成長にかかっているとも言えます。
メダカの針子は非常に小さくか弱いため、ちょっとしたことですぐに死んでしまうこともあります。
その中でも餌不足による餓死が原因で死んでしまうことが多いものです。
屋外ビオトープなら針子の餌となる微生物も豊富に繁殖しているため針子の餌不足を回避できますが、植物のなどが何も無い水槽では針子の餌をしっかり用意しなければなりません。
稚魚の成長において共食いや捕食者の存在を理解する
メダカの針子や稚魚の生存率を左右する要因として挙げられるものに捕食者によって食べられてしまうことやメダカ同士の共食いなどがあります。
室内水槽ではほとんどありませんが、屋外飼育ではメダカの繁殖シーズンは捕食者が活発に活動する季節でもあります。
その中でも特に注意したいのが、トンボの子供であるヤゴの存在です。
ヤゴは知らぬ間にビオトープに侵入し、いつの間にか稚魚を食べ尽くしてしまうこともありますので気をつけたいところです。
メダカの稚魚をたくさん飼育していると孵化した時期や個々の成長スピードの違いによってどうしても個体差が出てきてしまいます。
そんな中、全ての稚魚を一緒に飼育していると小さな稚魚が餌にありつけなかったり、共食いの餌食となってしまうこともあります。
よって稚魚に体格差が出てきたら選別をしなければなりません。
メダカの繁殖に最適な容器
メダカの卵や稚魚は非常に小さな存在です。
そのためメダカの卵や稚魚を育てる際に小さな容器で育ててしまう人がいますが、そこに落とし穴があります。
実は容器の大きさはメダカの繁殖に大きな影響を与えてしまうのです。
メダカの卵の成長には水温、水質、酸素、日照などが影響しています。
その中で水温や水質は容器の水量によって左右されやすくなります。
小さな容器では水質が悪化しやすく、水温もふらつきやすいものです。
よってメダカの卵を育てる際にもやはりそれなりの大きさの容器が理想となります。
針子や稚魚の飼育においても卵の育成と同じことが言えます。
さらに稚魚の飼育では小さな容器だと餌が全ての稚魚に十分に行き渡らないなどの問題も出てきてしまいます。
メダカは1ペアでも繁殖する?オスメスの最適な割合や比率は?
メダカは1ペアでも繁殖するのか?
もちろん1ペアでもオスメスの相性が良く、共に性成熟していれば繁殖は可能です。
現に品種改良された高価なメダカはペアで販売されていることもあります。
ただ、初めてメダカの繁殖に挑戦するような人はそのようなペアのメダカを購入することは少ないはずです。
黒メダカやヒメダカ、もしくはちょっと変わった楊貴妃メダカやみゆきメダカなどの繁殖から始める人が多いのではないでしょうか。
そのような品種のメダカは1ペアで販売されていることが少なく、10匹や20匹というようなまとめ売りをされていることが多いものです。
よって1ペアで繁殖を試みるというよりは複数飼育で繁殖を行うことの方が多いでしょう。
そのような場合には意外とオスとメスが何匹ずついるのか知らないで飼育している人も多いかもしれません。
実際にオスメスをしっかり区別して割合を意識するとしたらどのような比率が繁殖にベストなのでしょう。
オスメスの最適な割合は繁殖のスタイルによって変わってきます。
無精卵を減らし、受精卵(有精卵)の比率を高めたい場合にはオスを多めに入れた方がよいでしょう。
逆に卵の数を増やしたい時にはメスを多めに入れればそれだけ卵の数は増えますが、オスの受精にもキャパがありますので、無精卵が増えることが多くなります。
メダカの繁殖行動
メダカの繁殖行動はオスのメダカがお気に入りのメスを見つけるペアリングから始まります。
そのうち、オスがメスを追い越しながら身を震わせて泳ぎ、ひるがえっては戻るような行動を繰り返します。
このような行動の後、オスが長いヒレでメスを支えるようにして体をすり合わせてメスの産卵を促します。
メスが産卵するとオスはすかさず卵に精子を振りかけて受精させます。
このような流れでメダカの繁殖行動は行われますが、メダカの産卵は明け方に行われることが多いため、気がつくと繁殖行動は終わっており、メスのメダカがお腹に卵を抱えているようなことが多いものです。
メダカの繁殖・産卵まとめ
- メダカの繁殖は気温が20℃を超える日が増え、日照時間が13時間を超えるようになると盛んになる
- メダカの繁殖は室内水槽でも可能だが、繁殖に必要な条件を揃えてあげる必要がある
- メダカは繁殖条件さえ整えば自然繁殖してくれるくらい繁殖能力は高いが、飼育環境では卵や稚魚の生存率が低くなる
- 卵の育て方や稚魚の育て方を知ることでメダカの生存率を上げることができる
- 小さな容器は扱いやすく使い勝手はいいが、メダカの繁殖には不向き
- メダカは1ペアでも繁殖するが、はじめての繁殖では10匹くらいいた方が良い
今回はメダカの繁殖に関する疑問についてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。