メダカが一晩で全滅する突然死の理由は?
メダカが全滅する原因にはどのようなものがある?
メダカが夏に急死する原因は?
メダカが冬に全滅する原因は?
こんなメダカの突然死や全滅に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
メダカが一晩で全滅する突然死の理由
飼育しているメダカが一晩で全滅するという事態が起こる事があります。
前日まで元気に泳いでいたメダカが突然死する理由とは一体何なのでしょうか?
それまで飼育していたメダカが一晩で全滅したという場合、「急激な環境の変化」や「殺虫剤の散布」などが原因として考えられます。
急激な環境の変化として、例えばプランクトンやバクテリアの爆発的な増殖による酸欠があります。
水槽内の濾過バクテリアやプランクトンが急激に増えた事で水中の酸素が大量に消費されてしまい、メダカが酸欠を起こして死んでしまうというケースです。
このような現象は気温が高まる時期に起こりやすい傾向にあります。
気温が上昇するとメダカの活性が高まるだけでなく、プランクトンやバクテリアの活動も活発になります。
活性の高まったメダカは餌をたくさん食べて大きく成長しますが、糞の量も増えます。
また、メダカがたくさん餌を食べられるようにと過剰に餌を与えがちになるので、食べ残しが増えてしまいます。
メダカの糞や餌の食べ残しといった有機物はプランクトンやバクテリアの餌です。
気温の上昇と共に活発になったプランクトンやバクテリアは大量に発生した有機物を餌に爆発的に増えていきます。
プランクトンやバクテリアも酸素を消費して生きているので、あまりに増えすぎると水中の酸素を大量に消費してしまうため、メダカが酸欠を起こして死んでしまう原因になるのです。
このように、メダカが対応しきれないような急激な環境の変化が起こった場合に、メダカの突然死が起こります。
もう一つ考えられる原因が「殺虫剤」です。
アース製薬の「おすだけノーマット」のように、「ピレスロイド系」の成分が使われている殺虫剤をメダカ水槽の近くで使用したことが原因で、メダカが全滅してしまうケースがあります。
トランスフルトリンといったピレスロイド系の殺虫成分は、人間などの哺乳類にとってはほとんど害がありません。
しかし、メダカなどの魚類にとっては有害です。
神経系に作用する毒性を示すため、ピレスロイド系の成分は高い魚毒性を持っているとされています。
メダカ水槽の近くでワンプッシュしただけで翌日全滅していたというケースも少なくないので、殺虫剤の散布には注意が必要です。
メダカが全滅する原因にはどのようなものがある?
メダカが全滅するといった事態は、何も一晩で全滅するような突然死ばかりではありません。
数日に渡って1匹また1匹とポツポツと死んでいき、遂には全滅するというケースもあります。
このような違いが見られるのは、メダカが全滅する原因が一つでは無いからです。
メダカが全滅してしまう原因として、次のようなものが挙げられます。
- 水質や水温の急激な変化によるショック
- 日中と朝晩の水温差による体調不良
- 水質悪化
- 病気の蔓延
- 購入したメダカが初めから弱っていた
水質や水温の急激な変化によるショック
メダカは丈夫な魚なので、多少水が汚れて水質が変化しても適応できます。
また、生存できる温度帯が幅広く、0℃から38℃程度の高水温まで耐えられます。
ですが、これらは水質や水温が時間をかけて穏やかに変化した場合です。
短時間での急激な水質・水温変化が起こった場合には適応できずにショック症状を起こします。
水質・水温ショックは治療法がない上に、短時間で死に至るのであっという間に全滅する恐れがあります。
購入したメダカを自宅水槽に移す際に水合わせを十分に行わなかったり、長期間水換えしていなかった水槽の水を一度に大量に換えたりした場合に水質・水温の急変が起こりやすいので注意して下さい。
メダカを自宅水槽に移す際にはしっかりと水合わせをする。
長期間水換えをしていない場合は毎日少量ずつ水換えをするなどの対策を取りましょう。
日中と朝晩の水温差による体調不良
春や秋など、日中は暖かいけれど朝晩は冷え込む季節で注意したいのが、日中と朝晩での水温差です。
日中と朝晩での水温差が6℃以上あるという場合、メダカは体力を消耗して体調不良を起こしやすくなります。
特に、体力が少ない針子や稚魚などは体調不良が原因でそのまま全滅してしまう事も少なくないので注意が必要です。
屋内飼育ならばヒーターを設置して温度を一定に保つようにしましょう。
ビオトープなどの屋外飼育の場合は水量を多めに確保できる容器を使ったり、発泡スチロール容器を使うなどして保温性を高め、大きな水温差が起こらないようにすると安全性が高まります。
水質悪化
メダカは多少の水質悪化には適応して耐えられますが、ダメージが全く無いわけではありません。
堆積した汚れから発生する硝酸塩やアンモニア濃度が高まる程にダメージが蓄積され弱っていきます。
そして、体力が低い個体からポツポツと死んでいき、最終的には全滅してしまうのです。
適切な頻度で水換えを行い、メダカに適した水質を維持してあげましょう。
病気の蔓延
病気の蔓延によって全滅してしまう事があります。
特に、水質悪化や水温の変化によってメダカの免疫力が落ちている場合には注意が必要です。
メダカが発症しやすい病気に尾ぐされ病や白点病がありますが、メダカの体力が十分にあり免疫機能がしっかりと働いている場合には発症しません。
しかし、水質悪化などの影響で水槽内のメダカの免疫力が下がっている場合には、これらの病気が一気に蔓延してメダカが次々と死んで全滅してしまう事があります。
飼育環境を整えて病気を予防する事。万が一病気を発症した個体が現れたらすぐに隔離するなどの処置をして蔓延を防ぐことが大切です。
購入したメダカが初めから弱っていた
しっかりと水合わせをしてからメダカを自宅水槽に移したにも関わらず、数日経ったら全滅してしまったというケースがあります。
このような場合には、購入した時点ですでにメダカが弱っていた可能性が考えられます。
輸送のストレスによる疲れや何らかの細菌感性による体調不良など、パッと見ただけではメダカが弱っていると分からない事も少なくありません。
このような原因で弱っている個体群の場合、いくら丁寧に水合わせしてもダメージが蓄積するだけで回復せず、さらに弱って死んでしまいます。
このような弱った個体に当たらないためにも、メダカの取り扱いに力を入れているアクアショップで購入するのがおすすめです。
以上のように、メダカが全滅する原因は様々ですが、ほとんどの原因は日々の管理の中で注意する事で防ぐことができます。
屋内飼育と屋外飼育では起こりやすい原因は異なりますので、それぞれの飼育環境にあった対策をとり、メダカの全滅を防ぎましょう。
メダカが夏に急死する原因
夏はメダカがグングンと大きくなり、卵もたくさん取れる季節です。
しかし、メダカが急死しやすい季節でもあります。
夏にメダカが急死してしまう原因は一体なんなのでしょうか?
それには以下のような原因が挙げられます。
- 高水温による体調不良
- 急激な水質悪化
- 酸欠
高水温による体調不良
夏にメダカが急死する主な原因は、高水温による体調不良です。
確かにメダカは38℃程度の高水温に耐える事ができます。
ですがそれは一時的なものです。
長時間高水温にさらされると、丈夫なメダカもダメージが蓄積し体調を崩し急死してしまいます。
また、近年では猛暑日に40℃近くまで気温が上昇する事も珍しく無くなりました。
このような気温の中、水槽の暑さ対策を何もしないでいると、水温が40℃を超える事があります。
さすがに40℃もの水温にはメダカも耐えられないので死んでしまいます。
屋外飼育はもちろんのこと、屋内飼育であってもキチンと暑さ対策をして、水温の上昇を抑えてあげましょう。
急激な水質悪化
水温が上がりやすい夏は有機物が腐敗しやすため、水質悪化が急激に進みやすい季節でもあります。
水質が急激に悪化するとメダカが適応しきれないため、体調を崩して急死する原因となります。
特に、過密飼育になっている水槽や、ベアタンクで濾過バクテリアがいない飼育環境の場合は注意が必要です。
普段よりもこまめに水換えをして有機物を取り除き、水質悪化を防ぐようにしましょう。
酸欠
夏はメダカが酸欠になりやすい季節でもあります。
何故なら、水温が上がるほど水に酸素が溶け込みにくくなるので、水中の溶存酸素量が減るからです。
特に過密飼育となっている水槽は夏場の高水温によって酸欠を引き起こしやすく、急死の原因となるので注意しましょう。
もう一点、主に屋外飼育でメダカの酸欠の原因となるのがグリーンウォーターです。
夏場の高い気温と強い直射日光は植物性プランクトンの繁殖を促し、濃いグリーンウォーターを作り出します。
この濃いグリーンウォーターが酸欠の原因となります。
通常であればグリーンウォーターはメダカの針子や稚魚の餌となるため、発育を促し生存率を高めてくれる嬉しい存在です。
しかし、あまりに濃くなったグリーンウォーターは危険です。
確かに、植物性プランクトンはメダカの餌になりますし、光合成によって水中に酸素を供給してくれるという嬉しい働きもあります。
ですが、日の光が届かない夜間になると、一転して水中の酸素を吸収してしまうのです。
適度な濃さのグリーンウォーターならば問題無いですが、濃いグリーンウォーターの場合、増えすぎた植物性プランクトンが酸素を大量に消費するため、水中の酸素量が減りメダカが酸欠で急死する原因となります。
水草や浮き草などでも同じ現象が起こることがありますので、水中いっぱいの水草や水面を覆い尽くすほどの浮き草などは適度に間引くようにしましょう。
このように、夏は様々な要因によってメダカが酸欠になりやすい季節なので注意が必要です。
以上がメダカが夏に急死する原因です。
夏は高い気温の影響でメダカだけではなくプランクトンなど様々な生物が活性化します。
それによるメリットもあるのですが、少しの油断で飼育環境が急変する恐れがあるため、飼育環境を安定して維持するのが難しく、メダカが急死しやすい季節でもあります。
暑さ対策をしっかりと行って飼育環境の急変を防ぐ事が夏のメダカの急死を防ぐポイントです。
メダカが冬に全滅する原因
メダカの冬の過ごし方は屋内飼育と屋外飼育で違いがあります。
そのため、冬にメダカが全滅してしまう原因も異なります。
屋内飼育と屋外飼育での原因と対策についてそれぞれ見てみましょう。
室温の変化による急激な水温差
屋内飼育の場合は水槽にヒーターを設置し、水温を25℃程度の一定に保ちながら通常通り飼育して冬を越すのが一般的です。
そのため、屋外飼育に比べて安全に越冬させることができます。
ですが、ヒーターを点けているからと安心するのは危険です。
何故なら、ヒーターだけでは十分に水温が上がらず低水温になってしまったり、日中と朝晩で大きな水温差が生まれるケースがあるからです。
実は、水槽に設置するヒーターの多くは、水槽の外の温度(外気温)が15℃以上の時に設定温度まで温まる設計になっています。
そのため、外気温が15℃を下回る環境では十分に加温できず、設定温度まで水温が上がらないという事態が起こります。
例えば、就寝時や外出時などにメダカ水槽を設置してある部屋の暖房を消した事で室温が10℃を下回るような場合、25℃設定のヒーターを使って加温しても水温が20℃前後までしか上がりません。
室温が一桁台になればさらに水温は下がるでしょう。
また、日中に暖房器具を使って室温を温めると、今度は水温が設定温度の25℃まで加温されるため、朝晩と日中の水温差が大きくなります。
このような大きな水温差はメダカが体調を崩し全滅する原因となります。
このように、ヒーターが設置できる屋内水槽であっても油断は禁物です。
室温が15℃を下回りそうな時には、エアコンなどの暖房器具を使って室内を暖めて水温を適切に管理しましょう。
屋外飼育のメダカは水温が10℃を下回ると冬眠します。
そのため、冬の間は足し水以外に世話をする事はあまりありません。
そんな屋外飼育のメダカが冬の間に全滅してしまう原因として挙げられるのが、「体力不足」と「水が全て凍ってしまう事」です。
体力不足
冬眠するには体力が必要です。
そのため、冬眠前までに餌を十分に与えて体を大きくし、体力を付けさせる必要があります。
冬眠までに十分に大きくなれなかったメダカの場合、冬を越えるだけの体力が無いため、冬眠中に死んでしまいます。
そのため、秋口に生まれて十分な大きさまで育たなかったメダカなどは、全滅を避けるために室内で飼育した方が安全です。
また体力をしっかりつけたメダカであっても急激な環境変化などが起こると急激に体力を消耗して死んでしまうことがあります。
よって冬場の大掛かりな水換えなどは絶対にしないようにしましょう。
冬の間はとにかくそっとしてあげることが大切です。
飼育水が凍ってしまう
寒さに強いメダカも氷漬けになってしまっては死んでしまいます。
過去にテレビの特番で氷漬けになったメダカが復活したなどという生命力の強さを実証した番組が放映されたこともあります。
確かに嘘ではありませんが、氷漬けになったメダカが冬をそのまま越して春になったら元気よく泳ぎ出すという保証はありません。
そのため、水深が浅く水が全て凍ってしまうような飼育環境では全滅してしまう可能性が高くなります。
そのようなリスクを避けるためにも水が全て凍らないように、水量が十分確保できる大きめな容器を使いましょう。
または、保温性が高い発泡スチロール製の容器などは外気温の影響を受けにくく水が凍りにくいのでおすすめです。
以上が冬にメダカが全滅する原因になります。
メダカの突然死・全滅まとめ
- メダカが一晩で全滅する原因は環境の急激な変化や殺虫剤散布が挙げられる
- 朝晩と日中の温度差が6℃以上あるとメダカは体調を崩しやすくなるので注意する
- 夏にメダカが急死する原因は高水温や急激な水質悪化、酸欠が原因
- 冬の屋外飼育では水が全て凍ってしまう事が全滅の原因となるので、十分な水量の確保や保温性の高い容器を使う事が大切
今回はメダカの突然死と全滅に関する疑問についてご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考にしていただけると幸いです。
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